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ベッドで恩賜のたばこを吸わないで [不謹慎ですが、、、]

清歌宛轉動梁塵

現出凌波湘水神

偸與情郎送星眼

却吹煙管付他人

秋田藩の家老の
匹田松塘(1779 ~ 1833)という文化人が作った
「竹枝詞三十首」の中のひとつ。

「竹枝」というのは不勉強で知りませんが
男女の愛欲を詠った
卑猥な漢詩をそう呼ぶのでしょうか。
卑猥かどうかは個人の主観によりますがね。

私は漢詩も愛欲もよく理解できませんが
水もしたたるいい女(水神?)が
愛人(情郎?)を意識(星眼?)しながら
わざと他の男のたばこに火をつけているらしい。

この「竹枝詞三十首」には
この後!濃厚なベッドシーンの詩がつづきます。
ベッドシーンを漢詩で表すなんて!?
鑑賞眼はさらさらないですが
なかなかの傑作です。
傑作だとシロートは思います。

こういう漢詩を教科書に取りあげてほしいもの。
そうすれば劣等生ががぜん!やる気を起こしそう。

それはともかく
煙管(きせる)が出てくる漢詩です。
江戸時代には老若男女!
だれもかれも喫煙していたのですね。



ベッドとたばこといえば
江戸時代ではないですが私にとっての大昔
アンニュイな空気の中
くたびれた顔のゲイのおね~さんが
昼なお暗いビルの谷間で
「ベッドで煙草を吸わないで」を
口ずさんでいたのをふと思い出しましたが。

その流行歌がリリースしたのは
ちょうど 50 年前。
昭和 20 年 30 年代の映画を見ると
だれもかれも喫煙していますね。

たばこが小道具化していますね。
ヒーローやちんぴらの男はもとより
令嬢もキャリアウーマンもみんな吸っていますね。



流行歌といえば

恩賜(おんし)のたばこを いただきて 
あすは死ぬぞと 決めた夜は

すごい歌がありますな。

昭和の初めごろ
戦意高揚のために作られたのでしょうね!
「空の勇士」という歌だそうですが。

「恩賜(おんし)のたばこ」とは
天皇から下賜(かし)されたたばこですかね。

「恩賜のたばこ」がありがたかった時代。

40 を越える持病のため
体と心が思うように動かなかった大正天皇は
「たばこをやろう」を連発されていたそうな。

ありがたいことです。
ありがたがるのがフツーの国民です。



昭和以降の方の喫煙は知りませんが
昔から皇族方は大のたばこ好きだったようです。

タレント出身の元参議院議員が
宮中の晩さん会なんかに出席したときに
テーブルの上の菊のご紋入りのたばこを
ごっそり取って(盗って?)きたといっていましたが。

そのたばこがそうでしょうか。

数合わせのために
暇な(?)議員に召集がかかるのだそうな。

はるか向こうの方では
なごやかに式次第通りに進行していても
末席の方にはだれも注目しないらしい。
それで「にぎやかし」に呼ばれた議員たちは
傍若無人に食べて!高い酒を飲んで!
テーブルの上の小物をごっそりつかんで
早々に帰ってきていたとか。

飲み残しのワインでもなんでも入れるための
袋を用意してくる強者もいたそうな。

今の時代にはそのマーク(!)入りのたばこが
あるのかどうか知りませんが。



落語では扇子でキセルを吸うしぐさが欠かせませんが。

宇井無愁が上方落語の演題を
1,000 ばかり記述していますが
その中にある演題が「たばこ」は案外少なく
「煙草道成寺」「煙草の印紙」
「莨(たばこ)の火」のみっつだけ。

「莨(たばこ)の火」は分かりますが
あとのふたつはどんな噺(はなし)でしたのやら。

「煙草道成寺」は東京落語の「煙草好き」の
別バージョンらしいのですが。

キセルを使うことも
だいたい!
喫煙することもなくなってきている昨今
こんな噺をするときには
前もって説明がいることになりかねませんかね。



落語の上演ばかりではなく
最近(2016/10/26)!
自民党の受動喫煙防止議員連盟という
長い名前の連中が
「たばこ 1 箱 1,000 円以上に引き上げを」と
叫んでいたようなんですが
そんな中途半端な!

いっそ喫煙廃止運動にしたらいいのでは?!
中毒患者だけ医師の処方箋を持参して
薬局で買ったらいいのでは。

場末の居酒屋なんかでは
喫煙者たちが
「オレたちはたくさんの税金を払っている」と
威張ったりしていますが
それで病気になられたり
それで他人に病気を起こさせたりしたら
医療費はだれが負担するの?!

健康保険料は日ごろ不健康な人からは
たくさん徴収すべきです。10 倍くらい。

喫煙者!
大酒飲み!(あ!これ私に該当するかも)
標準体重から離れているもの!(あ!これも)
なんかの人の健康保険料を上げましょう。

なんか!天にツバする結果になりそう。



そんな時代に!
blogたばこ&かふえ.jpg

「たばこ&かふえ」ですか!

偶然!出会いました。
北の遠くに駒川商店街
西の遠くに長居公園があったようなあたり。

ぼ~っと立っていたら
買い求めにくる人がたくさんいました。

たばこや葉巻が
大阪市東住吉区一の品揃えだそうな。
入店して喫茶する勇気は湧きませんでしたが。



(中村真一郎著/江戸漢詩)
(宇井無愁著/落語の系譜/参照)
(敬称略)
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