SSブログ

金精大明神 [はなしのはなし 食えぬ梨]

遠い昔の噺(はなし)でございます。



1 万石とはいえ大名ですからお殿さまには
朝から仕事やしきたりが詰まっております。

先々代から質実剛健のかけ声の元
決められた朝食を摂ります。

年中!ぬるいみそ汁!めざし小 1 尾!
生姜の漬けたもの 1 切れで
冷えかけたごはんを少々!まずそうに食べます。

食事中に結髪(けっぱつ)係が
月代(さかやき)を剃ったりするので
わずらわしいこと。

そこへ秘書兼雑務係の吉之助が
さいころをうやうやしく
三方(さんぼう)にのせてきました。

金精(こんせい)大明神さまから」
いただいてまいりました」

「なんのためじゃ。

未だ!お世継ぎに恵まれませぬ」
そこで大明神さまのお力を借りることに」
昨日!ご重役さまご一同で合議されました」

このさいころの出た目で」
今夜のお夜伽(よとぎ)のお部屋さまを」
決めていただくことになりました」

「よけいなことをしおって。
「だいたいな!あの 5 人の女!
「だれが決めたのじゃ!
「だれが抱いてみたいのじゃ。
「人三化七(にんさんばけしち)!
「化けもののほうが勝っているではないか。

そんなご発言は困ります」
ご重役ご一同が検討に検討を重ねて」
多産系の女性を選んだ」
ありがたい結果でございます」

「なにがありがたいものか。
「余は広瀬すずや
「橋本環奈のようなタイプが好きなんじゃ。
「年増ならまさみもいいぞ。

久本雅美でございますか」

「長澤まさみじゃ!



私どもなら「するな!」といわれれば
よけいにしたくなります。
いわれなくてもしたい毎日です。

ところが「どんどんしなさい!」
「寝る間も惜しんでしなさい!」といわれれば
いわれるほどしたくはないものらしい。
ま!そういう経験は一生ありませんけどね。

大きなお屋敷や由緒ある家では
こどもをたくさんこしらえることが
義務であり仕事でもあります。
義務や仕事はだいたいがしたくないものと
相場が決まっております。

「お!さいの目は 6 だ!
「6 人目はいないから!今日は休むぞ。

6 が出たときには再度振っていただき」
そのお方と 2 回戦していただきます」

「またまたそういうことを!
「余を抜きで決めるでない!

神さまのご託宣にございます」
もう 1 度 6 でしたら!さらに 2 回戦」
つごう 4 回戦していただきます」

「そちはそういうことを
「よくもイケしゃあしゃあいえるのぉ!?

私ではございません!ご神託にございます」

3 でございますね」
おめでとうございます」
おつゆのお方さまでございます」
さっそく奥にお支度おこたりないように」
いいつけてまいります」

「よりによって!おつゆか!
「後ろから見たら取的(とりてき)に勝る偉丈夫じゃ!
「相撲をとったら東の大関間違いなし!
「前から見たらくしゃみした狆(ちん)が
「ひきつけを起こす顔じゃないか!

「吉之助!そちにひと夜
「貸与するから試しに抱いてみよ。
「寝返りをうっても!乳房は残るぞ!
「ホルスタインも真っ青になる乳じゃ!
「その裸を見たら!震えが止まらなくなろうぞ!

「ずっと貸し与えておいてもいいぞ。

殿!おつゆのお方さまほど」
すばらしい家系はございませぬ」

ご母堂さまも伯母上さまも」
13 人ご出産されております」
ご家老さまのご子息に嫁がれた」
おつゆの方と瓜ふたつの」
妹君さまは 19 歳ですでに」
4 人目をみごもっていらっしゃいます」

「家老の子といえば佐内のことか。

御意」

「あいつはやさ男のクセに勇敢じゃのぉ。
「蛮勇があるもんじゃ!
「いくさのときには一番槍にしようぞ。



殿!残念ながら」
今日は夜伽には行ってはなりませぬ」

「いつも行きたいことはないのじゃ!

先々々代さまのご命日」
精進日でございます」

「お!それはめでたい。

ご発言はお慎みねがいます」

「今日は天気もいいので
「狩りにでも行くか。

精進日でございます」

「遠出の散策ぐらいいいではないか。

なんてのん気に馬で丘を走ります。

「吉之助!みなはどうした?

馬は殿と私だけでございます」
徒歩(かち)のものは遅れます」

「お!麦畑でなにをしておる?!

村の若い男女がまぐわっております」

「なに!しもじものものも!するのか!

御意にございます」

「けしからん!

フツーでございます」

「行く~!行く!といっているではないか!
「どこに行くのじゃ?!

おなごはそういうものにございます」

「人殺しじゃ!吉之助!早く助けに行け!
「死ぬ~死ぬ!といっているではないか!

おなごはいつも!そういうものにございます」

「な!なんじゃ!あの男の股間のものは!?
「異常に大きいではないか!
「尋ねてみようぞ。

「あ~!これ!

あ!これはお殿さま!ご無礼を」

「あ!しまうではない!よく見せよ。
「そちのイチモツは大きいのぉ!

この村では一番小さくて」
いつもからかわれておりやす」

「なんと!これで!小さいとな?!

みな!オラより大きゅ~ごぜ~ます」
下の水車小屋のごんぞうなんか」
オラの倍はごぜ~ます」



その日からお殿さまは眠れません。

「あの男のイチモツが小さい!?
「ゆうに余の 3 倍はあるというのに。
「一体全体!どうなっているのじゃ。

「あ~!医者の元庵を呼べ!

殿!どうなされました」
どこかお具合が、、、?」

「あ!人払いじゃ!
「元庵とふたりきりにせい!

「あ!これは向学の志で尋ねるがの。
「特定の人のことではないぞ。

承知つかまつりました」

「その~!イチモツじゃ。

は?」

「人並みの大きさはどのくらいじゃ?

そうでございますね」
人差し指と中指と薬指を重ねて」
第一関節を握ったほどの太さはよく見かけます」

「ほう!かなりじゃな。

こちらの武芸に励んでいるご家来衆なら」
さらに親指を合わせたくらいが」
フツーにございます」

門番の吉三は」
5 本の指!全部合わせて」
さらに第二関節を握ったくらいございます」

「あ~!特に聞きたい訳ではないがの!
「小指 1 本くらいなイチモツを
「見たことがあるか?

はい!私の孫はそうでございます」
今年 9 歳になります」



「お里は元気かな!会いたいぞ。

乳母のお里がやってまいります。

これはこれは若さま」
お久しゅう存じます」

若さまが数えで 7 歳まで」
私の乳房を持たねば」
おねむになられなかったのが」
昨日のようでございます」

「あ~もうよい!そのはなしは!

今!ちらりと拝見しましたら」
お部屋さまはみんな」
りっぱなお乳をお持ちの方ばかり」
若さまは今も」
大きなおっぱいがお好きなようで」

「あ!お里とふたりきりにせよ。

今!私の乳房をお求めになられますか」
まぁ!うれしゅうございます」

「いらぬ!いらん!
「大きな乳房も大きな尻もきらいじゃ!
「ついでにいえば!狆(ちん)顔も!
「フレンチブルドッグ顔もきらいじゃ!

「実はお里だけにしか
「聞けないことがあるのじゃが。

お里だけしか知らない幼少の若さまの」
恥ずかしいこと知っている身です」
なんなりとお尋ねあれ」

「その若さまはやめよ。
「余はもう 29 歳じゃ!数えで。
「その~!男女のまぐわいのことじゃ。

お許しくださいませ!お里にその任は」
でも!たってのご希望なら、、、」

「すぐ脱ごうとするんじゃない!
「だれがそちとするもんか。
「お里じゃなく!さとみなら燃えるがの。

里見まさとでございますか」

「そりゃ!男の漫才師じゃろう。

里見浩太朗で」

「どうしてそう!じいさんばかりいうのじゃ!
「石原さとみじゃ!本名はお国じゃ。



「つまりじゃな。
「あのとき!おなごは行く!行く!というのか?

それはもう!」
魂が飛んで行くような心地にございます」
自然に!覚えず!行く!といってしまいます」
私が 16 のとき陣内に嫁ぎましたころ」
まだ 21 だった陣内は血気盛ん!」
朝晩!魂を飛ばせてくれました」

「死ぬ!死ぬ!はどうじゃ?!

魂が天上か奈落か!どこかへ行ってしまい」
一瞬!気を失ったりします」
私が陣内に、、、」

「お里の思い出はまた聞くとして
「それはどのおなごもそうかえ?

おなごと生まれたらさように存じます」

「そのぉ!男の持ちものによらぬかえ?

大小は関係ございません」
あそこから赤子を産むのでございます」
伸縮自在でございます」
おなごは器用です!行こうと思えば行けます」

「たとえばじゃ!仮のはなしじゃが
「別に聞きたくもないのじゃが
「小指のようなイチモツでもいいのかえ?

ほほほほ!それはちょっとぉ」
いくら伸縮自在とはいえ」
それには対応できないような気がいたします」
いくら行こうと思っても笑ってしまい!ほほほ」
たぶん!痛痒もないような」

なにかお心あたりの殿方がございますか」
お里が調べてまいりますが」

「あ!いや!思いついた仮のはなしじゃ。



お殿さま!それからというものは
なにをしてもうわの空。
あれほど好きだった乗馬の遠出も
2 度 3 度馬から落ちそうになります。

「行く!行く!も
「死ぬ!死ぬ!も聞いたことがないぞ。
「そういえば
「おつゆなんか!まだ攻撃の最中に
「もう抜いてしまっていると
「勘違いしたこともあったわい。

殿!ここがさいころを授かった」
金精大明神にございます」

「な!なんじゃ!?

陰陽石!石のイチモツにございます」
領内のイチモツを集めております」
形よき岩や石が見つかったら」
めでたく!みな!ここで祀(まつ)ります」

5 尺以上のものが 48 本!」
3 尺以上を数えれば 129 本ございます」
1 尺以上なら、、、」

「もうよい!

「けしからん!こんな松茸石!
「大き過ぎて!けしからん!
「ふしだらである!
「すぐ!処分してしまえ!

境内に穴を掘り
石のイチモツを全部埋めさせてしまいました。
それだけでは興奮が収まらず
金精大明神の社(やしろ)をたたき壊し
埋めた石の上で燃やしてしまいました。

怒ったのは!金精大明神!

「見るもの見せてくれようぞ!

星空がきれいな晴天が
にわかにかきくもり
お殿さまの寝室にだけ雷光がとどろき
豪雨がたたきつけました。

「昨夜はひどい雨だったのぉ。

「ややや!余のイチモツがない!

お殿さまの股間が毛玉だけ。
おしっこ用に
麦わらが 1 本差し込んであります。

お殿さまは一瞬!気が遠くなりました。

「あ~!これが
「行く!行く!死ぬ!死ぬ!かぁ、、、。



これはなにかのたたりにございます」

領内の僧侶を全員集めて読経。
近隣からも祈祷師を大挙呼び寄せて
天を焦がすような護摩焚き。
まったく効き目がありません。

殿!これは金精大明神の」
お怒りではないでしょうか」

「すぐ!石の松茸を掘り出して洗い清めろ!

するとどうでしょう。
お殿さまの股間に
5 分(1.5cm)ほどの盛りあがりができました。

「つぎはお堂じゃ!
「以前の 5 倍ほどのものを建立せよ。

社殿ができあがると
お殿さまの股間が 1 寸ばかりになり
もう!麦わらは不要になりました。

「石のイチモツさまに
「1 体ずつ見合う社を造りお納めしろ!

大小の社があふれて
境内を拡張しなければならなくなりました。

すると!なんと
お殿さまのイチモツが昔の 2 寸くらいに!?
もとの近くにもどったようです。

殿!月に 1 度は領民みな仕事を休み」
金精さまに参詣し」
まぐわいに専念させたらいかがかと」

「よき考えじゃ!
「その日は全領民に
「精のつく食べものを配給せよ。

まことにすばらしい考えであらせられます」

すると!
お殿さまの持ちもの!
以前より 5 分くらい長くなり
太さも確実に増しました。



「そうか!この調子で大明神を喜ばせたら
「どんどんナニが大きくなるに違いない。
「やがてこの国一番になるじゃろうて!ふふふ。

「しかし!つぎにすることが思いつかぬ。
「なにかないものかのぉ。

殿!石の女性器も祀ったらいかがでしょう」

「お~!グッドアイデアじゃ!

さっそく「褒美をとらす」といえば
領内から石のそれが大小 100 以上集まり
りっぱな女神さまの社殿もできました。

「あ~!城内のおなごしたち
「上のもの下のもの!みな
「物見遊山を兼ねて参詣に行くように。
「10 日に 1 度はゆっくりしてまいれ。

殿のこと!みな名君と呼んでおります」

「よいよい!呼ばなくても。
「余のあれが大きくなればいいだけじゃ!
「楽しみじゃ!わははは。

しかし!お殿さまの持ちもの!
一向にあれ以上の成長がありません。

「どうしたのかのぉ!面白くないのぉ。

お殿さま!大変でございます!」

「なんじゃ!おつゆ!

私のあそこが急に大洞窟に!」
2 倍!いや 3 倍になってしまいました」

城内の女性がみんな股間に手を置いて
大騒ぎしております。



(敬称略)
コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。