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ヌエ!鵺の正体を見た!? [猫も歩けば棒立ち]

先日(拙ブログ 2016/08/05
夜中にヌエ(鵺)の声に震えました。

よく考えたら!
震えたのはおしっこに行けなくて
体が自然に震えていただけかも。

「ひ~!ひ~!」か
「ぴ~!ぴ~!」とかの可愛い声だったですね。

ヌエの声がトラツグミだと判明したのは
いつの時代だか知りませんが
日本野鳥の会発行の
「フィールドガイド 日本の野鳥」で見ると
「夜に口笛のような声でさえずり」
「茂った林にすんでミミズをとっている」
すごく平和な鳥ですが。

羽の色がトラ(虎)模様に見えるから
トラツグミなんて強い名前をつけられています。



ひさかたの 天の川原に ぬえ鳥の
うら嘆(な)けましつ ともしきまでに (1997)

よしゑやし ただならずとも ぬえ鳥の
うらなけをりと 告げむ子もがも    (2031)

万葉集にあった柿本人麻呂の七夕の歌。

とても恐ろしいとか
たたられるとかの声じゃなく
ままならぬ恋に響く寂しい趣だけ?!



ふと深夜眠られないまま開いた
式亭三馬(1776 ~ 1822)の「浮世床」にも
ヌエが出てきましたけどね。

古谷三敏著/浮世床/で現代語訳を見ると

鼻は低いし
目は引っ込んでいるし
髪結いがうまいが裾にしまりがねぇ
面と胴は別々で
啼(な)く声はヌエに似たりけり

と暇な男たちが若い女性をけなしているのですが
古谷は
渡辺直美の眼を小さくしたような顔の
ぽっちゃり娘を描いています。

美人じゃないけど愛嬌があるじゃないですか。



浅知恵をめぐらせば
どんどん怖さがなくなるヌエです。
裏悲しくはなりますが、、、ね。



大阪大学総合学術博物館で
「科學で樂しむ怪異考 妖怪古生物展」がありました。
なんだかおどろ!おどろ!旧漢字表記です。

古くから伝承の妖怪がずらりと展示してありました。
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鬼だったり邪だったり。
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ひとつ目!?怖いです!
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ほとんどなにかの骨か!骨の一部か
化石ですけどね。

ヌエ(鵺)の骨格の展示がありました!?
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頭がサル(日本猿)!背骨がタヌキ(狸)!
手足がネコ(猫)!尾がヘビ(蛇)!

ははは!

それぞれの骨だけを並べているのですけどね。
こんな生きたもの!いる訳ないですか。

いたとしても
そんなに怖いことはないような。

鳴き声は「ぴ~!ぴ~!」ですしね。



二条天皇(1143 ~ 1165)に憑(と)りついたので
源頼政が射殺し
鴨川だったかどこかに流した伝説は
なんだったのでしょう。

そのヌエはあちこちに流れ着いています。
私の知っているところだけでも
3 か所ばかりありますが。
1 匹殺したのに遺骸はいくつも流れ着いています。

考えを少し変えれば
二条天皇に憑りついただけで
かみついたり!あばれたり!毒液を吐いたり!
愛妾をさらったりした訳でもないような。

見かけは化けものというより可愛い動物なのかな。



「鵺の正体はレッサーパンダ」だという
荻野慎諧氏の大胆な仮説が掲示してありました。

なるほど。

現存のレッサーパンダの倍ほどの
今は絶滅したと思われる大形のレッサーパンダが
12 世紀の日本にいたのかも。



ところで
この大阪大学総合学術博物館のある待兼山修学館は
古い建てものですね。
1931 年竣工だとか。
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階段のステンドグラスの意匠の面白さ。
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1 階にマンモス大学キャンパスとは思われない
静かなカフェがあります。

小さなブースが空いていたのでひとりじめして
沈思黙考。
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ま!へたな考え休むに似たり。
考えるふりをしているだけですが。

ランチどきを過ぎていたので
「今日のパスタ」という
「冷製・きのこと唐辛子のガーリックソース」
480 円をいただきます。
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税抜きです。
近ごろのキャンパス内の食べものは
そんなに安くないのですね。

なんて「ヌエの考察」から
かけ離れた俗っぽい世界に迷い込んでいます。



(上記図書の他)
(佐佐木信綱編/新訓 万葉集/参照)
(敬称略)

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