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後藤 けつ ねぶれ [郷に入ればガタロー]

遠くに行くと
ことばが分からないことがあります。

食べものでいえば
「ぜんざい」とか「糸こんにゃく」とか
「きつねうどん」とか「てんぷら」とか
似ているようでも
思ったものではなかったり。

たいてい!地元の人が
標準語に訳したり
いい換えたりしてくれますが。

私も「厚揚げ」と「生揚げ」
「てんかす」と「揚げ玉」なんか
使い分けていたのですが
あんまり気にしなくても
通じるような時代にもなりましたが
それでもまだまだたくさん
個人には不可思議なことばがあります。



大阪の人の多くは
いい換えを拒みますねぇ。

土着の人の中には
自分たちのことばが
地球の中心にあると思っていたり。

前にも書きましたが
ごぼう(牛蒡)を伝えるのに
大阪弁(?)で
「ごんぼ」といっていましたね。
高校の教壇にも立ったことのある人が。

かの女が分からないといえば
「ごんぼ!」「ごんぼ!」と叫んでいました。
相手が外国の人だったので
「ごんぼ」と
翻訳機に打てといっていましたが。

義務教育の教科書に
「ごんぼ」とのっていましたか!?

「いらう」が分からないという人に
「いらう」は「いらう」だとだけいう
不親切な人も。

「いらう」は「触る」と書くようですが。
たぶん!古語。
昔の中心は京都などの関西ですから
昔の標準語かも知れません。

「ねぶる」も分かりますか。

「舐る」との漢字をあてますが
これも古語なんでしょうね。

ぐっちょりと粘りがある「なめる」を
「ねぶる」というような気がしますが
私の感覚だけかも知れません。



「後藤 尻 舐れ」
「ごとう けつ ねぶれ」と
満座の席でいったらしい。

明治時代のフランスのリオンの
いかがわしい(?)女性が。

後藤とは伯爵・後藤象二郎。
大変好きもので
もっとも明治の元勲は!
いや!いつの時代でも
権力者に嫌いなものはいませんが!
どこに行っても
性欲がみなぎっていたらしい。

ところが
後藤が旅の徒然に愛した女性は
すでに侯爵・西園寺公望の
心身をとろけさせた女性だったそうな。

なかなか
手練(だ)れなプロだったのですね。

ま!しかし!
先になじみ(!)の西園寺は面白くない!
そこで
かの女に知恵(?)をつけたのです。

あの日本の大臣(後藤のこと)の
夫人になりたくはないか!?
いい暮らしができそう。

なりたかったら
日本の要人のそろった席で
日本語で
ただ「ごとう けつ ねぶれ」と
声高にいえばよろしい!と。

もちろん!かの女はそれが
どういう意味か知る由もありません。

ここに「舐(ねぶ)る」がありました。
あながち
関西の方言という訳でもないような。



「ねぶる」といえば

「湯どころに 二夜ねぶりて
「蓴菜(じゅんさい)を
「食へばさらさらに 悲しみにけり

斎藤茂吉の歌。

ジュンサイを 2 夜もしゃぶっていた!?
そんな記憶があったのですが
よくよく見れば
「ねぶりて」は「ねむりて」ですね。

標準語か古語か知りませんが
「ねぶる」は山形県ではフツーに
使われていることばなんでしょうか。



(はる雄編/洋行奇談 赤毛布/)参照
(敬称略)

(蛇足ながら追記)

今!西沢爽の力作「雑学艶学」を開いたら
「明治 33 年の
「洋行奇談 赤毛布(あかけっと)に
「おゝゴトウ ケツナメロ ケツナメロ
とあるとありますが。

私の手元の原本の「赤毛布」では
間違いなく「舐(ねぶ)れ」です。
「なめろ」じゃありません。

やっぱり「ねぶる」は古語!?
それとも今は方言?!
西沢は
現代の標準語(!)に訳したのでしょうか。
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