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私の酒池肉林 [お命!いただきます]

左は
奈良県桜井市の西内酒造の清酒の
「談山(たんざん)貴醸酒」です。
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右は
奈良市の向出商店の醤油の
「甘露 宝扇」です。

共通点があります。

そのひとつはどちらも 300ml 瓶入りで
高価なこと。はは。

「談山(たんざん)貴醸酒」は 1,150 円。
「甘露 宝扇」は 472 円。

またひとつは原料に「水」を使っていないこと。

仕込み水の代わりに
「談山(たんざん)貴醸酒」は清酒。
「甘露 宝扇」は醤油。

清酒で清酒を作り
醤油で醤油を作っていたのです。
ぜいたくです。



「ぜいたく」といえば
「酒池肉林」という単語がすぐ思いつく
教養と余裕のない人生ですが。

先日深夜に場末の安居酒屋に寄りました。

「酒池肉林だぁ~!」と叫んでいた
初老の酔っぱらいがいましたね。
無数の全裸の美女を林立させて
酒の池で湯浴みをするのが
かれの「酒池肉林」らしい。

横にいた酒癖と男癖の悪さと
おしゃべりのやかましさは人後に落ちない
たぶん還暦は遠(とお)に過ぎている女性が
なん百本もの男性のシンボルを林立させるのが
「肉林やぁ~!見たいよ~!」と
呼応していましたが。

「帰りなさい!早く!」
幻覚が出ていますよ!みなさん。

「あんたも帰ってくれる!」
「あんたはもっと過激なことをいいそう」
「もう閉めるよ~!」

居酒屋のおやじが
ほめて(?)くれるじゃないですか。失礼な。



「酒池肉林」の
「酒池」は酒の池に間違いなさそうですが
「肉林」は肉体ではなく「肉」です!食べる肉!

殷(いん)最後(BC1100 ?)の王の紂(ちゅう)が
なんでもかんでも量を喜んだのですね。

庭園の大きな池を酒で満たし
園樹に無数の干し肉をぶら下げて
美女の妲己(だっき)におぼれて過ごしたようです。

池の周囲で
大勢の裸の若い男女に淫らなことをさせて
喜んでいたともいいますから
居酒屋の老人たちの発想と
似ているところも多少あるのかな。



後漢末から東晋までのうわさばなしを集めた
「世説新語(せせつしんご)」に
王愷(おうがい)という人は
大切な糒(ほしいい)を
薪(まき)代わりに燃料にしたといいます。

石崇(せきすう)は
高価な蝋燭(ろうそく)でごはんを炊いたとか。

王済(おうさい)は
人間の母乳で豚を育てたとか。

みなさん!他人の思いつかないことをして!
しかも今流のことばで置換すれば
コスパ(cost performance)が
どえらい悪いということを
自慢していたようです。

ぜいたくですなぁ!

よく考えたら
ぜいたくかどうか分からなくなりますが
できあがったものは
おいしいのでしょうか。

微妙な味の違いがあるのでしょうか。
あったとしても
見分ける研ぎすまされた舌が
あったのでしょうか。



ぜいたくな醤油をなめてみたいのですが
組み合わせる適当なものがありません。

大袋で投げ売りしていた
バウムクーヘンならあります。
失敗したものらしい。
貧しいものには
どこが失敗かまったく分かりませんが。

それに高い醤油をつけて
酒の肴として!いただきます。
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再仕込み清酒をちびりちびり。

ぜいたくですねぇ。
こんなもんです!自慢できるぜいたくは。



ふと
1 万円札でごはんを炊いたらどうなんだろ!
なんておばかなことを思いつきました。

日本の紙幣は上等な紙質ですので
柔らかいけど!しっかりした炎で
おいしいのじゃないでしょうか。
飯盒(はんごう)の 2 合の米なら
なん枚の札が必要なんでしょう。

深山の渓谷で
集めてきた紙幣は山とあるのに
マネーロンダリングに失敗して
食料も満足に買えず
紙幣を燃やしながら
飯盒でごはんを炊く自分を
想像してしまいました。

ぜいたくかどうか。

ああ!幻覚が出てきました。
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