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愛染さんじゃ!べっぴんさんじゃ! [わが街・大阪ブギウギ]

愛染坂(あいぜんざか)を西から東に上ります。
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大阪市の背骨の上町台地が南北に走っています。
その西側は大昔には
断崖の海だったのでしょうから
東に向かう道はみんな上り坂になっています。

坂の南側は私学の敷地です。
その塀に「浮瀬(うかむせ)亭」の
説明板が掲げられていました。
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「浮瀬(うかむせ)亭」は
松尾芭蕉が最期にした句会の料亭。
今はもちろんないですが。
校庭になっているのかな。

愛染坂を上ったところが
「夕陽岡(ゆうひがおか)」の碑のある大江神社。
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今日(2016/06/30)は
「人形(ひとがた)ご祈祷」
「茅の輪(ちのわ)くぐり」の日。



大江神社の隣が勝鬘院(しょうまんいん)
愛称「愛染さん」
四天王寺の支院です。

夏祭り(6/30 ~ 7/2)が始まります。
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昼過ぎの境内は準備に大わらわ。

大阪市内で最古の建造物という多宝塔で
「夏越しの祓え大法要」が催行されます。
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境内に大音量で
大昔(昭和 13 年)の流行歌
「旅の夜風」が流れていました。

松竹映画の「愛染かつら」の主題歌でしょうか。

境内の桂(かつら)の大木に
ノウゼンカズラが巻きついています。
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これを
「愛染かつら」と呼んでいるようなんですが。

そもそも川口松太郎は
信州の別所温泉の桂の木を
勝手に「愛染かつら」と命名して
小説を書いたのですよね。

その小説に大阪は出てこないのじゃないかな。

それにこの境内の木のように
「愛染」の「かつら」の「かずら」、、、
ではないような。

ということで「旅の夜風」というのはどうも、、、。



ともかく大阪の夏祭りが始まりました。
トップバッターの「愛染まつり」は
1,400 年の歴史があるらしい。
すごいんです。

頑張ってくだせぇ。
私は帰って仕事をします。
仕事がなくても
世間体があるので忙しいふりをしなければ。

愛染坂を上がってきて勝鬘院を過ぎたところの
和菓子の「天王寺 源氏堂」に
「口縄坂(くちなわざか)」という
菓子がありました。

愛染坂で「口縄坂」というのも。
「愛染坂」というのはないんですか?!
ないそうです。

最中(もなか)だそうですが
あんこが「口縄=ヘビ」の格好しているのかな。
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フツーの最中でした。
口縄の形も味もありません。
もっとも口縄の味を知りませんが。
ひとつ税込み 145 円。



上町台地の尾根にあたる谷町筋を
南にひと駅歩きます。
歩きたくもないけど電車賃の節約です。

「てんしば」の前あたりがにぎやかです。
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「愛染まつり」の
「宝恵駕籠(ほえかご)」のパレードですね。
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今里新地の芸妓が駕籠に乗って参詣したのが
嚆矢(こうし)だとも聞きましたが
現代は一般公募の
「愛染娘」が乗っているようです。

あべのキューズモールの 3 階のスカイコートから
JR天王寺駅のコンコースに降りて
さらに「あべちか」にもぐり
「てんしば」の前の地上に出てきたのですね。

大きなかけ声の合唱が聞こえます。

あいぜんさんじゃ!

      ほ~えかご!

べっぴんさんじゃ!

      ほ~えかご!

しょうばいはんじょう!

      ほ~えかご!

大阪というところは
面白いところですね。

なんとなく笑えます。

緊張感がない、、、というか
緊張感がほぐれる、、、といえばいいのか
よくそれで駕籠をかつげますね。

私なら力が抜けて愛染娘を落としてしまいそう。



雨が降ってきました。
梅雨期ですので
この祭りと雨はつきものみたいです。

雨にあったカップルは必ず結ばれるそうですよ。

よっし!結ばれるぞ~!

といってもカップルじゃなかったですね。

ここから勝鬘院までは一直線。
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行列はにぎやかに北上して行きました。



(敬称略)
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