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どんぐりごはん [七面鳥六目半ごはん]

先日の馬見丘(奈良県河合町)ハイキングでは
たくさんのどんぐりのころがる道を歩きました。
拙ブログ 2014/10/14

少し食べてみましょうか!と思いついて
拾いながら歩いていたら
同道のみなさんも拾ってくれるじゃないですか!

そんなにたくさんいらないのですが。
でも!
人の親切を無下に断れず
「ありがとうございます」とぼそぼそ礼をいったのに
とたん!みなさん!ホンキを出すじゃないですか!

拾う!拾う!拾いまくり!
ハイキングなんかしばし忘れて!
甲羅に苔を生やしたような人が地面にはいつくばり
年に不足はない人が林の奥まで入り込んで行きます。

「今日はクヌギ(櫟)だけ持って帰りますので」

みなさんに同じどんぐりを拾うようにお願いします。

「クヌギはこれですよ」
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わが姉(!)なごんちゃん(清少納言)が枕草子に
「恐ろしげなるもの つるばみのかさ」と書いた
年古(ふ)りた山姥(やまんば)の頭髪のような
はかまをはいているどんぐりですよ。

つるばみは漢字は「橡」かな。
「橡」はクヌギとも読むらしい。

ちなみに橋本治著/桃尻語訳 枕草子/では
「つるばみ」を
半球形のチャイナハットのような
カシ(樫)やナラ(楢)のどんぐりと想定していますが
それだと「恐ろしげ」はないでしょう。

「つるばみ」は広義では
「どんぐり」には違いないでしょうけど。



童心に帰るものですね!おじさん!おばさんが
一所懸命!集めてくれましたねぇ!
今さらいらないともいえず!ザックにみんな詰めたら
重いのなんの!

しかし!いったでしょ。
クヌギだけにして!と。
この種々のどんぐり!どうすんのよ。
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昔!作家仲間が集まって「摘み草」をしたとき
「これがセリ!これがナズナ」の説明を
半分聞いただけで走り出したのは梶山季之!
おそろしいスピードで正確にたくさん集めてきたそうな。

みんな同じ草に見えて
ずっと立ち尽くしたままだったのが山口瞳。

そんなことを聞いたような。
記憶違いだったら!ごめんなさい。

それと同じかな!
クヌギだけたくさん集めてきた人。
どれも同じに見えるらしく混合で拾ってきた人。
落ち葉やら枯れ枝ごとかき集めてくれた雑な人。



クヌギだけ水に浸けます。

虫が入っていませんでした。

外の皮をむきます。
容易にむけません!硬くて!
少々水に浸けたぐらいでは柔らかくなりません。

フライパンでから煎りしてみます。
焦げたところに包丁の角を差し込んだりして
なんとかむけましたが。

水で茹でます。
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重曹を振ります。
あっという間に湯がコーヒー色になります。

ああ!これで染色できそうです。
なごんちゃんのころには
クヌギのこの汁で染めた色を
「つるばみ」といったのかも知れませんね。



コーヒー色の湯を捨てて
水で洗い!水を加え!
重曹を振って加熱すること 3、4 度。

渋は抜けて行くのですが
どんぐりの形が崩れ!色がついて行きます。
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もうやめよう。

どんぐりパウダーを作るのには
いいのかもしれませんが
どんぐりの形のあるまま
渋を抜きたかったのですが。

2、3 日水にさらしておきました。



洗い米にどんぐりを入れ
湯通しして切った鶏の皮を加え
昆布の切れ端も入れ
塩を振ってから炊飯器のスイッチオン。

どんぐりごはん。
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渋味やクセを緩和するため
青ネギをトッピングしましたが
その必要はありませんでした。

おいしいのですが
フツーの「かてめし」のようで
あんまり個性は感じられませんでした。



(敬称略)
タグ:枕草子
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