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なめくじ長屋 [手のひらを太陽に]

きゃっ!
3cm ほどの「なめくじ(蛞蝓)」が!
夜中の乾いたベランダに!

どうして!?

昨年 1 年かけて
薬やトラップをしかけて
駆除に努めたのです。

1 匹も獲れなくなったので
絶滅したものと思っていたのですが。

ペットボトルを中ほどから半分に切り
ビールを 2.5cm ほど入れて
クサソテツの株元に 1 晩放置してみます。

げ!
6 匹のなめくじが溺死しています!
2cm ほどの比較的小さな個体ばかりですが。

えらいことですね!
たくさん棲息しているのでは!?
銀色のはい跡も食害されたような草木も
見あたらないのですが。

手あたり次第
空き缶やペットボトルをはさみで切って
捕獲器(!)を作成。
blogなめくじ.jpg

ビールを入れます。
ビールは高価で!飲みたいので!
韓国産の発泡酒(350ml 税抜 75 円)を
買ってきましたが。はは。

その晩で 32 匹獲れました。

しかし!その翌晩から
10 匹も獲れない日がつづきました。
飲み逃げされているのかも。
それに獲れる個体が
1 ~ 2cm の幼稚園児ばかりだし。

夜中に懐中電灯で確認すると
たしかに容器の縁になん匹か出てきていますが
いつ落ちるのか不明です。



わが家は
なめくじ長屋になってしまったのでしょうか。

なめくじ長屋といえば
古今亭志ん生(1890 ~ 1973)を思い出します。

古今亭志ん生著/びんぼう自慢/によると
家賃がただの家に住んでいたころ
壁が銀色にかがやいていたそうな。

5 寸くらい。
かかとをかまれた。
十能(じゅうのう)ですくっては捨てに行く。
夜!歌を歌うように鳴く。

ホントでしょうか。
にわかに信じられませんが。
それくらいたくさんいたということでしょう。

まだ!わが家はそこまで行きませんが。
5 寸というのはともかく
大きな個体が捕まりません。
やっぱり!ビールを飲み逃げして
どこかで歌を歌っているのでしょうか。



なめくじが鳴いていましたね。
台湾で。
太平洋戦争の前のことらしいけど。

高砂族(差別用語でしたらごめんなさい)の
村でのこと。
夜の森でテンテンテンと鳴く声。

あ!かたつむりでしたね。
(桜栄寿三著/蝸牛の鳴く山)

かたつむりもなめくじも
よく似たような生態でしょうけど。

台湾のかたつむりは鳴くのですから
日本のなめくじが歌っても許してあげましょう。



柳田國男著/蝸牛考/によると
蝸牛(かぎゅう)の方言は 250 もあります。

蜘蛛(くも)も土竜(もぐら)も竹も松も
なまりで変化しているものはあっても
方言はほとんどないとも書かれています。

なぜ!蝸牛だけこんなにあるのでしょう。

だいたいのグループ分けはできるらしい。

京都を中心に同心円を描けば
真ん中がデデムシのグループ!
つぎの円がマイマイ!
その外側がカタツムリ!
さらに外がツブリ!
一番外がナメクジ!

なめくじ!なんですね。
かたつむりもなめくじなんですね。
同心円を日本地図に置けば
東北地方の北部と
九州の西部がなめくじ圏!
端っこと端っこ!
ふしぎな分布ですね。

思いつきでいいますが
都から遠くに行くほど
古語が残っているのでは。

大昔はかたつむりもなめくじも
区別しなくてよかったのでしょう。

蝸牛考は昭和の初期の記録ですけどね。



地球の生物がすべて死に絶えて
宇宙単位のときが流れて
生命が新しく誕生します。

やがて進化の果て
なめくじが万物の霊長として
君臨するようになるのは
手塚治虫著/火の鳥 未来編/ですが。

なめくじはともかく
なん人かの未来学者は
将来の地球征服者は
軟体動物だと想定していますね。

そのころになると
愚かな人間たちは
なめくじの策略で
ビールの匂いに引き寄せられて
溺死(できし)させられるのかも。



深夜の仕事が増えました。

溺死するのを待たずに
ビールに寄ってきたなめくじを
つまんで捕獲しています。

毎日 10 匹以上死刑にしていますが
全然いなくなりませんね。

猫の額のようなベランダに!
いったい!なん匹棲んでいるのやら。ああ。



(敬称略)
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