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チーズスープのはずがレモン炒め [絵に描いたどじょう地獄]

  「ああ!チーズ入りスープのうまそうな香り、、、」

ドーデー(1840~1897)の
「月曜物語(桜田佐訳)」に
「チーズ入りスープ」という
詩のような短編ような、、、そんなものがありました。

その短編に
冒頭の感嘆句が 4 度も出てきます。

雨の夜
6 階の屋根裏部屋で
スープが煮えているというのです。

だれもいません。

  「鍋にとっては夜ふかしが少し長すぎるらしい」

部屋はあたたまっていて
スープの湯気は立ちのぼっているというのに
この家の住人の帰りが遅いという
ただそれだけ。

観賞眼のない阿呆には
それだけしか分らない散文です。

  「ああ!チーズ入りスープのうまそうな香り、、、」

どんなスープなんでしょう。
うまそうな気がしてきました。


深夜のわが家には
ストーブもなく冷え冷えとしていますが
冷蔵庫にピザ用のきざんだチーズがあります。
他にめぼしいものはありませんが
なんとかなりませんか!

とりあえず
しなびたジャガイモとやせたタマネギと
変色しかけたニンジンを切って
しかし!トマトは昨日もいだばかりのものを切って
旨味を出すため高菜漬けも入れて
オリーブ油で炒めてみます。

レモンがあるんです。
レモンはたくさんあるんです。

いつもレモンをくれる大和のお大尽に
当分いりませんといったら
今度は泉州の大金持ちが届けてくれました。

レモンを植えるのが
上流社会ではやっているんでしょうか。

1 個皮ごと全部スライスして混ぜ合わせました。
どうなるんでしょう。

牛乳をドボドボ加えて
チーズを入れたらスープになりませんか。

しかし!牛乳はコップに半分しかありません。
仕方がない!それだけ入れて
チーズと天かす(揚げ玉)を加えます。

冷蔵庫のそうじですね!あは。

青味が欲しいので
ベランダの菜の花の葉をちぎって入れて
塩・胡椒・醤油・昆布茶で調味。
blogレモン炒め.jpg

スープの範ちゅうじゃありませんか。はは。
なんという料理になったのやら。

酸味と苦味が強いのですが
そんな味が好きな私にはおいしい。

ほくそ笑んで
糖分のない自家製の梅酒の湯割りを
少しなめてみる小夜更けです。

(敬称略)
タグ:ドーデー
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