北野天満宮 御土居の紅葉 [うそ八百]
はらはらと 散る 思い出が
かつ消えて かつ あらわれて
春は花 秋 もみじなら
あの人の 頬 染めて散れ
色づいて 去る 秋もある
音もなく 行く 秋もある
いくたびの その むなしさは
情と呼ぶ ああ 恋と呼ぶ
明治なら ただ 耐えるのみ
大正の 恋 身を捨てる
昭和なら すぐ ひるがえり
うたかたの 今 秋深く
悲しみは また いじらしく
みじめさは また なつかしい
帯解きの 娘(こ)は 七五三
百年(ももとせ)を 飛ぶ 愛らしさ
ふり向けば 慈悲 逃げそうで
ふり向かぬ まだ ふり向けぬ
鬼の子に 空 まぶしくて
蟷螂(とうろう)は 死に 場所もなく