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三田のふるさと桜づつみ回廊を行く [野道!山道!恋はけもの道!]

兵庫県には
「ふるさと桜づつみ回廊」という
壮大な構想があるそうな。

河川沿いに桜を植えて
瀬戸内海から日本海まで
桜花で結びたいのだそうな。
それでですか!
武庫川の堤には桜があるのは。

三田市のJR広野駅で下車。
駅のそばに武庫川があります。
ここからさかのぼってみます。

手前は相野川ですが!
見えますね!武庫川の桜の堤。
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あまり歩く人もいないのか
靴底のクッションが心地いい堤の小道。
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両岸ともに桜が植樹されているところも。
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ほとんどソメイヨシノ(染井吉野)ですね。
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ソメイヨシノがみんなクローンだとしたら
一斉に咲いて!一斉に散りやすいので
変にまとまりのいい日本人好みなのでしょうか。



ソメイヨシノが作出されていなかった時代には
どんな桜を愛(め)でていたのでしょう。

寺門静軒著/
江戸繁昌記/竹谷長二郎訳/を見ると
墨水(隅田川)の桜花はみな八重
上野はすべて一重である!そうな。

墨水の花は吉原の娼婦に似
上野の花は深川の娼婦に似ている!そうな。

なんのことやら。

また!上野の桜花は
芳町の陰間(かげま)に似ている!とも。

とすると
墨水が女性的で
上野が男性的なのでしょうか。
ともいえませんか。
芳町の陰間は男女どちらの客にも
体を提供していたのでしたかしら。
ガッコーで習ったのかも知れませんが
まったく忘れています。

しかし!
他にたとえようがなかったのでしょうかねぇ。

寺門静軒(1796 ~ 1868)が記述したころ
つまり江戸時代の終わりには
墨水が上野をしのぎ
花見どきには
侍から町民まで階級を越えて押し寄せ
大混乱していたようです。

八重咲きが一重咲きに勝ったということ?!

というより
「花よりだんご」の風潮を
嘆いたりしていますけどね。



ともかく
どこでどうなったのか
今は一重のソメイヨシノの天下。
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このあたりに「お鶴渕」があったそうな。
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働きものだったお鶴は
病弱の父親のために
シジミを採りにきて渕に落ちて死んだのです。

江戸では男娼だのなんだのいっていますが
山国のはなしは純朴です。
そして!
親孝行な娘は器量もいいことになっています。

この日の川沿いでは
シロバナタンポポによく出会いました。
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お鶴の化身のように清楚です。

飽きるほどの桜花。
でも!春は他の花も咲かせているのです。

畑はアブラナ科の花盛り。
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山裾にはミツバツツジかな。
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フキノトウは呆けたけど
追いかけて出てきた
フキの葉を摘もうとしたのですが
あまりにも可愛いですね。
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ショウジョウバカマの花の方が大きい。



15、6km 歩いたでしょうか。
大変な距離を歩いたのですが
「ふるさと桜づつみ回廊」のほんの一部。
この調子なら瀬戸内海から日本海に抜けるには
10 日以上かかりそうです。

きりがありません!
同じような景色がつづきます。
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歩きやすいのですが
なんにもありませんでした。
コンビニも自販機も。

のどがかわいても
武庫川の水しかありません。

日ごろ!
なんにもないのがいいといっておきながら
なんにもなかったら不安がるとは
なんという脆弱(ぜいじゃく)な精神でしょう。

JR藍本駅が見えて!やれやれ。

酒滴(さかたれ)神社だそうな。
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霊窟から酒が出ていたのですね。
いい時代があったのですね。

門前に旧街道があります。
このあたりが摂丹路の要衝
藍本庄という宿場跡ですか。
往時には行き交う人で
24 時間!にぎやかだったそうです。

娼婦や男娼もいたことでしょう。



(敬称略)
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