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たんぽぽのつぼみは極上?! [お命!いただきます]

多摩川の砂にたんぽぽ咲くころは
われにもおもふひとのあれかし

明治 44 年(1911)若山牧水の歌。

100 年前の歌ですね。
100 年前にも
「たんぽぽ」は「たんぽぽ」ですか!
あたりまえでしょうか。

でも!万葉集には出てこないような。
無学なものがいうのですから
間違っていても!お許しを。

わが姉・なごんちゃん(清少納言)も
枕草子には書いていないような。

「たんぽぽ」の呼称がひんぱんに出るのは
江戸時代になってからだという人が多いとか。

といっても!
江戸時代に突然!この植物が
来朝したとも考えられませんよね。

柳田國男の「蒲公英」の考察には
各地の方言がいっぱい出てきます。
大昔からたくさんあったのでしょう。
でも!どれも語源ははっきりしないようです。

ただ!
千葉県上総地方の「ニガナ」
鹿児島県奄美大島地方の「ニギャナ」は
分かります。
分かるような気がします。

食べたら「苦い」からでしょうね。



「灰汁(あく)でよく茹でて清水に落とす」
「3、4 度水をかえて半日水にさらす」

林春隆著/野菜百珍/にある
たんぽぽの下処理方法。

そんなにも苦味を抜かなきゃ
気がすまないものですかねぇ。

「苦い」といっても
センブリを煎じて飲むほどのこともありますまい。

「たんぽぽには食欲をそそられるゆえ」
散歩のとき「目がゆく」という水上勉は
「にがみがつよいから」
かなり時間をかけて茹でて
数時間水にさらしてアクを抜かねばならないと
精進百撰に書いていますが。

さらに水上は
「和えものにする場合」
「つぼみを極上とする」とも。



つぼみ!ですか。

わが家の食用たんぽぽに
つぼみがはりねずみのように
無茶苦茶上がってきました。
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「食用たんぽぽ」といっていますが
セイヨウタンポポ(dandelion)と瓜ふたつですから
その性は強いのです。

葉を採るために植えているので
つぼみは毎日毎日摘んで捨てていたのですが
「極上」というのなら!食べてみましょう。

しかし!
時間をかけて茹でることには抵抗を感じます。
色だって飛んでしまうでしょう。

高名な先達に逆らうように
2 分ばかり茹でて
流水にさらしたのですが。

その程度のことでも
あんまり苦味が残っていません。

苦味も味の内じゃないんでしょうか。

研究したこともないのですが
たんぽぽに個体差があるのかも。



水に少し浸しておいた切り干し大根をきざみ
梅肉で和えたものと
たんぽぽのつぼみを混ぜて食べます。
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どうして
みなさんムキになって苦味を抜こうとするのか
私には理解できないまま
先日「沢の鶴」でレクチャーされた
「純米酒 旨みそのまま10.5」を飲めば
心身貧しいものにも日本の春はいいものです。

麹(こうじ)を 2 倍も使って
旨味(うまみ)成分たっぷりなのに
アルコール度数は 10.5%におさえたと
沢の鶴社長が自慢していた酒もなかなか。



(敬称略)
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