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嵯峨天皇陵が!あの直指庵が?! [平安京有情]

嵐山・桂川・渡月橋。
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夏のまぶしさはないけど
錦織りなす紅葉の季節でもありません。
それでも朝から
修学旅行のような生徒や
外国人の旅行客が散策しています。

韓国語と中国語が錯綜している橋の上。
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水の透明度が増してきて
カワウが水にもぐっているのが
丸見えになって面白いらしい。
面白いですか。

ちなみに渡月橋の下流は桂川なのに
上流は通称・大堰川(おおいがわ)
でも!そこに保津川下りの舟が着いていますが。
大堰川のさらに上流が通称・保津川かな。
それとも名前がふたつあるのでしょうか。



「通り抜け出来ます」
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はは。
どこかで聞いたことのあるような。

「ぬけられます」は永井荷風かな。
「濹東綺譚」かな。
私娼街・玉の井かな。

今!荷風の「断腸亭日乗」を見ると
玉の井の略図を作っていますね。はは。
荷風はその街を
ラビラント(迷宮)と呼んでいたのです。

漫画家の滝田ゆうのふるさとでもあります。
たまたまあった「銃後の花ちゃん」を開くと
「ちかみち」「ぬけられます」の絵がありました。



ああ!そんな生産性のないことに
人より少ない
脳の計算素子を酷使している場合ではありません。
まじめに(?)歩きましょう。

「通り抜け」には行かず
天龍寺の北端に沿う竹林の道へ。

「御自服コーヒ」?!
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「コーヒ」は「珈琲」「coffee」「Café」なんかの
関西特有の表示。
考えてみれば
「コーヒー」のふたつの「ー」はいらないのでは。
そんな発音していないでしょ!英語は。

「御自服」は茶道の用語?!
茶室と炉があるのやら。

今日は嵯峨天皇陵の方に行くつもり。
でも!嘉智子(かちこ)皇后(檀林皇后)の
陵には行きませんので
この道端の檀林寺跡であいさつしておきます。
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山陰本線を横切れば。
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距離はないけど静かな竹林の中。
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花か実があります。
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なんの花やら。

右は落柿舎。
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左の高い杉があるところに
嵯峨天皇皇女の
有智子(うちこ)内親王が眠っています。

あるとき
嵯峨天皇がいならぶものたちに
「春日山荘」の題を出したところ
17 歳の有智子の漢詩が抜群のできだったそうな。

泉声近報初雷響
せんせい ちかくほうじて しょらいひびき

山色高晴暮雨行
さんしょく たかくはれて ぼうつらなる

なんてね。
「高唐の賦」なんかを
おベンキョーしていたようです。

美人で聡明で薄命です。
永遠の乙女のまま眠っています。



ああ!また余計なことを考えたりして
イケませんなぁ。

西行井戸を見て!二尊院を過ぎたら
鳥居本の
お地蔵さんの並んでいる複雑な分かれ道。
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(逆光です)

東に急ぎますよ。

大覚寺を右に見て
一気に嵯峨天皇陵(嵯峨山上陵)の入り口へ。

上ります。(拙ブログ 2015/10/07
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「登る」という方がいいような。
ま新しい参道が延々とつづきます。

豪雨(2012/07/15)で参道が
全滅したというのは本当だったのですね。
修復に 3 年も要したのですか。

石段を上ること 15 分。
やっと鳥居に着きました。
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「草木の生えるままに」(拙ブログ 2013/10/19)の
遺言に背いて?!
立派な御陵じゃないですか。



松茸山をアップダウンしながら進みます。

松茸山に見えますが
赤松がくたびれていますので
どうでしょう。

京見峠。
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左の菖蒲谷池方面に行く元気は失せて
右にとり
一気に下ります。

あ!?
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直指庵が!
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たいそう立派な門が新築されたりしていて
門前が俗っぽく
昔日の面影もなく様変わりしています。

あの直指庵が!?(拙ブログ 2011/10/12
儲けましたか。(失礼!)



なにか心に風が吹く思いでゆるやかに下れば。
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野菜の自販機。
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おいしそうですが
スーパー帰りのように下げて歩けないでしょう。

大覚寺の拝観料の安い大沢池の方で休憩。
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のどかですが。
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紅葉の季節には
人間が芋の子を洗うようになる畔です。



嵯峨釈迦堂(清凉寺)までもどってきました。

広大な境内に壮大な建造物がありますが
だれも見向きもしない片隅の鳥居のそばで
ススキのひと群れがちぎれるほどに
穂を振っているのがいとしいじゃないですか。
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仁王門の横の「嵯峨豆腐 森嘉」で豆腐を買って
それだけで
ランチ代わりにしようと思っていたのですが
今日は優柔不断!立ち尽くしたまま。
いつも生き急いでいるのに。

今日の「恋」が高い空に吸い込まれて行きます。

ぶたぶたと 肥へていとしや 恋病ひ

心身ともだらしないものの
恋わずらいは見苦しい。はぁ~。



(敬称略)
(「ぶたぶた」の雑俳は)
(享保のころの「くるまみち」より転記)

(追記)
「ぬけられます」は
滝田ゆうの「寺島町奇譚」に
いっぱい描かれていました。
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