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京都 六波羅あたり [平安京有情]

京都の鴨川に架かる五条大橋。
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牛若丸と弁慶が出会ったところ。

もっとも!
当時の五条の橋は上流の
向こうにかすんで見えている
今の松原橋のあるあたり。

もっとも!
弁慶なんて架空の人物?!
よしんば!弁慶という名の男がいたとしても
怪力無双の大男かどうかは疑わしいところ。

だいたい!
平家一族の数千の屋敷が密集し
優秀な警備が
十重二十重(とえはたえ)の「六波羅(ろくはら)」で
弁慶ひとり!橋の上で連日連夜
強盗を繰り返せる訳はないでしょう。



この牛若丸と弁慶の創作はいろいろある中で
手塚治虫の火の鳥/乱世編/が印象深いですね。

きこりの弁太と
幼なじみで許婚(いいなずけ)のおぶうが
運命に引き裂かれ!仕方なく!
弁太(弁慶か!)は牛若丸(義経)の家来に
おぶうは平清盛の唯一心を許せる側室になります。

ふたりはすれ違うばかりで!ときが荒々しく流れて
おぶうは
壇ノ浦(だんのうら)の合戦で義経に斬られます。

弁太は
奥州平泉で義経の頭を丸太でたたきつぶして
(注 異説あり 拙ブログ 2014/06/13
おぶうのかたきを討(う)って
元・あばずれ女のヒノエを背負って
矢が雨あられと飛んでくる中!

「えーか 死ぬなよ」
「アイ」

遁走(とんそう)します。
世界の果てを目指して。

世の中!判官(ほうがん)びいきというのに
小さなころから
義経の英雄ともいえない生きざまに疑問を感じ!
嫌悪を感じていた私には痛快すぎて!
最初にこれを読んだとき笑い!
涙がどっと出ました。

他人の勝手な欲望に翻弄(ほんろう)される
庶民たちの悲しみも痛すぎます。

余談ですが
この手塚が描くあばずれ女「ヒノエ」が可愛い。
アンパンマンなら
「ドキンちゃん」が可愛いと思う私ですので
割り引いてお受け取りくだされ。



思い出し泣き(!)しながら「六波羅」に向かいます。

六波羅といえば
空也(903 ~ 972)が創建して
そこで死んだ西光寺が
今は六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)と改名して
残っています。
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平氏一門はどうしてこんな寂しい地を
拠点に選んだのでしょうか。

ここは鳥部野(とりべの)の入り口。
貴族の墓地から庶民の投げ捨ての地まで
広大な葬送の地・鳥部野。

ちなみに
貴族の墓地があるところは鳥戸野
庶民の葬送の地は鳥辺野と書かれるようですが。

あ!大騒ぎ!
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スズメバチが飛来しています。

本堂の「六波羅蜜寺」の扁額(へんがく)に
しつこくやってくるのだとか。

営巣じゃなく扁額をかじりにきているのでは。
巣材にする木材のセルロースがほしいのでしょうね。

あれ?!
「はらみつ」の「みつ」は「蜜」の字でしたか。
ハチと関係ありそうですね!はは。
笑っちゃ!不謹慎ですね。



鳥部野ですから
「幽霊子育飴(ゆうれいこそだてあめ)」が売られています。
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葬られて!地の中であかちゃんが生まれたのですが
親の肉体は死んでいておっぱいが出ないので
おかあさんが幽霊に変身して
この店に飴(あめ)を買いにきたのですね。

埋葬のときに
三途の渡し賃を入れておく風習があるので
そのお金で飴が買えたのですね。

あかちゃんは助け出され
後に高僧になるはなし!
たぶん!中国渡りのはなし!
全国にあるようですが
飴屋が残存しているのは京都ならでしょうか。

涙が出ますね。

今は「子育飴」をネットでも買えますので
もし!おなかが大きいまま埋葬されても
幽霊にならなくてもいいと覚えておきましょう。



そんな地には六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)。

閻魔(えんま)大王と親しい
小野篁(おののたかむら 802 ~ 853)が
あの世とこの世を往復していた場所のひとつ。

迎鐘(むかえがね)があります。
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この梵鐘はお堂に封印されていますが
綱の端がのぞいています。
8 月の「六道まいり」のとき引いて鳴らすのだそうな。
すると!鐘の音があの世に届きます。

なんでもない日に引いても鳴りますがね。
あの世に届いたものかどうか。



花街・宮川町を進みましょうか。
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京都の五つの花街の内
芸妓・舞妓の数が 2 番目に多い街ですが
一番!しっとりとしています。

祇園甲部はにぎやかすぎて!雑踏のようで
どこからどこまでがそうなのか分かりません。

祇園東は繁華街の中!範囲がせますぎて!
これまた他国ものにはよく分かりません。

先斗町は観光客相手の飲食店舗ばかり。

上七軒はなんだか格式が高そうで
私にはぼんやり。

お茶屋に「変身処」が増えましたね。
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商売は時代とともにうつろうのですね。

舞妓・芸妓はもとより
新選組やら明治の粋な女なんかにも変身できます。

夏には浴衣(ゆかた)の貸し出しもあるそうですが。



(敬称略)
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