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茂吉の玉菜 すじ肉とキャベツのみそスープ [半煮え!生煮え!]

欧羅巴(ヨーロッパ)の
維也納(ウインナ)で
骨格のたくましい馬がひく車を
心なごんで朝夕見ていた
寂しい留学生がいたそうな。

大正時代の終わりごろでしょうか。
寂しい留学生は斎藤茂吉(1882 ~ 1953)
「玉菜ぐるま」という
エッセイに書いてありましたが。

毎朝
箱ぐるまに
虚空にそびえるほど
山のように積まれた玉菜を見て
ひどく感服しています。

「そびえるほど」に感服したのでしょうか。
「玉菜」に心動かされたのでしょうか。



その時代の
林春隆著/野菜百珍/の
「かんらんの話」の項。

「甘藍と書く。
「たまな!はぼたんと称し
「洋名のキャベージをなまって
「キャベツと俗に称す

とありますが。

この項は簡単な説明です。
他の食材は詳細極まり
レシピまで
丁寧に調査して執筆してあるのに。

玉菜!すなわち!甘藍
俗にキャベツは
一般的ではなかったのですね。

明治時代の終わりの小説
村井弦斎作/食道楽/の付録に
(なんで付録があるのか知りませんが)
価格表がついています。

それに
原名「キャベージ」
訳名「玉菜」
「鑵入り 四十銭」とあります。

「缶入り」ですよ!
輸入品でしょうか。



20 世紀の初めの「食通の王」
フランスのキュルノンスキーがいうスープ
ポ・ト・フーにはキャベツが入っています。

ポーランドのボルツェにも
ポルトガルのキューシードにも
スペインのプチェーロにも
イタリアのミネストローネにも
スープ類にはみんな
キャベツが入っています。

ドイツは酢漬けのキャベツのスープ。

日本ではあまり食べられていないときに
ヨーロッパでは
キャベツだらけだったのですね。



私は
おフランス人(!)ですから
キャベツばかり食べているような。

素炒め(?)が多いですが。
ただ単に
キャベツ単体を油炒めしてするだけですが。

暇があれば塩漬けして
酸っぱくなるのを待ちますがね。

あ!今!青梅を漬け込んだ
醤油があります。(拙ブログ 2016/06/16

キャベツを切って
ねじ式の漬けもの器に入れ
青梅醤油を振りかけて半日おいたら
すぐ!
酸味のあるキャベツ漬けができました。
blogキャベツ梅醤油.jpg



ある(決してなじみではありません!)
ある居酒屋の冷凍庫から
牛すじ肉が出てきました。
関東煮(かんとだき)すなわち
煮込みおでんのタネですね。

大阪のおでんには
牛すじ肉が不可欠なのです。

冷凍焼けが表に見えないから
まだ使えそうですが?!

あ!?
たぶん!仕入れてきたものの
あまりにも情けない肉だったので
保留していたのかも!?

すじ肉にもピンからキリまで
安いものから
高価なものまでありますからね。

「当然!これ!使えないでしょ。
「あきらめなきゃ!高級割烹の名が泣くよ。

なんて強引に(!)おどかしたら
あっさりとくれましたが。

昆布といっしょに煮てみます。
キャベツをちぎって加え
味噌を溶き入れました。
blogキャベツすじみそ汁.jpg

私の好みの青ネギと
これまた到来ものの
とうもろこしをトッピング。

キャベツ!甘くておいしい。
昆布も引き上げずに食べてしまいました。



(上記図書の他)
(キュルノンスキー著/
 美食の歓び/大木吉甫訳/を拾い読み)
(敬称略)
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