SSブログ

たぬき汁はむじな汁?! [手のひらを太陽に]

町の商人が
ものを知らないらしい田舎の人から
タヌキ(狸)の皮を相場より安く買ってきたら
それはムジナ(貉)の皮でした。

だましたつもりがだまされていたのです。
落語の「猫の茶碗」みたい。
田舎者をあなどってはいけません。

ムジナはタヌキの 10 分の 1 の値打ちだとか。

タヌキは高値で取り引きされるので
あくせく田畑を耕しているより
タヌキ猟の方が割りがいいとか。

あ!これは
大正時代の「早川孝太郎著/猪・鹿・狸」に
書いてあることなんですが。
タヌキ猟が盛んだったのは明治のころらしい。

ところで!
ムジナ(貉)ってどんな動物?!

小泉八雲の「MUJINA」では
のっぺらぼうの妖怪ですね。
ムジナが妖怪に化けているのでしょうけど。

タヌキは化けるそうですが
ムジナも負けず劣らず妖術を使いますか。

「石城(いしがき)謙一著/たぬきの冬」には
北海道の猟師の弁があります。
「道内にタヌキはおらん!ムジナはいる」とか。

北海道ではタヌキをムジナと呼ぶのだそうな。
現代のはなしですよ。

タヌキとムジナは同じ動物?!
よく似ているんですね!?

これがややこしい。

前述の早川孝太郎のはなしは
三河すなわち愛知県あたりのこと。

三河のムジナはイタチ科のアナグマのこと。
ちなみにタヌキはイヌ科。

逆にタヌキをムジナ!
アナグマをタヌキという里もあるらしい。

タヌキをタヌキともムジナとも細かく考えずに
どちらでも呼ぶ地方もあるとか。

どちらにしろ!
動物学的にはムジナはいないようです。

はなしは変わりますが
どうしてこんにゃくの味噌汁を
たぬき汁というのでしょうか。

たぬき汁を食べながら落ち着きましょう。

先日作ったアユ(鮎)の燻製(素焼き)
これまた先日!採集してきて干した椎茸でだしを取り
こんにゃくとふき(蕗)と油揚げの具。

blog狸汁.jpg

「たぬきの冬」によると
タヌキの毛皮は北海道の野生動物の中で
もっとも暖かいそうです。

濡れても毛が倒れず保温力がすごいそうです。

すると!商人が買いあさったのは毛皮。
肉の方はどうしたのでしょう。
肉を食べていたから
タヌキ汁もどきの
こんにゃく汁が代用として残っているのでしょうね。

(敬称略)
タグ:小泉八雲
コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。