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テレサ・テンは虞美人 [パパラッチ!ママえっち?]

夕暮れのネオン街のはずれで
ハイキングで以前よくご一緒した
アラフォー(around 40)のおね~さんに
ばったり。

生きていましたか。

「体調がよくなったら!また連れてってね」
なんて!今まで見たことのない!しおらしさ。

仕事はうまくいっているのでしょうか。
オトコ関係はどうなんでしょうか。
後ろ姿が寂しそうでしたが。



それから 2 日ばかり経った未明
眠れぬままに
その後ろ姿の
やせた肩を思い出したりして。はは。
そして!漢詩の一部がなぜか浮かびます。


 別時容易見時難
  わかるるときは よういにして
  まみゆるときはかたし

 流水落花帰去也
  りゅうすい らっか かえりゆくなり

 天上 人間
  てんじょう じんかん


花びらは流れて!春は行ってしまいました。
天上と人間界ほどへだたったかなたに。

南唐(937 ~ 975)の最後の君主の
李煜(りいく)の詩でしたね!たしか。



あら!李煜の詩集がありましたよ。
買った覚えがありませんがね。

広げれば虞美人(ぐびじん)なんて詩が。


 春花秋月何時了
  はるのはな あきのつき いつかきわまる

 往時知多少
  おうじしんぬ いくばくぞ


寂しい詩。


 只是朱顔改
  ただこれ しゅがんのみ あらたまりぬ

 問君都有幾多愁
  きみにとう すべて いくたの うれいありやと


若い日の容姿はどこに
胸に満ちる愁いはどれほどのものか。

おね~さん!頑張って。



ん?!
「虞美人」という題の詩が他にもありますが。

でも!なんだか変ですね。
「虞美人」といえば
項羽の「垓下の歌(がいかのうた)」の

 虞兮虞兮奈若何
  ぐやぐや なんじをいかにせん

を思い浮かべますが
李煜の「虞美人」には
まったく虞美人が出てきませんが。

「そりゃ!詞だもん!」

最近のハイキングの相棒の
アラフォー女史がいいます。

「詞?
「詞も詩もおなじじゃないの?!

「違うと漢文で習ったでしょ!」

「オラたちの辺境のカムチャッカの(ウソですよ)
「日本人学校には漢文の授業はありまへん。

詩は「し」と読んでもいいけど
詞は「つ」だそうな!漢詩(漢文)の世界では。

李煜の「虞美人」は
「虞美人」という詞牌(つぱい)に
文章を書いたものらしい。

詞牌ってメロディのこと!?
「虞美人」はメロディの名前?!

「早いはなしが」
「心で好きと叫んでも!の」
「からたち日記のように詩が先にできたものを」
「作詩!」
「うららウララうらうらで!の」
「狙いうちのように曲が先にできたものは」
「作詞というの!」

そうなのかぁ!

あの!どうでもいいことですが
自称・フーゾク研究家の私がいうのならともかく
おね~さんのたとえの歌が
とても古いのですが。
とし(年齢)!ごまかしていません?!

そして漢詩の世界では
「詞牌」のタイトルを書くらしい。

「スキップ赤頭巾ちゃん!なんて」
「可愛い曲があったとします」
「それに」
「死ぬことは生きること!残侠の赤い血よ!」
「なんて半端もの(?)の詩(詞)をつけてもいいの」
「タイトルはそれでも」
「スキップ赤頭巾ちゃん!だわね」



「烏夜啼(うやてい)」なんて
どこかで聞いたことのあるような題の
詩(詞)がありました。


 林花謝了春紅
  はやしのはなは ちりつくす はるのくれない

 太怱怱
  あまりにそうそうたり

花も春の紅の色を散らしてしまいました。
あまりにも早く!ですか。
寂しい初夏ですね。

「李煜の烏夜啼は他にもあるでしょ」

あります。


 無言獨上西楼
 月如鉤
 寂寞梧桐深院鎖清秋

 剪不断
 理還乱
 是離愁
 別是一般滋味在心頭


「それ!テレサ・テン(鄧麗君)が歌ってる」

「え~っ!?
「日本語で!ですか!?

「ホンバのことばに決まってるでしょ」
「さすがにタイトルは烏夜啼ではなく」
「獨上西楼かなんかよ!調べてごらん」

詩(詞)の内容が
「ひとり西楼にのぼる」ですもんね。



夕暮れに別れたおね~さんや
テレサ・テンの顔が虞美人とダブります。
虞美人がどういう容姿か知りませんが
3 者とも深い愁いを感じます。

虞美人草(シャーレーポピー)でも見て
しのびましょうか。
あ!消えています。
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長居植物園(大阪市東住吉区)に先日は
花園だったのに。(拙ブログ 2017/05/27
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虞や虞や!なんじをいかにせん。

とぼとぼ帰れば
ああ!雪が!
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夏の雪?!

カロリナポプラの
花の綿毛が散り敷いていました。



(石川忠久著/春の詩100選/)
(李煜/村上哲見注/参照)
(敬称略)
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