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雀のお宿 弘法の井戸 [町道!街道!眠り未だ足らず]

「雀(すずめ)のお宿」だそうです。
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「雀のお宿」といえば
日本育ちならすぐ「舌切り雀」を連想しますが
その昔話とは関係はないようです。

ここ禅昌寺(神戸市須磨区)の「雀のお宿」は
ひょうたん(瓢箪)だそうな。

雀の営巣の手助けに
堂宇にひょうたんを吊り下げているのだそうな。
ひょうたんのお家です。

残念ながら拝見できませんでしたが。



いろんな雀のお宿もあるものです。

柳田國男の考察によると
「舌切り雀」の類型の昔話は少ないとか。
原型をたどって行くと
「桃太郎」に近くなって行くとか。

たとえば
徳島県那賀郡には
流れてきた瓜から雀が出てきて
その雀が舌切り雀になるという伝承があるそうな。

また!猿蟹合戦にも近づくとか。

陸中の老媼夜譚には
山姥(やまんば)に親を食われた雀が
稲穂を拾い集めて団子を作ります。
栃の実と針と牛糞と臼が
団子をもらって助太刀に加わり
現代いわれている猿蟹合戦と同様に
みんなで手分けして山姥を殺すというもの。

現代の昔話は根がいっしょなのか
どこかでつながっているのか
日本人の歴史も長いもんじゃのぉ。



なにやら工事中のように騒いでいましたが
ハクビシンかアライグマか知りませんが
棲みついているのを排除していたようです。

大変です。
外来種を持ち込む輩に甘い国ですね。

古刹ですので訪れて
詩歌に残した人も多いのでしょうね。

「濃うすき もみぢはいづれ 寺の塵」
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露城という人の句。
浅学にして全然知らない人ですが。
句意は昔から巷間いわれていることで
斬新で面白いものでもないのですが
ここは知る人ぞ知る!
知らない人は知らない!紅葉の名所だそうですよ。

山門は左甚五郎作だとか。
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北に向かえば
那須与市(与一)の墓所がありました。
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源平の屋島の戦いで
扇の的を射たという伝説の人。

京都をはじめ各地にある与市の墓地ですが
ここは墓石が寺院と見紛(みまご)う
立派な堂宇に祀(まつ)られていました。
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参詣していたら
「老後にシモの世話にならない」といわれて
近隣の信仰を集めていました。

さらに北上すると妙法寺。
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地下鉄の駅名にもなっている古い寺院。

平清盛が福原に遷都したときの
鎮守の地らしい。



妙法寺の近くに「弘法の井戸」という
湧き出る清水がありました。
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この地は飲み水が少なく苦労していたそうな。

あるとき!みすぼらしい旅の僧がやってきて
のどをからして水を所望すると
村人は乏しい飲み水なのにあげたのですね。

その僧は実は弘法大師で
お礼に杖で突くと乾いた大地から
清水が湧き上がったそうな。

それがこれ!?

しかし!
のどが渇いていたのなら
乏しい水をくれといわないで
初めから杖で水を出したらいいのじゃないの?!

人を試すようなことをしてはいけません!
弘法大師ともあろうエラい人が。

幼稚園のころは般若心経をそらんじていて
(今はまったく忘れましたが)
祖母の横で正座して
ご先祖に唱えていたエラい(!)私は
悲しくなります。



(敬称略)
(柳田國男著/桃太郎の誕生/を読みました)
タグ:柳田國男
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