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いも雑炊は味噌味 [いも!たこ!なんきん!]

看板行燈(あんどん)に
江戸では「八里半」
京坂では「十三里」と書いていると
喜多川守貞(1810 ~ ??)が
指摘しています。

「さつまいも」のことです。

江戸では焼き芋!
京坂(ま!主に大坂のことでしょうけど)では
だいたい蒸し芋をひさいでいたようですが。

「栗」より少し劣るから
「九里」より「半里」少ない「八里半」です。

「栗」「より」うまいからか(まずいからか)
「九里」「四里」合わせて「十三里」ということ。



「さつまいも」は
江戸時代後半には
かなり一般的になっていたのでしょうか。

やせ地でも水の便が悪いところでも
日照さえあれば育ちますからね。

いや!そんな場所ではないといけないのでしょう。

大昔!多肥・多水!
乾燥防止に腐心して育てたさつまいもは
根が根のまま!
まったく肥大していなかった経験があります。

近所の畑に比べて
なん倍もの大きな葉と葉柄!
みごとなものでしたが。

その年には
葉柄(いわゆる“つる”)ばかり食べましたけどね。

他人には放任栽培を推奨していたのに
どうして!そんなことをしてしまったのやら。



明治の終わりごろの
「いも一切料理法」に
「いも雑炊」なる料理が紹介されています。

「さつまいも」の「雑炊」!
なんら不思議な食べものでもないとも思いますが。

「雑炊」を考えたら大変!
「雑炊」「おじや」「粥(かゆ)」の違いも
定義も分かりません。(拙ブログ 2012/09/19

喜多村筠庭(1783 ~ 1856)は
味噌味の「みそうづ」が
雑炊だと書き記していました。

前述の喜多川守貞も
粥にいろんな野菜を入れて
味噌味をつけたものが雑炊と
書いていましたね。

先代・林家正蔵(彦六 1895 ~ 1982)は
残りものの味噌汁と
残りごはんだけで作ったものが
「おじや」といっていますが。

「雑炊」も「おじや」も
味噌味でなければいけませんか。
私が今住んでいる大阪では
雑炊に味噌味は少ないのですがね。



あ!
「いも一切料理法」の
「いも雑炊」のはなしをしていたのでしたね。

この料理は生米を炊いて!またはごはんに
すりおろした生のさつまいもを入れて加熱し
青菜を加えて
味噌で調味するというもの。

味噌の代わりに焼き塩でしてもいいとか。

まだ!小鯵(こあじ)の煮干しがありました。
これを半日水に浸けておいて!だしを取ります。

さいころに切ったさつまいもを煮て
冷やごはんを入れて煮立てます。

青菜がないので
ネギ(ねぶか)をぶつぶつ切って加え
味噌の香りが消えるかも知れませんが
ここで味噌を入れました。

さつまいもをすりおろしながら入れれば
すぐにねばって焦げつきそうになったので
火から降ろしましたが。
blog芋雑炊.jpg

レシピとは違うかも!はは。
おいしいですけどね。

横の惣菜は
だしを取った後の小鯵を少しの水で煮て
砂糖と味噌で調味したものです。



(喜多川守貞著/近世風俗史/宇佐美英機校訂/)
(藤村棟太郎著/いも一切料理法/参照)
(敬称略)
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