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梅素麺はより酸っぱく! [こな(粉)もん]

素麺(そうめん)は“唐”から伝わったとか
“元”から禅僧が学んできたとか諸説あるものの
ま!古い!
長い歴史があるようです。

が!
古い本とか
滑稽ばなしなんかに出てこないような。

あれ?!
俳句歳時記を広げてみたら
「素麺」がありません!

よく見たら「索麺」!?
ああ!「そうめん」は「索麺」と書くものでしたか。
昔は「さくめん」でしたか。



袁枚(1716 ~ 1797)著/随園食単/に
なんと!「素麺」があるじゃないですか。

中国に「素麺」!
あれ!?
青木正児訳ではその日本語訳が「精進饂飩」ですか。
いわゆる日本の素麺ではなく
レシピを読むと茸のだしで食べる麺でした。



喜多村筠庭(1783 ~ 1856)著/嬉遊笑覧には
「あつむぎ」を売る索麺売りの歌があり
「あつむぎはにうめんをいふ」と書かれています。
さらに
「冷麦と冷さうめん」
「にうめんとうどんと異なるは近世の事也」
とか。

つまり「索餅」「索麺」「素麺」「麦縄」と
厳格に区別して呼ぶ訳でもなく
たぶん!みんな今でいう「そうめん」なのでしょう。



奈良の三輪あたりから
全国に素麺の製造法が伝わり
今ではいろんなところの名産になっていますね。

大阪も枚方あたりに産地があったようです。
JR津田駅前に
「河内素麺」の顕彰碑が建てられているそうな。

宮本智恵子編著/今も伝わる大阪のごはんとおかず/によると
「河内素麺」は 1681 年ころから始まり
7、80 軒の素麺製造者がいたそうです。

多田鉄之助著/郷土料理/にも記述が。
河内交野(かたの)名産の素麺。

特徴はでんぷん!または片栗粉入り。
淡白な味だとか。

上野修三著/なにわ味噺口福耳福/に著者が
京都で河内素麺を買ったとあります。

1980 年代のことでしょうか。

「手のべ」だから太さが揃っていないとか。
しかし「実においしい」とか。

よく分りません。
どこの産地でも「手のべ」でも
太さを揃えて売っているのじゃないでしょうか。

今は聞かないところをみると
不揃いが特徴(!)の河内素麺は
もう!製造されていないのかも。



このあたりではブランドもの!
ちょっと高価な「揖保(いぼ)乃糸」
もちろん!買えるはずもなく到来ものがありますが。
「手延素麺」とありますよ。
「手のべ」ですから!不揃い?!
blog揖保の糸.jpg

計測器がないと注意力散漫な観察と
鈍感な舌では分りません。
不揃いには見えませんが。



茹でた素麺を梅肉(梅干をたたいたもの)で色をつけ
青ねぎの中に盛ります。
blogもずく素麺.jpg

市販のもずく酢に納豆を混ぜてつけだしにします。

私はずぼらですのでしませんが
納豆をたたいた方が麺にからみやすく
口当たりがいいのはいうまでもありません。

酸っぱいものはより酸っぱく!というのが
いつもぼんやりと生きる私の好きな味覚。

夏の素麺が残っていて!しあわせです。



(敬称略)
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