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七夕のウルトラマン [西田辺探検記]

「今年も七夕祭をしたい」

ある場末の
左前(と思っている人が多い)
居酒屋がいいます。

「あ!どうぞ。

「手伝って」

「イヤですよ!
「過去!日当をくれたためしがない。

「ビールを好きなだけ飲んで」
「枝豆を腹いっぱい食べてもいいから」

「いりません!ビョーキになる。

「他に頼めるとこがない」

「家族も友人もみんな逃げたのなら
「愛人に手伝わせなさい。
「日ごろ 10 人いると
「自慢しているじゃないの?

「すまん!ウソついてた!」
「みんな他人(ひと)の愛人」

「じゃ!イベントをやめたら。

「なにかしていないと暇で気が変になる」

あ!これ!
どこの店のことか
想像をめぐらせないでくださいね。
あ!そう!
架空のはなしですよ!架空。
半分!いや全部ウソですからね。



「雨!降るよ!梅雨だもん。

「表にテント(タープ)立てて」

「どこにあるのよ!
「ひとつは壊れて
「使用不能になったので捨てたよ。
「ひとつは天井と梁の骨が折れているよ。

「前回!使っていたのはなんや?」

「大工の棟梁が
「ほうきの柄で添え木を作ったの。
「たたむとき!
「その添え木が天幕を突き抜いた!
「見事に!はは。

「4 隅を立てて!」
「上にブルーシートを架けてよ」

いよいよ!ホームレスのパーティかぁ。

「ひとつじゃ狭いでしょ!
「百人も呼ぶのなら。

「166 人に声をかけるつもりやけど」
「4分の1もこないやろなぁ」

「嫌われているからね。

「違うわい!」
「お客がみんな年をとって」
「足腰が立たなくなってるんや!」

「それでもひとつじゃ無理ですよ。
「それに降らなくても!
「あかりを吊るすためになにかいるでしょ。



「花屋が笹を持ってきた」

「注文するからでしょ。

なにを考えているのでしょうね!
カネもないのに。
街角のおタヌキさまのところの
竹を切ってくればいいのに。

「短冊を下げて」

「お客に書かせなさい。

「だれも書いてくれへん」

そんならいらないでしょう。

よく考えたら
なんのための笹飾り!短冊でしょうか。
世間の人はどうしているのでしょう。
星に願いごとをするのですか。
星は神さまですか?!


「笹の葉さらさら 軒端に揺れる
「お星さまきらきら 金銀砂子

「五色の短冊 わたしが書いた
「お星さまきらきら 空から見てる


「たなばたさま」の歌詞。

「七夕(たなばた)」に
「さま」がついています?!

ま!この店は
年末のクリスマスツリーに
ベツレヘムの星も
ダビデの星もなんにもない!
紛失して久しいクリスマスツリーを
臆面もなく飾っていましたからね。

星がなければ
クリスマスツリーじゃないでしょうが!

リクツをいってもムダですね!
バチあたりに。



五色の紙を切って短冊を作ります。
先日メールでもらった
アラフォー(around 40)のおね~さんの
句を(拙ブログ 2017/07/03
無断で書いてしまいました。ごめんなさい。

では私も山頭火風に 1 句。

「ね、キスして もう熊蝉が 鳴きだした

なかなか名句(迷句)だと自画自賛しても
ちょっと気恥ずかしいので
昔ハイキングの相棒だったアラフォーの
発情おね~さんの句としておきましょう。

推敲は不要!思いつくまま五七五。

「香典に しとけと X X X 返さぬ気

「X X X」はこの居酒屋の名前です。

「三分だけ おいらのちんちん ウルトラマン

これは
「X X X」が作った川柳にしておきます。

なんて 40 枚
だれも読みはしないでしょうから
いい加減に書いて下げておきましたが。
白紙でもよかったような。



宋の范成大(1126 ~ 1193)が
皮肉っています。


 朱門巧夕沸歓声
  しゅもん こうせき かんせいわく

 田舎黄昏静掩扃
  でんしゃ こうこん しずかに けいをとざす

 男解牽牛女能織
  おとこは よく うしをひき
  おんなは よくおる

 不須徼福渡河星
  もちいず ふくを とがのほしに もとむるを


七夕の夜!
騒いでいるのは大金持ちの家だけ。
みんな夜になると
昼間の労働に疲れて寝ています。

男は毎日!牛をひいて働き
女は連日!
機(はた)織りに精を出しているのなら
今さら!天の川の牛ひき男と
機織り女になにを求める!?
庶民にはその必要はさらさらないのです。



7 月 7 日になりました。
死んだ父の誕生日でしたね。

父が星になったとも思えませんが
祈りますかね。

「天の川 ひとりさびしく 仰ぎみて
「星の逢瀬を なつかしむ宵

明治の歌人の矢澤孝子の歌。

私もひとりで天の川を見たい性格ですが
今夜は浮き世の義理とおせっかい心で
七夕祭に行かねばなりません。

范成大のいう
大金持ちたち(?)のパーティ!?
どこの星からきたのやら分からない
ウルトラマン!
ま!ウル虎マンたちのパーティ。

みなさん!会費分以上に大酒をあおり
大虎に変身するのですが
私は日当の半分の半分でも飲めるかしらね。



(一海知義著/漢詩一日一首/参照)
(敬称略)
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