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桜之宮 堤長うして家遠し [わが街・大阪ブギウギ]

大川(旧・淀川)の天満橋から上流には
橋がないことになっていますが。
まだおじいさまやおばあさまが
この世にいないほどの昔のはなしですよ。

その天満橋の上流
長さ 129m の幅員のない斜張橋。
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自転車道として
昭和 53 年(1978)に整備された川崎橋。
むろん人も通れますけどね。

記憶は定かではないのですが
どこかの古地図にも
ここに橋が描いてあったのを
見たことがあるような。
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左岸!すなわち大阪市都島区の
桜之宮公園をさかのぼります。
ちなみに向こう岸の
北区の川沿いも桜之宮公園です。

藤田邸跡。
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あれ?!
たしかここに大長寺があったのでは。
(現在の寺はうんと北に移転しています)
小春と治兵衛が心中したところ。
実際の事件を近松門左衛門が
享保 5 年(1720)に人形浄瑠璃に仕立てた
“心中天網島” の舞台。

ふたりは多くの橋を渡って逃げます。
最後に京橋!ついで御成橋を渡って心中の地。

私の橋の絵の記憶は御成橋でしょうか。

違いますね。
大川を渡ってしまえば網島じゃありませんから。
このあたりはなん度も地形が変わった中州の地。
御成橋はその間の川のひとつの橋なんでしょう。

あ!川崎橋は
1 度!明治の初めに橋が架けられていたそうな。
私設の有料の橋。
あやふやな記憶はそれかも知れません。



桜宮橋(さくらのみやばし)。
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いかつい鉄骨の橋ですね。
昭和 5 年(1930)架橋だとか。
いかにも時代を映していますね。
度重なる大阪空襲にも耐えたのですね。

“プロヴァンスの街に” ですか!
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ラブホテルです。
この付近にラブホテルが集中しています。
立ち尽くす私の前に
カップルがつぎからつぎに出てきます。

たいてい!女性のほうが嬉々としています。
ショーバイしているんでしょうか!まさかね。
平日の昼の日中に
”心中天網島” ごっこをやっているんじゃねぇ!
親は泣いとるぞ。
ま!個人の勝手ですがね。

あ!そんなこと感心しているバヤイじゃねぇ!
そのホテル街の中の
「櫻宮(桜宮 さくらのみや)」に寄ります。
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「桜の宮」という上方落語があります。
東京の
「花見の仇討(あだう)ち」とうりふたつです。

「花見の仇討ち」は
滝亭鯉丈(? ~ 1841)の作と分かっているらしい。
それが上方に移入されたのでしょう。
そのときにこのあたりが
花見の名所だったからでしょう。

桜の名所にあったから
“櫻宮” という人が多いのですが
東成郡野田桜野から
洪水で流されてきた神社だから桜野宮!
表記が変わって
桜宮(さくらのみや)になったという説も。

さらに移って今の場所に鎮座されたのが
宝暦 6 年(1756)だといいますから
そのころになって神社にちなんで
桜を植えた可能性も否定できないような。

そして落語がやってきたときには
桜の名所になっていたのかも。
しかし!桜の樹種は
ソメイヨシノ(染井吉野)ではないでしょうけど。



疲れてきました。
灰色の脳で考えるのはやめます。

昭和 11 年(1936)架橋の源八橋です。
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JR大阪環状線の鉄橋です。
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昭和 7 年(1932)ごろ竣工かな。
当時の鉄道会社は国鉄かどうか
私には分かりませんが。

都島橋。
大正 11 年(1922)架橋。その後架け替え。
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昭和 59 年(1984)架橋の
飛翔橋は歩行者専用です。
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わ!
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橋がいっぱい。
よくまぁ!
四の字固めのようにこんがらからないこと。

上は阪神高速道!
下は毛馬橋!
右の大川に並行しているのは春風橋かな。

新・淀川からの分岐の
毛馬閘門(けまこうもん)に着きました。
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毛馬は古い淀川のデルタにあった村の名前。

「デルタの毛まのこうもん!」
「びっくりしまっせ!」
今は亡き噺(はなし)家の
露の五郎兵衛(2 代)の高座のまくら。

閘門とは
新・旧の淀川の水面の高低差をここで
調整して航行をなめらかにしているのですね。

大川(旧・淀川)の
閘門が開いて船が出て行きます。
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淀川の堤に上がれば
毛馬村出身の与謝蕪村の句碑。
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春風や 堤長うして 家遠し

たいていの教科書(!)では
「はるかぜや つつみなごうして いえとおし」と
読ませています。

が!
上方弁では「堤」は「どて」というのが一般的。

「はるかぜや どてなごうして いえとおし」じゃ
ないんでしょうか。
そのほうが五七五でもあります。

ま!
「どて」といえば五郎兵衛師匠!
草葉の影でまた喜ぶかも知れませんが。



(敬称略)
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