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フラワーショウ!厚化粧のない庭! [活動写真]

友人はいません。はは。
皆無ですので
でんわやケータイが鳴ることはまれです。
たまにかかってきても儲けばなしにはほど遠く
インチキくさい「セールス」か間違いでんわ。

ケータイは 24 時間電源を入れているのですが
ごくたまに切っています。
映画鑑賞のときなんかです。

そんなときにかぎって
でんわやメールが集中したり!
ままにならない世です。

“ 映画を観ていたのですよ!”

「エロ?グロ?ウラもの?!」

失礼な。

「なんていう映画?!」

みんな聞きたがりますね。

“ フラワーショウ!”

隠してもいいのですが答えると。

「ようこそ~ みなさま~ ごきげんよろしゅう~」

「道頓堀行進曲」の替え歌を歌ってきます。

“ それは!今は亡き浪曲漫才トリオの ”
“ フラワーショウ(のテーマソング)じゃないの!”

大阪の人は「漫才」が思考の先に出ますか。

ちなみに
映画の「フラワーショウ!」には「!」つき
「漫才」にはついていません。



夏も終わってやっと
映画「フラワーショウ!」を鑑賞しました。
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もっと早く行くつもりでしたが。

2014 年アイルランド制作。
実話を元にした脚本らしい。

世界最古!最高峰といわれている
エリザベス女王が総裁の
英国王立園芸協会が主催する花の祭典
「チェルシー・フラワーショー」にいどんだ
アイルランドの田舎娘・メアリーの物語。

いくつかの部門があるらしいのですが。

世界の著名な権威ある園芸家が
最先端のデザインで庭園造りを競う部門に
500 種の「雑草」と
アイルランドのサンザシの木だけで
挑戦したのだそうな。

お化粧した庭園はいらないというコンセプトです。



初茸(はつたけ)の時候には
林を縁とる萩(はぎ)薄穂(すすきほ)に出で
女郎花(おみなえし)苅萱(かるかや)
林中に乱れて
自然に此処(ここ)に七草の園を作れり。

徳冨蘆花(とくとみろか 1868 ~ 1927)の
エッセイ・雑木林の部分。

蘆花は自然が好きで
人工の庭より
雑木や雑草が好きだったようです。

とはいうものの
草木に「雑草」も「雑木」もないのでは!?
草木に階級をつけて分類するとは
人間の業のあさましさ。

1 木 1 草みな美しいはず。

「自然」はその美しき創造物(つくりもの)に
わが心に流るる人間の魂を結びつけたり
さても人間の作りし人間の態(さま)を思い
わが心は深き愁(うれい)に沈む

田園詩人の
ワーズワース(1770 ~ 1850)の深い愁い。



権威主義がはびこるのは
「チェルシー・フラワーショー」だけではありません。

日本には芸術でも科学でも徒弟制度がありました。
今もあるのかな。
東京五輪のエンブレム騒動とか。

弟子(?)の作品を自分の発案とするデザイナー。
弟子(?)に書かかせていた脚本家。
弟子(?)の研究成果を横取りする科学者。
枚挙にいとまがありません。

ルーマニアの独裁政治家の妻の
エレナ・チャウシェスク(1916 ~ 1989)なんて
水の分子式も理解できないのに
ルーマニアの科学論文には
共著とする決まりだったので
世界の科学者といわれていましたね。

日本だって
有名なデザイナーやら写真家やら、、、
ゲージツ家の多くは
政治家や成金らと仲がよろしい。

アイルランド娘は
デザイン泥棒や
金持ちの売名行為にはさまれて奮闘します。

権威といえば隣の区画で
チャールズ皇太子が作庭しています。

皇太子とは大変な存在でしょうけど
アイルランド娘にはイングランドの皇太子は
他国(?)のエラい人なのでしょう!
気軽に口をきいているのが面白い。



私もヴェルサイユ宮殿の庭のような庭園には
「自然」を感じられず
親しみが湧かないんですが。

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(服部緑地)

庭といえば
池泉回遊式の日本庭園が面白いと思うのですが。

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(栗林公園)

しかし!この作庭の仕方も
そんなに古いものではないような。

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(京都御所)


夢窓国師(1275 ~ 1351)のころからでしょうか。

遠い日の飛鳥の遺跡なんかはいかにも人工ぽい
幾何学模様ですけどね。

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(亀形石造物)

よく考えたら
池泉回遊式庭園も自然の雑木林じゃないですね。



公園は厚化粧の自然だとか。
ま!にせものの自然ですね。

雑木林の公園にはできないものでしょうか。

シカでもタヌキでもオオカミでも棲める公園が
都会の真ん中にあれば私は愉快に思いますが。

アイルランド娘は金メダルを獲得しました。

よかったですね。
でも!
それで!世界の庭園が変わったのでしょうか。



ヤンキー娘(たぶん?)の
エマ・グリーンウェルが
アイルランド娘を好演していました。
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ぶさ可愛い、、、あ!いや
素朴な愛らしさを演じていました。




(ワーズワースの詩は)
(田部重治選訳/ワーズワース詩集/参照)
(敬称略)
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