SSブログ

心夏やせ 浮舟の恵心院 [猫も歩けば棒立ち]

宇治川の宇治橋の上流。
左岸に立てば
平等院の前あたりの中の島が水をかぶっています。
blog31.jpg

渡れません。
blog32.jpg

琵琶湖から流れ出す川は瀬田川だけ。
瀬田川が京都府に入れば
宇治川と名を変えて流れます。

この川の水は完全にコントロールされています。

上流の天ヶ瀬ダムで一度止められてから
放流されています。

国土交通省のホームページを見ると
この撮影時にはずっと毎秒 600 t 以上の放流でした。
440 t を越えると
中の島の立ち入りはできない規則のようです。



すぐ下流に
巨大な巨椋池(おぐらいけ)があったのですね。
昭和の初期には干拓されて消滅しています。
広大な農地になり
近年!建造物やら道路が増えてきています。

池は干拓です。
埋め立てた訳ではないようです。

今は池の底が乾いているという状態?!
つまり!池の地形は残っているのでしょう。
水の流入があれば
いつでも池にもどれるのかも。

イタセンパラやアユモドキなどの
失われた動植物ももどってくるのかも。

面白い。

不謹慎なことをいってはダメですね。
ごめんなさい。

池の跡に水を流入させないために
天ヶ瀬ダムを建造し
宇治川の氾濫を防いでいるのでしょう。



宇治橋の上
橋姫さまの住む三ノ間。
blog33.jpg

清流が色を変えて流れています。

今ここから
「浮舟(うきふね)」が入水(じゅすい)したら
助からないでしょうね。

源氏物語宇治十帖の浮舟は
比叡山の横川(よかわ)の僧都(そうず)に
助けられ保護されるのでしたか。



平等院と川をはさんで対峙する右岸に
恵心院(えしんいん)があります。
blog34.jpg

「横川の僧都」のモデルといわれる
恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)が
弘法大師の建てた龍泉寺を再興した寺院らしい。

花の寺といわれていて境内に植物がいっぱい。

尼寺でもないのかも知れませんが
今のご住職は比丘尼(びくに)のはず。
女性のたおやかさが感じられます。

でも!
この夏から秋への季節には
特筆するような花はなにも咲いていません。

高台ですので
木の葉がくれに宇治川と対岸の平等院が見えます。
blog35.jpg

見晴らしはよくありませんが
それが疲れたものにはうれしい。



久しぶりにおじゃますると
境内に
四阿(あずまや)がしつらえてありました。

靴を脱いで上がり
足を伸ばして
盛夏とはメロディが変わった蝉の歌を聞きます。

この季節
だれもやってきません。
世のくさぐさも心の闇も忘れて眠くなります。

からかろ!カラカロ!
黄泉(よみ)の国から聞こえてくる音、、、。

黄泉の国からではありません。

こぼれ種から芽生えたような
丈の短い鶏頭のいたいけな花に囲まれて
水子地蔵が微動だにしません。
blog36.jpg

その地蔵さまに飾られている
赤い風車が回っている音。



赤い風車!ムーラン・ルージュですか。

  うたってあげましょ わたしでよけりゃ
  セーヌのたそがれ まぶたの都

  花はマロニエ シャンゼリゼ

  赤い風車の 踊り子の
  今さらかえらぬ 身の上を

蝉の声がしぼられていき!
消えて!
なぜか遠くから
青江三奈の「カスバの女」が聞こえます。

大勢の歌手が歌い継いできたという歌。
どうして!青江三奈なの?!
あたしゃ!いつの時代を生きているのやら。

どうでもいいですけどね。
ひと眠りできるのなら。
永遠に目覚めなかったりして、、、。



再び宇治川右岸に降ります。

中の島に小さな滝ができています。
blog37.jpg

当分!渡るのは無理かな。

夕暮れ。
石灯篭に灯が入ります。

ソーラー電池!?
blog38.jpg

LEDなんですね!昨今は。

カラスが鳴くから仕方なく帰ります。



(敬称略)
コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感