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タルトはタルトレット?! [食い意地]

  たまご三つ四つ 手にとりて
  泡になるまで かきまぜて
  セドラの甘露 一滴と
  杏の甘汁(あましる) そそげかし

  タルトレットの 焼き鍋に
  フランのねり粉 しきつめて
  すばやくはめこむ 杏の実
  落とすたまごの 泡の水

  さて焼き鍋を 炉にかけて
  こんがり焼くや きつね色
  上々吉の できぐあい
  タルトレットの 杏入り

戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の中の
「詩人無銭飲食軒の場」の「製菓法」の詩。

「タルトレット」ですか。

シラノ・ド・ベルジュラック(1619 ~ 1655)は
大きな鼻を持った
器量の悪い実在のフランス人かな。
詩人で!学者で!
やたら決闘好きの豪傑だったらしい。

死後 350 年経って
エドモン・ロスタン(1868 ~ 1918)が劇化して
1897 年に
パリで初演されてから有名になったようですが。

上記の詩はそのロスタン作の戯曲の中の詩です。

だから!
そのタルトレットは
17 世紀の菓子やら
19 世紀の製法やら
無学なものにはさっぱり分かりませんがね。

そもそもタルトレットとはタルトのことですか。
タルトとタルトレットは別のものですか。



「今度帰ったらタルト買(こ)うてきてあげる」

愛媛県出身の
飲み屋のめし炊きおばちゃんがいいます。

え!?

ああ!
松山の道後温泉の「坊ちゃん湯」を
見に行ったことがあります。
見に行っただけで入浴はしていませんが。

そのときに土産もの店の店頭に
売るほど並べてありましたね!
ま!いわなくても売っていたのですがね。
タルトが!

それはロールケーキみたいな菓子でしたね!

たしかにあれもタルト!
タルトというのかも知れませんが
あのタルトではないタルト!

「あれしかない!」

そうですが!
今はそうではないはなしなんですが。

ところで!いつ帰るのですか。

「弟が死んだら葬式に帰るときぐらいかなぁ」

いつのことやら。
年の離れた弟さんより
ね~ちゃんのあなたの方が先に死ぬでしょうが。



忙しい合い間を縫って(うそついてすみません)
近所にタルトの探査に。

家を出て 5 分も歩かないうちに発見。
昭和町駅(大阪市営地下鉄)前に
洋菓子店がありました。

「ALMOND」!

「アーモンド」ですか!?
いや!カタカナで「アルモンド」とあります。
なに語ですか!どうでもいいことですが。

大勢の職人さんがなにか焼いていました。

“撮ってもいいですか”

「だめです」

タルトがありましたが。
上記の詩の
「あんずの実入り」のはありませんがね。

“写真だけ撮らせて!”
“あ!はいはい!分かりました!だめですよね!”
ケチ!なんだから。
どちらがケチやら!すみません。

「季節タルト」というものを買いましたぞな。
blogアルモンド480円.jpg

480 円税込み。
高いなぁ!
おいしかったけど。

ん!?
これは安価な方ですって?!
まともな(?)タルトは 1,000 円はするそうな。
1 ピースで!

カネつかいのだらしない酒飲みが多いですが
スイーツ好みにも困ったもんですなぁ。
私が困ることもないですが。

日本の庶民は豊かですねぇ。
消費税を 3 倍にして
国民皆兵にしても大丈夫だぁ!

タルトから国家の心配まで
愛国心あふれて(うそついてすみません)
今日も生きています。


(エドモン・ロスタン作/)
(シラノ・ド・ベルジュラックは)
(辰野隆・鈴木信太郎訳を読みました)

(敬称略)
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