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きらら坂 つつじヶ丘 [解語の枯れ尾花]

山法師の野蛮な声が下ってきます。

急な上りつづき
息が切れてめまいがしても
ダニの多い季節!
座れずに細い木に身をゆだねて目を閉じれば。

きらら(雲母)坂。
平安京と比叡山を結ぶ最短の古道。

修学院離宮の敷地の縁に沿ってつづきます。
修学院離宮の敷地は今でも広大なのです。

白河天皇(1053 ~ 1129)がいった
天下三不如意のひとつ・延暦寺の山法師!
かれらが神輿(みこし)をかついで
荒々しく下ったためでもないでしょうけど
深くえぐれて歩きにくいところが多々あり
私は××十年!敬遠して
歩いたことはなかったのですが。

大勢のハイカーが上下していました。

抜きつ!抜かれつの若い女性!
お尻を半分出したファッション。

形ばかりの薄いショーツがくい込んで
左右のナマ(!)肉が大きくあらわれて!ぷりぷり。
山法師より怖い害虫の蚊!アブ!ブヨ!ダニ!だらけ
アレルギーやら擦過傷やら引き起こす草木!ばかり
明日!腫(は)れあがらないかと余計な心配。



そのえぐれたところが最たる道の横に
新しく尾根道ができていました。
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今考えれば!このあたりは他にも変化が大きく
昔の資料では歩きづらいような。

水飲対陣(みずのみたいじん)跡の碑。
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千種忠顕(ちぐさただあき ? ~ 1336)戦死の碑。
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太平記の世界。
「忠君愛国」が正義の時代の名残り。
歴史的にどの程度価値のあるものやら。
今ではただの道しるべかも。

木々の向こうに
叡山ケーブルのケーブル比叡駅が見えました。
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乗って上がれば 540 円。
540 円稼ぎました!はは。金儲けも大変です。



さらに歩けばスキー場跡。
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大昔には雪のない季節も
アストロスキー場として
にぎやかだった時代もあったようです。

白河天皇の曾孫・後白河法皇(1127 ~ 1192)が
今様歌謡を集めた梁塵秘抄に

根本中堂に参る道
賀茂河は河ひみつし 観音院の下り松
ならぬ柿の樹(き) 人宿(やどり)禅師坂
滑石(すべりし)水飲(みずのみ)四郎坂
雲母谷(きららだに)大嶽(おおたけ)蛇(さ)の池
あこやの聖(ひじり)が立てたりし 千本の卒塔婆(そとば)

なんて歌詞があります。

この中にある「蛇(さ)の池」がこのあたりでしょうか。
このスキー場跡かも。



山肌がはなやかになってきました。
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つつじヶ丘と呼ばれているあたり。
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「きのふはけふの物語」という本がありました。
古い書物です。
どのくらい古いかというと
寛永(1623 ~ 1645)のころといわれていますから
400 年も前のはなし。

そこに

近衛殿につつじを差し出したら
「さてもみごとな躑躅や」とほめられたそこつな男
「なるほど躑躅か」どこかで使おうと思っていたら
南禅寺で和尚がつつじを見ていたので
「さてもみごとなテキテキでござる」

といったはなしがあります。

机上で考えられたはなしのような。
現実的とは思えませんがどこが面白いのでしょうか。

「躑躅」を「テキテキ」と読めるんですか。

「てきちょく」と読んで広辞苑を引くと
「足踏みすること」「ためらうこと」とはありますが。

「躑(てき or ぢゃく)」も
「躅(ちょく or だく or どく)」も
どちらも「たたずむ」とか「足踏み」とかの
同じような意味じゃないのですか。



物集高量(もずめたかかず 1879 ~ 1985)著/
百三歳。本日も晴天なり/に
どうしてつつじは植物なのに「躑躅」という
「足」偏の字をあてたのかと納得できなかったから
調べたとあります。

晋の武帝(265 ~ 290)が
数十人以上もいた愛妾のもとへ行くとき
羊の引くくるまに乗っていたそうな。

羊はつつじを見るたび
立ち止まって食べようとするとか。

それでこの樹木に「躑躅」の字をあてたとか。

「躑」はテクテクあるくこと。
「躅」はしゃがみ込むことと解釈しています。

もっとも!この羊車のはなしは
いろいろアレンジされて伝えられていますけどね。



急坂をテクテク歩き
めまいからしゃがみ込みながらやっときたのに!
花の季節は過ぎていたようです。
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遅咲きの花だけのような。


来年まで待ちましょう。
来年!満開のころにみんなで訪れたらどうでしょう。

来年のことは分かりませんがね。

ハイキング仲間の多くのお年寄りたちは
鬼籍に入っているのかも。

アラフォー(around 40)の半尻出し
じゃなく!半発情のおね~さん方は
厚かましいので押しかけお嫁に行っているかも。

またひとり!
テクテク登ってくることになる公算が強いかな。

今年の春が行きます。



(敬称略)
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