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ピンク映画の巨匠の一周忌 [活動写真]

ピンク映画の巨匠
渡辺護(1931 ~ 2013)監督の一周忌です。

と!「ピンク映画」と書きましたが
あやまります。

「ピンク映画」も「成人映画」も「ポルノ映画」も
「エロ映画」も「日活ロマンポルノ」も
「ブルーフィルム」も「アダルトビデオ」も「AV」も
「裏ビデオ」も「アダルトサイト」も
内容も歴史も法規制も
その区別がなんにも理解ができていなくて
私の頭の中ではいっしょくたになっています。

共通は「裸の女性」と
「性のいとなみ」を撮影していることかな。

渡辺護が生前に語った自伝的ドキュメンタリー構成の
「糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護」や
その 2 部の
「つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史」が
上映されていたようですが
残念ながら!鑑賞する機会に恵まれていません。

一周年に各地で記念の上映もあったようですが
神戸映画資料館では
ドキュメンタリーの撮影や構成に携った
井川耕一郎映画監督と
同じく編集や製作の北岡稔美さんが
上映の合い間に
「トーク」されていました。(2014/12/06・07)
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私は映画の鑑賞は少なく
映画にもピンク映画にも暗いので
この機会に
渡辺護のデビュー作
1965 年の「あばずれ」(扇映画/モノクロ)を
観ようとは思ったのですが
またも!時間的に折り合いませんでした。

「(秘)湯の町 夜のひとで」を観て帰ります。

1970 年「わたなべプロ」製作とありますから
デビューから 5 年ですね。
あぶらが乗ったころの作品でしょうか。

これ!ピンク映画ですか。

文化庁の芸術祭の作品みたいですが。

ストーリィはきっちり構築。
裸のシーンは少ない。
今のTVドラマより少ないかも。

パートカラーです。
製作費が少ないので高価なフィルムはたくさん使えず
ここぞというところだけカラー撮影!
ほとんどはモノクロです。

それがまた!「芸術」みたい。

渡辺護がこのころ
「映画芸術」(1970/11)誌にエッセイをのせていますが
その「何が難しいことだって ピンク監督の弁」に
「警視庁のクソ役人どもが(中略)シャシャリ出ているが」
「あの役人どもはてめえの女房と夜」
「ネクタイをしたままでナニをやっているのだろうか」と
痛烈にアジテーションしています。

たぶん!
尻の割れ目が分かってもいけない時代だったのでしょう。



「ピンク」で思い出しました。
「ピンクのカーテン」の主役の美保純。

美保純は「ピンクのカーテン」がデビューかと
なんとなく記憶していたのですが
デビューはその前
1981 年の渡辺の作品がデビューでした。

あ!?
美保純は御年 54 歳?!
すごいですね!光陰は。



「(秘)湯の町 夜のひとで」は
欲情なんてなにも湧かないですね。
これも隔世の感。

観光地・温泉街に流れ着いた 3 人組。
裸のモノクロの写真を売っています。

おかしい!
笑えます。
そして悲しいですね。

つげ義春作/義男の青春/では
三流漫画家の妻と小さな女の子が
歌麿のからみの絵の模写をしていました。

線だけ薄く印刷した上に
型紙をあてて色を塗るのです。
版画のように見えるでしょ。

湯の町で土産物店におろしています。

土産物店のおばちゃんが
「写真にかなうかしら」なんていっています。

写真と競合していたようです。はは。

その時代がまさに
「(秘)湯の町 夜のひとで」と重なるのでは。

ま!そんな価値の低い錦絵やら写真。
でも
好事家が収集していないでしょうか。
それはそれで
今出してくれば価値がつくかも。



渡辺護の前述のエッセイにありました。

「ハダカこそ可能性だ」

そうですかも。

さっそく!服を脱いで街へ出よう。

寒いよ~!
なにもかも寒い時代。



(敬称略)
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