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龍野にて(3) 魯山人の見せ鴨 [パパラッチ!ママえっち?]

400 年も前から
特別飼育の鴨(かも) 1 羽 1 羽に
通し番号をつけて客に出すことで有名な
フランスはパリの
レストラン「ツール・ダルジャン」に
あの北大路魯山人(きたおおじろさんじん)も行ったそうな。
昭和 29 年(1954 年)のこと。

そのときも
丸ごと半熟にボイルした鴨を見せに来たそうな。

ボーイはその鴨の243,767番の番号札だけ残して
料理するために鴨を持ち去ったのが
この気難しい老人は気に入りません。

これ以上調理したら
鴨の肉はカスになってしまうので
そのまま食うといい出したのです。

老人は粉わさびを取り出し
水で溶き!酢でねっていたら

  ボーイたちが黒山のように並んで
  成り行きいかにと見つめていた。
  (北大路魯山人著/魯山人の料理王国)

老人は嬉々として書き記しています。
得意満面だったことでしょう。

そのわさびと
やはり日本から持参した「播州龍野の薄口醤油」で
舌鼓を打ったとか。

魯山人ははっきり
「播州龍野の薄口醤油」と書いていますね。

しかし!これはレストランにとっては
大迷惑だったのです。

同席していた大岡昇平は

  ルイ王朝以来の何万羽目の鴨は
  「見せ鴨」で
  料理は裏に用意されていた。

と書いています。(大岡昇平著/巴里の酢豆腐)

あの最初に持って来る鴨は
厨房に帰ると
また違う番号札をつけて
次の客席に行かねばならない任務があったのでした。

その鴨を食べちゃったのね。

ちなみに昭和天皇は 2 度まで訪れています。
そのときも「見せ鴨」だったのでしょうか。

もっとも!分かっていても紳士は
広い心でその儀式を容認しますよね。

すでに魯山人のころ
「外国人の方が多い」(前述の料理王国)らしいので
料理の味をどうこういうのではなく
レストランは外国人の観光コースの一部でしょうか。

食べたことも!行ったことも!ないけど。

(敬称略)
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