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蛍袋の咲く恵心院 [解語の枯れ尾花]

源氏物語の
宇治十帖に登場する浮舟(うきふね)は
日本で 1、2 位を争ういい男ふたりと
え~と!あの!早いはなし!
寝ちゃったのよね!どちらとも。

がははは。よかった!よかったね。

それでそのあたりの心境は
モテないものにはよく分からんけど
宇治橋から身を投げたのです。

ま!幸せものはお好きにどうぞ。
ですが!
紫式部はただの好きものじゃない!
「横川(よかわ)の僧都」が救うように
ストーリィをふくらませています。

その僧都のモデルというのが
恵心僧都(源信)だといいます。

紫式部と恵心僧都はおなじ時代!
藤原道長を中心に
はなやかに
輝いて生きていたのでしょうか。

ちなみにやはりおなじ時代の
わが姉(?)なごんちゃん(清少納言)と
中宮・定子たちは蚊帳(かや)の外。
笑う人がいるのは泣く人がいるから!
というのはこの世のさだめ。

笑う人は
泣く人のことを歯牙にもかけません。
まったく理解しようともしません。
たとえ傲慢(ごうまん)な気はなくても
それが傲慢に見えます。

だからテロが後を絶たないのかも。
幸せな人にダイナマイトを投げつける!
そんな気になるのは必定!?
投げたくなりませんか?!



閑話休題。

その恵心僧都が再興したという恵心院。
blog01恵心院.jpg

山門につづく参道に
ホタルブクロ(蛍袋)が
列をなして迎えてくれる季節。

本堂の前にも。
blog02恵心院.jpg

水子地蔵の後ろにも。
blog03恵心院.jpg

いつもあるカラカラカラの
せつない「かざぐるま」の音が
今日はありません。



ホタル(蛍)を入れる袋にするから
ホタルブクロ(蛍袋)!
たいていの解説はそうなっています。

ずっと腑に落ちないでいますが。

泥鰌地獄(どじょうじごく)を
連想したりします。

水と豆腐を加熱すれば
ドジョウは熱くてたまらず豆腐にもぐり
そのまま煮えて
ドジョウ入り湯豆腐ができるというもの。

机上で考えた料理ですね。

ご丁寧に
ゼリーか煮こごり状の
イラストを描いた本もありましたが。

ドジョウはただ暴れて
豆腐を砕いて昇天してしまいますがね。

それとおなじ!ホタルブクロ。

こどもが蛍を入れて歩いたら可愛いな!
くらいの想像力のたまものでしょう。
それを考えることなく踏襲する
自称!他称の有識者たちに幸いあれ。



「ひるまの母は雲より遠し提灯花

手元の俳句歳時記を見たら
磯貝碧蹄館という人の句がありましたが。

ホタルブクロというより
提灯花(ちょうちんばな)のほうが
納得がいきますね。

母の乳房(アッパノツツ)(青森)
雨降り花(青森・長野)
烏(カラス)の提灯(愛媛)
狐(キツネ)の小便担桶(タゴ)(山口)
狐の提灯(青森・静岡・新潟・岡山)
狐の灯籠(富山)
熊草(クマクサ)・熊草花(福島)
死人花(シブトバナ)(長野)
葬式花(富山)
葬礼花(ソウレンバナ)(長野)
提灯草(山口・宮崎・鹿児島)
提灯花(全国)
提灯袋(新潟)
提灯ボラボラ(富山)
釣鐘草(静岡・新潟・愛媛・熊本)
トッカン花(群馬)
雷花(ドンドロケバナ)(鳥取)
風船花(全国)

方言をみても
「ホタルブクロ」はないのですが。

昔の仙台あたりでは
提灯のことを「ほたるぶくろ」
あるいは「ひぶくろ」と呼ぶそうな。

漢字で書けば
「火垂る袋」らしい。
「蛍」じゃないんですね。



恵心院は「花の寺」
年中!花があるような。

境内を勝手に駐車場にしたり
集合住宅を建てたりする寺院が多い昨今!
頭が下がります。

紫陽花(アジサイ)や
柘榴(ザクロ)が咲き初(そ)めています。
blog04恵心院.jpg



(中田幸平著/野の民俗/)
(中村浩著/植物名の由来/)参照
(敬称略)
タグ:源氏物語
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