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和束町の茶源郷まつり 2017 [工場見学]

「わが王(おほきみ)
「天(あめ)知らさむと思はねば
「凡(おほ)にぞ見ける
「和豆香(わづか)そま山


万葉集(476)の大伴家持の歌。
(475)の反歌かな。

安積(あさか)皇子(728 ~ 744)が
死去したので悲しみの歌。

異母姉の阿倍内親王(孝謙天皇)や
藤原一族(仲麻呂)らによって
たぶん!暗殺されたのでしょう。

安積皇子は
「和豆香(わづか)そま山」
つまり!現在の京都府の和束町に
葬られているのですね。



和束町は茶葉生産の里です。
人口 4,000 人あまり(2017)
世帯数 1,700 あまりで
茶農家数が 300 戸を越えているそうな。

煎茶工場を見学。
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宇治茶の系統ですから
シロート目には
宇治市で見る工場と違いがないような。
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あ!
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空気清浄のフィルタでしょうけど
なぜか面白く感じました。

急に生産量が増えたのは碾茶(てんちゃ)!
日本一になったそうな。

つづいて碾茶工場。
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縦に高くて長いところを茶葉が通って
碾茶ができるのですね。
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工場が止まっているので
なにがなんやら
初めて見た人には
理解はしにくいですけどね。



抹茶は碾茶を臼で挽いて作りますが
その和束町の碾茶を
アイスクリームの
ハーゲンダッツ (Häagen-Dazs) が
買っているのだそうな。

だから碾茶の生産量が増えたのですね。
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碾茶工場が 30 棟もできています。

晩生(おくて)のオクミドリが多かったので
碾茶生産に向いていたと
生産者のおじさんがいっていました。
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すごいですね!どこを向いても茶畑です。
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「夫婦喧嘩をしたら仕事にならない」とか。
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あれ!?
機械刈りですね。

もう茶の樹の整理くらいで
お金にはならないでしょうけど
たまたま橋の向こうに
寒冷紗のような覆いが見えますが。
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茶の葉すれすれに低く覆うのですか!?

宇治市の覆いは
支柱を高く組んだ棚を作っています。

摘み方といい
覆いといい
なんだか荒っぽいような
安あがりですませているような。

失礼な意見ですみません。



茶の花の季節ですが。
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そんなに多くは咲いていません。

施肥は窒素系が多いのですね。
だから花は少ない。
しかも
「いい茶畑では咲いたとしても」
「ほとんど結実しない」とか。
勉強になりますなぁ。

主に有機肥料を使っているそうですが
「油粕をまけばイノシシがくる!」
「魚粉にはカラスが飛んでくる!」

大変ですね。



和束運動公園を中心に
「茶源郷まつり 2017」
(2017/11/04・05)を催行していました。
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和束町は自らを
「茶源郷」と呼んでいるのです。
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屋台はお茶であふれています。

飲用は当然ながら
茶だんご!茶そば!茶プリン!等々。
抹茶オムそば!茶葉すし!なんて
どんなものやら。

茶めし(300 円)でランチにします。
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抹茶コロッケ(100 円)も。
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常緑樹の茶畑ばかり見ていましたが
顔をあげると
茶の里は紅葉が進んでいました。



雲の色が濃くなってきたので帰りました。

あ!今気づきました。
安積皇子の墓に行くのを忘れて
帰ってしまっています。

私の頭の中の空洞には
もう木枯らしが吹いているようです。



(新訓 万葉集/佐佐木信綱編/参照)
(敬称略)
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