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お花見だ!酒だ!肉だ!長居公園だ! [小市民ぼうちぎり]

お天気が猫の目のように変化する日に
場末の居酒屋の「お花見」のお誘いが
ふたつ重なりましたが。

ひとつは客として
もうひとつは段取りの片棒をかつげというもの。

どちらもイヤですけどね!
人見知りのすごく強い性格ですから。
他に頼む人がいないとウソ泣きするので
「片棒」のほうへ行きましたけどね。

長居公園(大阪市東住吉区)の「おもいでの森」
お花見の季節だけ
バーベキューができるのです。

前日からの場所取りは禁止というのに
深夜の雨の中
樹間にロープを渡している連中がいます。

私は特大のブルーシートを 4 枚敷きましたが。
ロープもシートも
おなじ罪だと思う人もいるでしょうけど
ロープは夜中に歩く人が
(あんまりいないでしょうけど)
引っかかって危ないのです。

シートの 4 隅に
500cc 29 円の
ミネラルウォーターのボトルを置いて
飛ばないようにして帰りました。

酔っぱらった花見客が飲んだりするから
安全な水を 1 箱買ってきたのです。

結果!ひと眠りしてから行けば
「水」は残っていたのですが
シートは 1 枚盗まれていました。

早朝にシャワーのような雨に打たれて
泣きたくなりました。

それでも 9 時過ぎたら雨がやみ
ハイキング仲間のアラフォー(around 40)の
おね~さんがやってきて
濡れたシートをふいてくれたので心が安らぎました。

最近!女っぽいことが
似合うようになってきたおね~さんです。
なにか妖しいことをしているのかも。

四つんばいで突き出している特大のヒップが
別個の生きもののように動いてなまめかしい。
新妻の働きもののお尻(どんなのだ?!)に見えます。
ヒップだけでもお嫁に行けますな。
あ!ほめていっているんですよ。



満開ですね。
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ソメイヨシノ(染井吉野)ですね。

桜といえばソメイヨシノですね。
南北の端はともかく
日本列島全部
桜といえばソメイヨシノでしょうか。

しかし!
作出されてから 100 年ばかりの樹木が
どうしてこうもてはやされるのでしょう。

たしかに幼木でも花を咲かせるし
古木でも
つぼみをつけないということはありません。

しかし!寿命はどうなんでしょう。
早く老けてしまうような。
親といわれているエドヒガン(江戸彼岸)も
オオシマ(大島桜)も
長寿な木じゃなかったですか。

やっぱり!開花の時期ですよ!たぶん。
お花見をしたくなる気温と
花の咲く時季が一致するからですよ!きっと。

少しでも早くても!遅くても!
悲しいのじゃないでしょうか。



寺門静軒(1796 ~ 1868)が
「江戸繁昌記」に
上野の桜花はすべて一重咲き
墨水(隅田川)のそれは
八重咲きだと書いています。

江戸時代の終わりには
墨水桜花のお花見が上野のそれをしのぎ
江戸で一番になったといいます。

もちろん!ソメイヨシノのなかったころ。
一重咲きのたとえばエドヒガンのころは
肌寒かったのかも。
それよりちょっと遅めの
八重咲きの隅田川沿いのほうが
お花見に適した気候だったような。
そんな気がしますが。

たぶん!
もっと決定的な事由があるとは思いますがね。



それにしても天候が回復してくると
どっと人が押し寄せてきました。
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肉を焼く匂いが充満。

肉ですね!
酒ですね!
闘争心が湧きたつじゃないですか!

何以稱我情
  なにをもってか わがじょうにかなえん

濁酒且自陶
  だくしゅ しばらく みずからたのしまん

千載非所知
  せんざいは しるところにあらず

聊以永今朝
  いささかをもって こんちょうをなごうせん

千年先のことなんか知るもんか!
酒を飲んで
今日という日を長く楽しもうと
陶淵明(365 ~ 427)もいっています。

ああ!
1,500 年前からちっとも変わりませんねぇ。



わがグループは桜花のないシケた場所。
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根性がだいぶ曲がっている主催者は
ここがいいといったのです。
いろいろユニークな考えをお持ちですね。

七輪をたくさん用意して
私たちも焼き肉をしたのですが。

各自に焼かせて!こちらはとても楽なんですが
失敗です。

肉の消費が多過ぎます。

予定していた 100 人に届かない参加者でしたが
肉は 100 人前以上!
全部食べられてしまいました。
てんぷらのときには人気のあった
カボチャやナスは見向きもされません。はは。

それに燗酒(かんざけ)が
ものすごくたくさん消えています。
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日ごろ!日本酒を飲まない人が
お花見のときには
毎年!なぜか!どんどん飲むのです。

買ってくるな!といっておいたのに!
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女性陣(ま!おばちゃんばかりですが)に
どや顔をしたい主催者のおじさんが
見栄を張ってたくさん仕入れてきたサザエも
全部食べられてしまいました。



ああ!儲けはなさそうで
日当はありません。
それより!
立て替え分を早く回収しておかねば。

ああ!残ったゆで卵ふたつと
蒸したサツマイモ 3 本を
日当代わりにもらって帰ります。

お手伝いしてくれたアラフォー女史に
なにもお礼をいわなくて
申し訳ないことをしました。

落ち込みますね。
でもね!春だから。

春花の ごとくたをやに 姿あれ
   みそらのごとく 高かれこゝろ



(寺門静軒原著/江戸繁昌記/竹谷長二郎訳/参照)
(松枝茂夫・他訳注/陶淵明全集/参照)
(短歌は矢澤孝子歌集/はつ夏/より)
(敬称略)
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