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真説・京の五条の橋の上 [はなしのはなし 食えぬ梨]

鬼若には分かりません。
木切れの線彫りを拝んだり
石ころをご神体とあがめたりするのが。

それに日ごろ欲望のかたまりの
僧侶や神官がムニャムニャ唱えたら
仏や神の魂が抜けたり!
簡単に入ったりするのが!
うさん臭くてたまりません。

比叡山に教えを乞いに行けば
僧侶の世界は武士以上の階級社会で
生死をかけて修行するものより
衆道(しゅどう)ばかりしていて
世渡り上手なものが上に行っています。

修業よりも衆道!
男と男がセックスするのですな!
それが大はやり。
1 度染まるとやめられません!知らんけど。

日夜!次からつぎにおそってくる
先輩僧を張り倒し比叡山を出奔して
みずからを
武蔵坊弁慶と名乗るようになりました。

四国で空海の跡を追っても
播磨の書写山に行ってもおなじ!
衆道ばかり。

都に流れてきて
鴨川の河原で寝ていたら
浮浪児たちがやってきました。

「ご坊!ハラ減ってないかい?」

「ああ!多少。

ついて行くと
大鍋みっつになにやら煮ております。

浮浪児の集団の中にひとりの僧がいます。

「麦がゆを作っておるのじゃ」
「今日の托鉢でたくさんもらえたのじゃ」

「麦は硬いので」
「3 度はゆでこぼさねばならんわい」



平氏がわが世の春を謳歌しています。

平氏の取り巻きやら
すりよるものは天国!
落花狼藉!なんでもあり。
そのしわよせに
命を削っているものも多い。

性欲と物欲と
出世欲ばかりの寺を見てきた弁慶には
浮浪児の真ん中にいる僧侶は
後光がさしているように見えました。

「和上(わじょう)のお名前は?

「名前!?どこかで落としてきたわい」
「乞食坊主と呼んでくれ」

「どこで修業なさいました?

「しておらん!忘れたわい」
「経なんか読むだけムダじゃ」

「私はこれからどこでどう
「修業したらいいのか悩んでおります。

「修業なんか 1 文にもならん」
「坊主をやめて」
「物欲だけで生きるのが」
「人間らしくてよかろう」

「しかし、、、。

「それでは 1 度みな捨てなされ」

「財産はなにも持っておりませぬ。

「まだ!その股間のものがあるではないか」
「頭で考えても若さが逆らうであろう」
「羅切(らせつ)とするか!ははは」

「羅切でございますか。(拙ブログ 2019/06/27

「魔羅(まら=陰茎)を切り落とすのじゃ」
「そうすると!ま!小便がしにくくなるな」

「ではな!交わって!まじわって!交わって」
「全部絞り出してしまうかな」
「その後!考えてみるか」

「比叡山や書写山で衆道が盛んなのも」
「あながち!間違いでもないかもな」



「絞り出してみるか。
「女を襲うのは罪作り。
「男ならかまわんか。
「特に威張っている平氏の郎党なら。

弁慶は五条橋のたもとで夜を待ちます。

「おい!こら!

「なんだぁ?!あ~ん!」
「なんという口のきき方じゃ!」
「平氏に使える身を愚弄すると」
「タダではおかんぞ!」
「あああ!なにをする!」

弁慶は構わず
大きな両の手で侍を押さえつけて
服をはがして!後ろからズボズボ!
魔羅をねじこんでしまいました。

「や!や!やるか!」

刀を抜いてきたものには
小手をたたいて払いのけ!
後ろからズボズボ!

槍で突いてきたら
交わした槍を小脇に抱え振り回し
男を欄干にたたきつけて
またもや!ズボズボ。

毎夜!ズボズボ!ズボズボ。



都の東岸に平氏の拠点の
六波羅館(ろくはらのやかた)があります。

そこから鴨川に架かる五条橋を渡れば
天神社があります。

今の五条大橋は秀吉が架けたもの。
上流の今の松原橋が当時の五条橋ですが。

天神社は菅原道真の天満宮とは違う
もっと創建の古い神社です。

平氏の家来どもは威張って
下っ端のものでも怖いもの知らず。

夜中に暇をもてあまし
天神社に夜参りなんかしていたのです。

そんな平氏ののど元で問題を起こせば
すぐ!
警備兵どもが大挙してやってくるはず。

が!だれもきません。

「なに?昨夜!山田さんがやられましたか!」

「拙者は 3 日前に身ぐるみはがされました」

「権兵衛殿は先祖伝来の刀を忘れて」
「尻から血を流しながら逃げてきたそうな」

「偉丈夫の大久保氏は抵抗を強くしたため」
「顔が鬼瓦になるまでたたかれておりますな」

「取的(相撲)あがりの世之介はすぐに」
「自分で裸になり尻を差し出したので」
「殴られなかったと自慢(?)しとるぞ」

素手のものに刀を簡単にたたき落とされ
尻の穴を広げられたなんて
恥ずかしくて大ぴらにできません。
だから!ひそひそばなしで終始するのみ。



翌朝!浮浪児たちがやってきます。

「弁慶さん!今日はどうやった?」

「ああ!落として行った刀は 5 本!
「狩衣は 3 枚だな。
「ふんどしは 1 本!
「裸ではって帰ったやつがいた。

「これを食べものに替えてきておくれ。
「和上どのも呼んできて!
「みんなで食べよう。

「あ!お花ちゃんには赤い鼻緒の
「おこぼ(こっぽり)を買ってやんなよ。
「女の子やから。



そんなある日。
こどもがやってきました。
横笛をくわえていますが
ひ~ひ~としか鳴っておりません。

「これ!夜中に外に出たら危ないよ。

「なんだぁ!おのれは!?」
「乞食の分際で!」

生意気な口をきく
背の低い大人のようです。
薄い月明りで見ると
猿に見まがう不細工な顔をしています。

「おとなかぁ!それじゃ
「なんでもいいからケツを出せ。

「無礼もの!」

つかもうとした弁慶の懐から
真上に跳びあがりざま
笛で弁慶の頭をしたたか打ちつけました。

弁慶が突進すれば体をかわし
つかんだと思えば
わき腹を打擲(ちょうちゃく)して
後ろに回り!尻を蹴ります。

「おまえはなにものだ!?

「鞍馬山の美男子よ」

「どこがぁ?!

もうお分かりのように
鞍馬山の猿顔といえば牛若丸なんですな。

牛若丸・九郎判官義経が主役の映画や芝居は
いい男がやりますからいい男!
実物は悲しい顔だったようです。

ちなみに吹けもしない笛をあてているのは
カモフラージュ目的。
人よりよけいに上の前歯が飛び出すので
恥ずかしくて隠しているんですな。

なかなかませた青年で
夜な夜な女をあさって歩いていたのです。

こいつがヒラリひらり身をかわし
打ってくる!蹴ってくる!強い。



それというのは
牛若丸は経験が豊富なんです。

鞍馬山の寺でも衆道が蔓延しております。

特に鼻が赤く長い先輩僧が
牛若丸に執心していたんです。

その時代には鼻が大きいものは
魔羅も大きかったんです。
鼻を見ただけであそこが分かります。
今はどうか知りませんけど。

その “天狗” とあだ名される
大魔羅の僧が
牛若丸の尻を求めて日夜せまってきます。

牛若丸は逃げます。
天狗は追いかけます。

山中逃げ回ります。
天狗はあきらめません。

毎日!鞍馬山の上から下まで
ふたりは走り回っています。

それで!弁慶の攻撃なんか
容易にかわせたのです。



牛若丸は弁慶の
両の “むこうずね” を蹴りあげました。

“むこうずね” とはどこか!?
膝から下なんですが
前面か後面か見解が分かれていますが
ま!その辺を蹴られたら痛い!
痛いのなんの!
後の世でここを
“弁慶の泣きどころ” と呼んだほど痛い。

弁慶は欄干に頭をつけて
四つんばいになってしばし動けません。

「おれの体が小さい!?」
「名前がこどもじみている?!」
「バカめ!みな油断しておるが」
「魔羅だけは天狗と変わらないんだよ!」

「尻の穴をもらうぜ」
「この自慢の大魔羅を」
「くろうほうがん(九郎判官)やがれ!」

「ああ!ちょっと!ちょっと!
「よしつね(義経)!よしつね~!!
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