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かば焼きの日です [お命!いただきます]

土用の丑(うし)の日。
鰻(うなぎ)を食べる日(?)!
毎年!鰻の値段が高騰していると騒ぐ日。

別にあわてて鰻を食べなくてもいいものを。
黒かったらなんでもいいのでは。

丑の日だから牛の日。
牛のように猛暑に辛抱強く耐えて
丈夫になりたい!というので
日本の牛は黒いから
黒いものを食べて
酷暑を乗り切ろうという考えなら。

「土用のうし灸」という
回向院の広告がありました。
「脳一切の病」の治療だそうですよ。

効きそうですね。
もっとも!昭和 6 年(1931)の
東京朝日新聞に掲載された広告ですが。

灸(きゅう)の跡が黒いからでしょうか。



丑の日にいつも引き合いに出される
万葉集の大伴家持(おおとものやかもち)の歌。

いはまろに われものまをす 夏やせに
よしといふものぞ むなぎとりめせ

家持はつづけてもう 1 首書いていますけどね。
それはあんまり紹介されませんけど。

やすやすも いけらばあらむを はたやはた
むなぎをとると 河にながるな

なんとか生きているのならいいじゃないか。
鰻を捕りに行って流されて死ぬより。
というような意味でしょうか。

早いはなし!鰻を食べなくてもいいということ?

「むなぎ」が「鰻」なんですなぁ。
万葉仮名では「武奈伎」と表記されていますが。

だから鰻の語源は「棟木(むなぎ)」だ!
棟木も鰻も細くて長いからだ!
という人がいますが
ウソだぁ!
そんな建築用語が一般化するなんて。
にわかに信じられません。



「菱又」という料理旅館が
ノロという名の魚を調理して客に出していました。

そのノロのうまさに感激した武士が大声で
「お内儀(おないぎ)!お内儀!」と
女将を呼んだ声が「ウナギ」と聞こえたから
その魚ノロはウナギになりました。

だから鰻の字は
菱又(ひしまた)から
魚偏に日(ひ)四(し)又(また)なんです。

というのが上方落語の解釈ですが。

その菱又があった長堀川は
埋め立てられてもう鰻はいませんが
現在も鰻谷という地名は残っています。

信じる人だけ信じましょう。
あんまり真面目な人にはいわない方がいいかも。



大分県の三隈川流域には鰻の刺身。
鰻の塩漬けもあるそうな。

琵琶湖の沖島では鰻を開いて干してから
雑炊に炊き込んでいたそうですよ!昔は。

大阪市の大和川下流では
先の大戦前までは小さな鰻はぶつ切りにして
醤油味の炊き込みごはんにしていたようです。

が!
それらはほんの少数派で
ほぼ 100%かば焼き。

どうして?

かば焼きといえば鰻。
鰻といえばかば焼き。
不思議です。

ぶつ切りにして焼いていた形が
「蒲(がま)の穂に似るから」だという
広辞苑の記述をほぼ 100%の人が信じていますが。

初めはそうでしょうけど
開いてたれをつけて焼いたら
照り焼きでいいのでは。

かば焼きではないのにかば焼き。

「蒲(がま)の穂に似るから」ではなく
語源は違うところにあるのでは。

だいたい蒲の穂焼きの時代には
砂糖や醤油で調味していたとは考えられませんが。



頼まれもしないけど
「土用丑の日 うなぎ焼きます」と書いて
ラミネートして
自称・高級割烹の店の内外に 4、5 枚貼ってきました。

ま!心あらば 1 本くらいくれるでしょう。

「ごめんな!仕入れが高い!」

1 尾 2000 円近くなりそうだから
全然あげられない!とのこと。

バカヤロ~!
そんな 300g 近くの大きなものを求めるからだぁ!
それに国産にこだわって!
ヨーロッパやアフリカのものでもいいじゃないの!
アフリカ産があるものかどうか知らんけど。

だいたい 1 尾いくらで売るつもり?
切り売りは嫌いなのに。
お客のツラを見てごらん。
普段 1000 円札で
お釣りをもらって帰る連中ばかりじゃないの!

なんて胸の内で叫んだものの
「半助(頭)でいいから残しておいてね」という
心やさしい私。



さんまのかば焼きの缶詰なら
税込み 100 円でお釣りがありますぞ。

国産!
ニッスイだぁ!

かば焼き丼です。
blog1.jpg

さんまに
蒲(がま)の穂焼きがあったわけじゃないでしょう。

鰻のかば焼きに似させているから。

やっぱり!
かば焼きイコール鰻なんです。

開いた魚の照り焼きは
なにがなんでも「(鰻の)かば焼き」なんですねぇ。



ソフィア・ローレン出演の
「河の女」というイタリア映画があるとか。

ぶつ切りの鰻の串焼きが出てくるそうな。

まさにかば焼きじゃないですか。

浅学にして観たことがありません。

近々鑑賞します!と
昨年の今ごろにもいっていたような。

それも果たせず再びの夏。
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