SSブログ

食道楽の赤茄子飯 [七面鳥六目半ごはん]

ホールトマトの缶詰が出てきました。
イタリア製。
賞味期限がぎりぎりセーフ。
過ぎても食べられない訳じゃないでしょうけど。

酸味があります。
私向きかも。

といっても
梅雨空の下で
灰色の脳にカビが生えてしまっていて
メニューが思いつきません。

つけ焼き刃的に手近な本をぱらぱら。



「食道楽」がありました。

村井弦斎(1863 ~ 1927)が書いた
明治 36 年(1903)の新聞連載小説。

これが料理書といえるかどうか分かりませんが。

ところどころに
レシピらしい記述はありますが
ま!いたるところに
衣食足りないもの(私ですが)には耳の痛い
「教訓」をたれまくった小説ですね!
荒っぽくいえば。

今!気づきました。

「食道楽」は大変長い小説です。
それで今まで横着ものの私は
原本に忠実な本を持っていながら
簡便に現代語訳(?)の
村井米子編訳/ばかりを見ていたのですが
これが大きな間違いでした。

比べてみると
「編訳」は勝手にはしょりにはしょって
原作が独善的な訓戒だらけなのに
さらに訳者(?)が
自分の道徳観まで重ねていました。

この編訳者は弦斎のこどもらしく
幼児期からのしあわせな生活を
自慢たらしく書き添えもしています。

「食道楽」の単行本は売れに売れたそうな。
この時代を代表する著名な
尾崎紅葉!幸田露伴!坪内逍遥!森鴎外の
4 人合わせた本の数倍売れたそうな。

結果 16,400 坪の敷地に住んで
ユートピアのような生活ができたそうな。

そりゃ!娘もシモジモのもの(私ですが)には
大きな顔ができますわな。

ちなみに
「食道楽」に
「しょくどうらく」とルビがありますが
私は「くいどうらく」の方がいいような。
新聞連載時も
初期には「くいどうらく」だったとか。

「くう」はお下品!
「たべる」といいなさいといわれもしますが
そうでしょうかねぇ。



トマトは「食道楽」時代には
「赤茄子(あかなす)」ですか。

赤茄子の単語はたくさん出てきます。

その中のひとつ
「赤茄子飯(あかなすめし)」は
洗い米 2 合を
バター大さじ 1 でキツネ色に炒め
赤茄子 2 斤を湯むきしてきざみ
米と合わせ炊飯するというもの。
塩・胡椒とスープ 3 合を加えます。

それで理解は可能なのですが
村井米子は
米 2 合は 1 カップ
スープ 3 合は 1.5 カップと訳しています。
訳してもらわない方がいいのですが。
1 カップは 200cc くらいじゃないでしょうか。

別のレシピの
牛乳 1 合は 180cc と訳(?)しています。
前記の「合」と整合性があるのでしょうか。
気にしない方がいいですかね。



洗い米をたっぷりのマーガリンで炒めます。
あ!
本文にタマネギも使うとありますね。
炒め合わせる!?
それとも炒めないのかも!読み取り不能。
とにかくあわてて切り
私は炒め合わせましたが。

塩・胡椒をしてホールトマトを加え
あ!
スープがありません。
スープの素もありません。

水を加えて
昆布の切れ端を放り込みました。
ないものはなくてすませるに限る!なんて
檀(一雄)流クッキングになってきました!はは。

トマト缶といっしょに
トウモロコシの缶詰も出てきましたので
加えてみたらどうでしょう。



おいしいです。
blog赤茄子飯.jpg

食道楽の赤茄子飯の範ちゅうに
入るかどうか分かりませんが
胡椒が味のアクセントになっています。



(敬称略)
コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。