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木槿 むくげ 屋根に登ってんか [解語の枯れ尾花]

ジャカランダ(拙ブログ 2017/06/24)が
咲いています。
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この夏の空に。
暦の上では秋ですよ。
なにかふしぎな光景。

初夏のように
雲霞のごとくとは咲いていませんが
高いこずえの先に人知れず咲いています。

長居植物園(大阪市東住吉区)の隅ですが。

ジャカランダの下の
イナゴマメ(拙ブログ 2017/05/08)の実が
黒く熟してきています。
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横にムクゲ(木槿)が咲いていましたが。
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ムクゲの花には
たくさんの種類があるようですが
基本の花色はどれなんでしょう。

あ!?
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「言(こと)に出(い)でて
「言(い)はば忌(ゆゆ)しみ朝皃(あさがほ)の
「穂には咲出(さきで)ぬ恋もするかも

万葉集を書いていますが。

この万葉集の「あさがほ」
ムクゲのことなんですかねぇ。



松尾芭蕉の有名な句。
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「道のべの 木槿は馬に くはれけり

芭蕉の時代にはたしかに
「ムクゲ」は「木槿」でしょうけど。

江戸時代には馬が道草するほど
ムクゲの垣根があったということ?!

原産国は中国だ!
東南アジアだ!アルメニアだと
本を開くたびに
それぞれの説が記述してあります。

そのムクゲがいつ渡来したのか!?

少なくとも
万葉時代にはなかったという見解が
多いのですが。

今!万葉集から「あさがほ」を探してみると
朝貌 (1538)
朝杲 (2104)
朝容貌 (2274)
朝貌 (2275)
安佐我保 (3502)
これらはみんなおなじ
「あさがほ(朝顔)」なんですかね。

それに今
私たちがフツーにイメージする朝顔も
万葉のころに歌に詠まれるほど
日本に定着していたものかどうか。

キキョウ(桔梗)のことだ!
ヒルガオ(昼顔)じゃないか!
なんて主張する人もいますが
固有名詞じゃなく
朝咲いている花はみんな朝顔!?
特定することもない!といえば
叱られますか。



あら!?
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ムクゲの横で
静かに咲いている花がありました。

ムクゲにどことなく似ていますが
花は小さく!数も少ない。

これ!
「屋根のぼってんか」じゃないんですか?!
表示が見あたりませんが。

アラフォー(around 40)のおね~さんが
「母が見た」といっていましたね。

「屋根のぼってんか」は
大阪弁です。
「屋根にのぼってくださいね」とか
訳せばいいのかな。

そのときは聞き流していたのですが。

ま!
「屋根のぼってんか」じゃなく
「矢の根梵天花(やのねぼんてんか)」でしょう。

屋根にのぼるほど伸びて行く木じゃないですね。

ん!
今!園芸大百科事典(講談社)を見ると
「パボニア」の中では
「ヤノネボンテンカ」が
よく知られていると書いてあります。

それがこれですが。
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全然似ていませんね。
じゃ!間違いかな。
長居植物園で聞いてみたらよかったですね。



「白むくげ もくりもくりと 咲きいでて
「少しは空も 秋らしくなる    尾山篤二郎

ムクゲは秋の季語なんですね。



(白文 万葉集/佐々木信綱編/参照)
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