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鶴も花もないウグイス塚あたり [手のひらを太陽に]

「鶴」が樹上に営巣したといいます。

はなしとしては
珍しいことではないですけどね。
タンチョウが
松の梢で子育てしている絵だって
残っていますよね。

そんな鶴がいたというので
大阪市北区の南長柄八幡宮を訪ねます。

あ!可愛い神社ですね。
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松の木も!他の高木もありゃしない!
江戸時代のはなしですからね。



だいたい!鶴が樹上にいますか。
まして!営巣するなんて?!

日本野鳥の会のフィールドガイドを広げると
クロヅル!ナベヅル!カナダヅル!アネハヅル!
タンチョウ!ソデグロヅル!マナヅル!
それにナベヅルとクロヅルの雑種が
日本のツルだとか。

「いずれも木にとまることはない!」と
断定されていますが。

樹上に巣を作ったはなしは
ダイサギやアオサギなんかのサギ科の鳥や
コウノトリと混同しているのじゃないでしょうか。



先の夏のわが家の庭(!)の
桃ケ池のへび島の松の枝先。
かれがかの女に小枝をプレゼントしています。
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これはサギ(鷺)ですよね。
たぶん!アオサギ?!
鶴じゃありませんよね。

このサギと鶴を置き換えて
描く人がいてもおかしくないような。
「鶴」と「松」は吉祥かも。

ちなみに!ここで巣は完成しませんでした。

別のオスが突進してきて
なん度もなん度も!決闘していました。

それにカラスの集団が包囲して
昼夜!うるさく威嚇(いかく)していました。
恋も営巣もお手上げ状態。



はなしを北区にもどせば
近くの公孫樹(いちょう)木の先に巣のあとが!
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カラスが集団で鳴いていますから
それらの巣だったのでしょうか。

これは国分寺の樹木ですか。
ここは摂津!
摂津の国の国分寺でしょうか。
それにしてもはでな色彩!
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国分寺の隣に
これまた!大きな公孫樹の木。
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淀川天神社。
天平 10 年(738)の創建。
ということは
「天神社」といっても
菅原道真(845 ~ 903)の
天満宮ではないですね。



淀川天神社の前の道の向こうに大きな寺院。
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ああ!あれが鶴満寺ですか。
落語の「小町桜」の寺。

江戸落語の「小町桜」は
上方落語の「鶴満寺」を改作したものらしい。

鶴満寺に花見に行ったところ
昨年の花見客の狼藉(ろうぜき)に
ハラを立てた住職が
今年は境内に立ち入り禁止令を出していました。

寺男にカネをつかませ
酒を飲ませ
花見をするというたわいもない!
特筆すべき面白いところのある
噺(はなし)でもありませんが。

鶴満寺は桜の名所なんですね。



あれ?!
境内に桜の木はありません!
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それどころか喬木は 1 本だにありません。
きれいさっぱり。

鐘楼の前に
「遼太平 10 年銘 西暦 1030 年」の石碑。
すごい鐘がありますね!

「遼」は中国東北部にあった国?!
朝鮮半島を経由して入ってきたのでしょうか。

それが!?
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ありません!
目頭をこすってみたのですが!
鐘がない!
えらいこっちゃ!
盗まれていますよ~!



北に行けば
ケヤキ(欅)の樹幹より少しやさしい
しかし!丸い形の木が。
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エノキ(榎)ですか。
いや!ムク(椋)かも知れない大木の下に
祠(ほこら)がありました。

鶯(ウグイス)塚といわれているとか。

枕草子の
うぐいすの陵(みささぎ)に比定される
若草山の山頂のように有名じゃないですが
かつては墳丘だったのかも知れません。

長者の娘とか
高貴な方に愛された女性とか
こんな場合にはだいたい美しい女性の物語が
いくつか眠っているのですね。

かの女の魂がウグイスに乗り移って
毎年!春を知らせにこの枝にきて歌うらしい。

もう!立春ですね。
タグ:枕草子
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