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山を越えて月化粧の工場へ [工場見学]

ゆえあって酒を断っているお大尽から
「月化粧」の工場見学のお誘い。

「月化粧」とは
青木松風庵が製造している
本名「みるく饅頭 月化粧」という和菓子。

私は大酒飲みという風評が立っていますから
「饅頭(まんじゅう)は怖(こわ)い」
ということになっているのに。

もっとも私の「怖い」は落語の
「饅頭怖い」の「怖い」ですかも。

落語の「饅頭怖い」は
饅頭嫌いなヤツをこらしめてやろうと
みんなが身銭を切って
いろんな饅頭を投げ込みますが!?

「怖い」といっていた輩
実は饅頭大好きだったのですね。

この噺(はなし)
文化年間(1804 ~ 1818)に創作された
古典落語だそうですが
明の末期の馮夢竜(1574 ~ 1646)が編集した
「笑府」にありますけどね。

落語のサゲ(オチ)は
「もう怖いものはないか?!」
「今はお茶が怖い」
というところもそっくりですが。(松枝茂夫訳)



といっても
饅頭は違うでしょうね!
明後期の饅頭と江戸後期の饅頭は。

大陸のは饅頭(まんとう)!
獣肉なんかで作ったあんでしょうね。

日本の饅頭(まんじゅう)は
浙江省から貞和 5 年(1349)に来朝した
林浄因が仏教徒・日本に合わせて
小豆なんかで甘いあんを創案したことに
なっていますね。(拙ブログ 2016/04/20

江戸後期になると
砂糖も豊富に出回るようになったのか
式亭三馬(1776 ~ 1822)の浮世床には
種々の甘い菓子が天秤棒で担いで売られています。
饅頭だけでも
最中饅頭!葛饅頭!中華饅頭!薄雪饅頭!

それでも丁稚は
文字通り垂涎(すいぜん)の的だったようで
上方落語の
「悋気の独楽(りんきのこま)」の定吉は
薯蕷(じょうよ)饅頭 1 個の
ワナに落ちています。

大陸には
まったく甘い饅頭がないという訳でもなく
愛新覚羅浩著/食在宮廷/によると
飽子(ぱおつ)の中の三角には
甘いあんのものが多いとか。

もっとも清朝の食卓は
異境・辺境の食べものを
どんどん取り入れる風潮がありますから
純粋な大陸料理かどうかは分かりませんが。



大阪府の南の端の岬町の山の中に
多奈川地区多目的公園
愛称「いきいきパークみさき」があります。

関西国際空港二期事業で山が消えました。
山を根こそぎ売って
大儲けしたヤツがいるのです。
すごいですね!

跡地がぽっかり。
128haなんにもありません。
それが「いきいきパークみさき」です。
1 ヘクタールって 100m かける 100m でしたか?!
128ha といえばそれが 128 個!?
まぁ広い。

なんにもないというのは訂正します。
青木松風庵の工場だけはあります。
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たぶん!大阪府と岬町は
ここで大きな商売をするつもりだったのでしょう。
青木松風庵だけでしょうか!招致に呼応したのは。
ホントのことは知りませんが。



月化粧が焼かれています。
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先日「カステラ銀装」(拙ブログ 2016/05/26)で
工場内の人が多いと思いましたが
ここも働いている人が少なくないですね。
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焼き立てをいただきました。
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バターと練乳で練った白あんがはいっています。

お土産に 2 個入りの箱をいただきました。
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ひと山越えて歩いてきたので
ひと山越えて歩いて帰りますよ。
バスもなにもありませんから。

従業員の人は
全員マイカー通勤だといっていましたが。



(敬称略)
タグ:愛新覚羅浩
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