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あんけらそ!青菜のおひたし [郷に入ればガタロー]

「鞍馬から 牛若丸が 出でまして」
「名も九郎 判官 義経」の歌(?)は
だれの作かと
最近なぜか落語に興味を持っている
刀自(とじ)がはなしかけてきましたが。

「青菜」ですね。

隠居が「青菜を出しなさい」といえば
奥方が
「なもくろうほうがん(菜は食らってありません)」と
隠語で答えるのですね。

すると隠居が
「よしつね(よしましょう)」と
これまた隠語でつぶやいたという噺(はなし)。

こんな歌!歌人はだれも作りませんよ。
落語のために
落語を作った人が創作したのでは。

さて!だれが作ったのやら。
落語にあまり興味のない人にも覚えやすく
噺(はなし)の中で変に座りがいいですね。

「圓朝でしょうか」

大圓朝(初代三遊亭圓朝)ですか。
それはないでしょう。

噺の内容が上方っぽい。
「鞍馬」なんか近隣ですし。



宇井無愁著/落語の原話/によると
「青菜」の類話に
「元禄四年京都板 軽口露がはなし」の
「塩打豆(しおうちまめ)」があるとか。

塩打豆とは煎った大豆(えんどう豆かも)の加工品?!

ま!それはともかく
儒者が塩打豆をもう少し持ってくるようにいって
使用人がもうありませんと答えると
「ふぎふりき(不及力)なり」とつぶやいたそうな。

それを聞いていた町人が家で
女房に塩打豆をもう少し出せといい
女房がもうないと答えると
「不及力」をしっかり覚えておらず
「ふぐりなし」と叱りました。

女房が
「女になんのふぐり(陰嚢)があろう」
といいました。

面白いじゃないですか。

「不及力(ふぎゅうりき)」は
「ちからおよばず」ですか。
「仕方がないな」くらいな訳でいいのでしょう。



しかし「塩打豆」「不及力」のなはしは
元禄より前
安楽庵策伝(1554 ~ 1642)著/
醒睡笑/にありますがね。

ある家の亭主が
「えんだだいず(塩打大豆)」といえば
塩打豆(しおうちまめ)が出ました。
もう少し持ってこいといえば「なし」とのこと。
亭主「ふぎふりき(不及力)」とうなづいたそうな。

見ていた少し足りない人
家に帰って
「不及力を出せ」といい
もうないといわれて
「えんだだいず」と
前後の順序を間違えていいましたとさ。

「女にふぐり」の方が面白い!?



そんないいかげんな考察ですが
「青菜」はやっぱり上方で作られたような。

柳家小三治の「青菜」を聞いたのですか。
ああ!それは上品でゲスね。
上方落語をお聞きなさい!くすぐりが多く
笑えますよ。

え?!
桂枝雀の「青菜」も聞いたのですか。
やたら笑わそうとしたでしょう。

「下品だね」
あ!いや!私のつぶやきではありません。
爆笑を誘うとか
がちゃがちゃ演じる高座は
「下品だね」と
江戸の寄席では切り捨てられるようです。



「それで質問です」
「あんけらそ!とはなんですか」

「あんけらそ」ですか。
大阪に生まれたあなたの方がくわしいのでは。
私は流れもの!
大阪弁は母国語ではありませんが。

私は全盛期の笑福亭仁鶴の
「青菜」を聞いたことがありますが
植木屋の女房が
「どこをのたつきまわってんねん」
「このアンケラソ!」といいますね。

噺をそうとう崩している枝雀も
ここは同じように
「あんけらそ!」といいますね。

ちなみに江戸の「青菜」では
「あんけらそ」のところは
「いわしが冷めちゃうよぉ」です。
上品(?)です。

たしかに普段使わない単語ですね。
落語でもあんまり聞かないような。
「青菜」以外に出てきますかねぇ。



あ!?思い出しました!
わが家に
桂文枝著/あんけら荘夜話/がありますよ。

文枝は先代!
今の文枝(三枝)の師匠の文枝が
芸能生活 50 年の秘話をしゃべった本ですが。

その扉に
「アンケラソはアホとかボケという意味の悪口」
「ことばの響きがなんだか好き」とあります。

「あんけら荘は私の心の中にある別荘」だそうな。

読んでみてください。
上方落語の歴史が垣間見えますよ。



結局!分かったような!分からんような。
青菜でも食べますか。

青菜が高い!

うちのカワニナはキャベツが好物なのに
キャベツの形のいい大玉は安売りスーパーで
350 円税抜き!ひぇ~っ!

セロリの葉も捨てずにおひたしにして食べます。

ま!野菜が安価なときにも
セロリの葉を食べていますけどね。

さっとゆがいても少し硬いかな。
きざんで!ひねり胡麻でも振りかけますか。

「青菜」では
上方落語は「胡麻」をかけてといいますが
江戸落語は「かつおぶし」ですね。

ちなみに「コイ(鯉)のあらい」の代わりに
上方落語は「おから」
江戸落語は「いわし」ですか。

セロリの葉に
胡麻とかつおぶし(だし用の雑節混合ですが)と
わが家は大金持ち(!)ですので
マヨネーズも混ぜて!醤油を振って。
blogセロリおひたし.jpg

「青菜」には「柳影」という酒が出てきますが
拙ブログ 2006/09/12
私はアベリア花酵母で醸造された
香りのいい焼酎
「吟の薫(長龍酒造)」をいただきます。



(敬称略)
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