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お正月です お雑煮です [半煮え!生煮え!]

「お坊さんがふたり歩いていたら」
「電車が急ブレーキ」

「おしょうがつ~」
「がんたん」

林家三平(先代)の有名なギャグでも思い出す日。

華やかな元日がやってきました。
華やかな裏には華やかでない世界もあるはず。

華やかであればあるほど
華やかでない方は
よけいみじめさが際立ちましょう。



莫歎貧家卒歳難
 たんずるなかれ ひんか としをおうるのかたさを

北風曾過幾番寒
 ほくふう かつてすぐ いくばんのかん

明年桃柳堂前樹
 みょうねん とうりゅう どうぜんのじゅ

還汝春光満眼看
 なんじにかえさん しゅんこう まんがんのかん

清の沈受宏(1645 ~ 1722)が
旅先から妻に送った詩。
「贈った」と書く方がいいのかな。

暮れに貧しさを嘆くまい
北風の寒さにはなん度も耐えてきたじゃないか
来年になればわが家にも桃の花が咲き
空いっぱいの春の光はあなたのもの

なんて感じましたが!果たして。

「北風 幾番寒」
「春光 満眼看」ですか。
すごい!
うまいもんですね。
感心している場合じゃないですが!
身につまされます。



昭和 31 年(1956)大みそか
赤塚不二夫は途方に暮れます。

食事と遊興の費用を年下の
石森章太郎(石ノ森章太郎)に頼っていたのですが
かれが帰省してしまったのです。

あり金は 28 円。
さいわい!餅だけはあります。

28 円で醤油の小瓶を買い
湯に入れてスープを作りました。
その雑煮だけで
石森が帰ってくる 7 日までしのごうとします。

そこへきた横山孝雄が
おつゆを全部飲んでしまいました。

よほどキョーレツな思い出なのか
「トキワ荘青春物語」に
赤塚も横田も
期せずして同様のことを描いていますね。



醒睡笑/安楽庵策伝(1544 ~ 1642)著/では
「餅」は児(ちご=寺院の見習い)の
憧憬(しょうけい)の的のように
書かれていますが(拙ブログ 2014/12/24
雑煮で食べてはいないような。

生か焼いて食べる以外は
正月三が日を「羹餅食(かんもちくえ)日」と
こじつけるくだりがあるくらいですか。
「羹」が今の雑煮かどうか少し疑問ですが。

嬉遊笑覧/喜多村筠庭(1783 ~ 1856)著/によると
16 世紀の中ごろまでは
「烹雑(ぼうぞう)」が餅入りで
「雑煮」には餅が入ってないとありましたね。
拙ブログ 2009/01/01

ま!どちらにしろ
汁もので食べる食べ方もあったのですかね。



私にも暦は正月になりましたから
いつのものか分かりませんが
冷凍室から霜にまとわれた餅を出してみます。

フライパンでベーコンを焼きながら
その隅の方に餅を置いておきます。

ベーコンから脂が出たら
舞茸を手で裂きながら入れ!炒め合わせます。

餅が焼けてきたら
豆乳を入れ!コーンスープ(缶)を加え
豆苗をちぎって入れて
塩を少し追加して!ひと煮立ち。

器に盛って
スライスチーズを置いて
汁をかけました。
blog雑煮.jpg

年末!なんでも高かったのですが
舞茸と豆苗と豆乳は普段と変わらなく
安価でしたね。

安くてもおいしかったらいいじゃないの。
今年も貧乏街道まっしぐら。
失うものがないものは突き進むのみ。



(敬称略)
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