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飛田新地 (2) 大地の子守歌 [活動写真]

あら!?
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こんな看板がありましたか。
新しいとも思えませんが
なん年も前を通っていても
気づかないもんですね。

また!気づきにくい配色ですが
役に立っているの?!
映画館の “シネ・ヌーヴォ” の案内板です。

シネ・ヌーヴォ(Cine Nouveau)は
大阪市西区にある
イスが 70 もない小さな映画館。

中 2 階に 24 席の
シネ・ヌーヴォX” も併設していますが。



マンモス映画館ではおめにかかれない映画を
しばしば取り上げています。

この日は
“大地の子守歌” を上映していました。

1976 年公開!増村保造監督!大映の制作。

13 歳にして売春宿に売られ
地獄の日々に
失明してしまった薄幸の娘 “おりん” を
16 歳の原田美枝子が演じています。

初々しくて可愛い原田美枝子が見られます。

実はこの映画のビデオ!
本棚でほこりをかぶっています。
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ビデオデッキが 3、4 台もあるのに
尻をたたいても!おだてても!
まともに働こうとする律儀な機械は
1 台もありません。
わが家のビデオの時代は終わって久しい。

それなら!
久しぶりにここで観て行こうかな!と
一瞬思ってしまいましたが。
やめます。

泣けるでしょうから。

最近!軟弱になって
どんな映画でも
その場面から連想して
ストーリィからはずれた場所に心が飛び
泣いてしまうのです。
こしかたの不孝!不義理の数々!ああ。

ましてこのストーリィ。

山奥で育ての老婆と暮らしていた少女が
おばあさんの死後
瀬戸内海の売春島に売られてしまいました。

過酷な生活の中で盲目になります。
助けてくれる人がいて島を脱出。
四国路のお遍路をするというもの。

つらいのぉ。



「教えて!」
「わたしが」
「飛田(とびた)のおばちゃんになられへんやろか」

商売熱心!働きものの
アラフォー(around 40)のおね~さん。

「なにをまた唐突に。
「なんで私に聞くの?

「Aちゃんから聞いた」
「あなた!飛田に詳しいんだって!?」

「ああ!Aちゃんですか。

失業して!仕事がないというB子には
飛田新地(拙ブログ 2017/03/07)
働くにかぎるとはいいましたが。

メリットは多々あります。

“大地の子守歌” のような
管理売春はありません。

働く時間が自由に調整できます。
会社勤めとおなじ時間帯でもOK。
近隣に疑われることがありません。

時間給になおせばとてもいい割りです。
たとえ嫌いな客でも
肌を合わせている時間はたった 7 分です。
平均 7 分です。(だれが調べた統計だろ?)

目標金額の貯金ができたら
いつでもやめられます。

そんな “飛田のすすめ” を
酒の肴にいっていたとき
横にA子がいましたね!
しっかり聞いていたんですね!はは。

「あかん!あかん!」
「病気のリスクが高過ぎる」と
これまた横で聞いていた
おばさんが口をはさんだので
はなしは終わりましたが。

そのおばさんは
飛田の近くの医院の看護師ですから
始末に悪い(?)のです。



「でも!どうして客引きのおばさんなの?

「疲れた!」
「いうことを聞かない連中を使っていると!」

数だけそろっている
わが家のビデオデッキみたいですね。
従業員が身内ばかりだと動かないのですかねぇ。
おね~さんに甘えてばかりいて。

「今度は座っていて!」
「口先だけのショーバイがしたい」

身を粉にして働いて
小銭はたまったようですが!
悩みがあるのですね。

「大丈夫!
「ぽちゃぽちゃしていて!
「包容力のあるほほえみ!
「男心をくすぐります!
「まだまだ “7 分 5,000 円” のほうでいけますよ!
「客引きに甘んじるなんてもったいない!

「無理やろ~」

「そんなことは絶対にないです。

飛田はふところが深いのです。
青春通りから妖怪通りまで
あ!年金通りまで
いろいろな年代層の働ける町です。

ま!私がいっているのもいい加減!
受け売りだけで保証がないですけどね。



映画を観ないで
すぐ横の “松島新地” を通って帰ります。
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飛田新地にはありませんが
松島新地では客にシャワーを使わせるそうですよ。
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これも受け売りで無責任なはなしです。
私には
あまり真剣には相談しないでくださいね。

あ!
あのビデオ!
客引きおばちゃん志願の
アラフォーのおね~さんにあげようかな。
お好み焼きぐらいおごってくれるかも知れない。



(敬称略)
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