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泥の河 幻の廓船 [活動写真]

大阪市西区の映画館で
「泥の河」が上映されました。
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1981 年公開の古い映画とはいえ
ふしぎなことでもありませんが。

それが「イケフェス大阪 2017」の
イベント(!)のひとつらしい。

「イケフェス」とは?!
本名(!)は長い。

「生きた建築ミュージアム
         フェスティバル大阪」

だとか。

国宝とか
文化財としての価値を見るのじゃなく
今も生き生きとして使われ
役立っている建築物を公開したり
シンポジウムや
イベントをしたのだそうな。

それで!どうして映画!
「泥の河」なんでしょう。

「非・定住者たちの大阪」の
生きた建築物?!

ま!阿呆にはよく分かりませんが。



小説「泥の河」は

「堂島川と土佐堀川がひとつになり
「安治川と名を変えて
「大阪湾の一角に注ぎ込んでいく

と始まっています。

大川(旧・淀川)が天神橋の上流で
堂島川と土佐堀川の
ふたつに分かれて流れてきて
またいっしょになるのですね。

そのいっしょになるあたりが舞台。

水はこちらに流れています。
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右側からきたのが土佐堀川。
左の流れが堂島川。
従ってこちらが安治川。

堂島川に架かる船津橋を渡ります。
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つづいて端建蔵(はたてくら)橋に。
端建蔵橋の下流に船が係留されていますが
ここでしょうか?!「泥の河」は。
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土佐堀川の左岸に行きます。

土佐堀川が堂島川と再会する前に
分流しています。
その川が木津川。
まるで欲がからんだ復縁のために
今の恋人を切り捨てる男!
いや!女のようです。

その切り捨てられる恋人!
いや!木津川に架かる橋が昭和橋。
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右書きとは!

昭和橋から上流に目をやれば
両岸に大きくはない種々の船が休んでいます。
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土佐堀川に架かる湊橋のたもとに
「泥の河」の碑がありました。
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この下の河が舞台でしょう。



昭和 31 年(1956)のこと。

川岸のバラックのうどん屋の少年と
対岸に係留された船で暮らす
姉弟の物語です。

姉弟の母は
体を売って生計を立てているのです。

いわば売春船!
廓船といえばいいのでしょうか。

切ないですね。
切ないです。

切ないけど
泣いてはいられません。
現実を認識してしっかり生きているのです。



土佐堀川左岸。
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土佐堀川右岸。
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今もこの湊橋あたりが
船の係留場所なんでしょうか。

映画のモノクロの世界は
まったく消えてしまっていますが。
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それから半世紀が過ぎ
土佐堀川も!大阪も!
景色は大変貌しました。

でも!切なさはいや増して
もうすぐ落ち葉の季節を迎えます。
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