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粕取り(3) カストリじゃない! [食い意地]

私が「粕取り焼酎」といえば
ご老体は侮蔑(ぶべつ)か
憐憫(れんびん)の笑みを唇の端にあらわし
若い知識人たちは好奇な目をします。

「飲んだらあかん!目が見えなくなるよ!」
大阪にきてから 40 年を越えたという
おばさんが忠告してくれます。

みなさん!
「カストリ焼酎」と間違えていますね。

「粕取り焼酎」と
「カストリ焼酎」と同じにしないでください。

先の大戦の直後
先のといっても!
もう!半世紀をゆうに越えていますが
闇市で大変粗悪な密造の焼酎が売られたそうです。

それが「カストリ焼酎」?!
単に「カストリ」とも呼ばれたらしい。

闇市でも公設市場でも
牛肉なら「松坂牛」
外米でも「コシヒカリ」
マーガリンを「バター」と叫んで売っても
まったくとがめられなかった時代。

粗悪な材料で造った焼酎も「粕取り焼酎」!
略して「カストリ」ですか。

ひどいものは
メチルアルコールを薄めたものもあったそうですから
失明した人もいたのでしょう。

哀れ!
由緒ある「粕取り焼酎」は
愚連隊「カストリ」の陰で泣いていますね。
愚連隊ということばも死語かも知れませんが。



「カストリ」といえば
「カストリ雑誌」を思い出す下戸の老人たち。

戦後の粗悪な出版物をそう呼ぶとか。

印刷用紙も悪ければ!内容も悪い?!

ま!悪いというより
書いては叱られるようなエロ・グロばかり。

叱られるような記事を読みたい人は
いつの時代にも多いようですけど。

「粕取り」は大変な迷惑ですね。
「カストリ」に名を奪われ
さらに粗悪!エロ・グロの代名詞にまでなって、、、。

誤解の解ける日はくるのでしょうか。
きっとくるでしょう。
闇市の記憶のある老人がみんな死んだら。



灘五郷は
日本の日本酒の1/4強を生産しているそうですので
酒粕も多いはず。

当然!
粕取り焼酎の生産高もすごい量と踏んだのですが。

西郷(にしごう)の沢の鶴の資料館で聞けば
「粕取り焼酎は生産していません」

ネットのカタログにはある白鶴の
御影郷の資料館のおね~さんは
「見たことがありません」

魚崎郷の浜福鶴の吟醸工房でも
「生産していません」

なかなか!出会いませんね。

御影郷の菊正宗にすがれば。
blog51.jpg

記念館にありました!
blog52.jpg

1,324 円(税込)。
原材料は清酒粕・清酒とありますが。

この風味が昔ながらの
粕取り焼酎かどうか分かりませんが
飛び切りおいしくはありません。
私の舌には平凡ですが。

もっとも!評論ができるほど
数多くの焼酎を飲んでもなく
鋭敏な味覚があるはずもなく
生意気いってすみません。
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