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六甲山で七草粥 [草のゆかり]

「七種(ななくさ)や
「唱哥(しようが)ふくめる 口のうち

芭蕉の弟子の北枝の句。
(「哥」は「歌」でしょうね)

七草をたたいたり切ったりしているのです。
たぶん若い娘か新妻でしょう。

恥ずかしいのです。
小さな声で
「唐土の鳥が」とかなんとか
歌っているのです。
かわゆいのぉ!

大声で歌うのは
おばちゃんとなって久しい主婦か
恥を糧として生きるすれた女です!知らんけど。

七草を切るときに歌う歌は
各地で違っているようですが
たいていどこかに
「唐土の鳥」の文句が入っているような。

あ!
「春の七くさ」は
たぶん「春の七種」と書かないと
入学試験のときなんかには
点をもらえないのかも知れませんが
人生の落第生の私には読みにくいので
テキトーに書いています!すみません。



立春が過ぎたので!たぶん春がきたのです。

でもね!立春を新暦の日に認定したら
新暦の正月と旧暦の正月は
前後にはるか離れているのですがね。
どちらにもつきかねるのですが。

まぁ!考えますまい!疲れるから。

春は摘み草!七草粥?!
七草をたたいたり切ったりしました。
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みんなで大声を出して歌いましたね。
みなさん!あばずれ女か
くたびれたじいさんでしょうか。(失礼!)

六甲山山中の
神戸市立森林植物園に春がきたのです。
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イベントが増えてはなやいできますね。



「摘み草」は万葉集にも散見しますよね。
なごんちゃん(清少納言)も
「新春の粥」を書き残しています。

かなり昔から日本にある行事。
6 世紀の梁の荊楚歳時記に
影響されているのでしょうか。

それには
「正月七日を人日と為す
とあり
この日はすることが多く!
忙しいようです。

その中のひとつに
「七種の菜を以て
「羹(あつもの)を為(つく)る
と宗懍は書き残していますね。

揚子江沿岸から
華南あたりの風習だったのかも。
もっともその周辺は
日本よりかなり温暖でしょうか。

もうかの地を訪ねても
毛沢東がかき回して
中華人民共和国が席巻して
大金持ちになっている人はなって
礼を忘れかけている現代では
七草がなにか!なんの草だったのか
だれも知る由もないでしょうね。



日本の「七草」の菜は各地でさまざまです。

一般的には
せり!なずな!
おぎょう!はこべら!ほとけのざ!
すずな!すずしろ!これぞ七草
と短歌のように調子よく並べられていますが
そこまで単語は特定しているようでも
それが実際の植物のどれか
比定は時代により人により違いますね。

現代の標準語の NHK TV的解釈によれば
「せり」はセリ(芹)!
「なずな」はナズナ(撫菜)!
私たちが
実が三味線のバチに似ているので
ペンペングサと呼んでいたもの。

「おぎょう」はハハコグサ!
「はこべら」はハコベ!
「すずな」はカブラ(蕪)!
「すずしろ」はダイコン(大根)!

問題は「ほとけのざ」!
私の近隣の大阪市の店頭では
みな!葉に毛があって
硬くてごわごわした
サンガイグサともいわれる
おいしくないホトケノザが並びます。

出荷元の農協にいったことがあります。
間違いではないのかと。

「江戸時代の大学者の小野蘭山や
「貝原益軒がそういっている
「ゆめゆめ疑うことなかれ
とのご回答でしたが。

牧野富太郎はかれらが間違っている!
「ほとけのざ」は
コオニタビラコだと断定しています。

ま!こちらのほうがおいしい!
私の舌にも。



ここのスタッフはエラいですね!

コオニタビラコを段取りしています。
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大昔には冬枯れの田んぼに
フツーにあったような。
ところがないんですよね!最近。
ハイキングのときなんかに
気にしているんですが。
そもそも雑草豊かな田んぼも少ない。

きざみました。
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羽釜に入れます。
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ほとんど!お手伝いしていないので
しおらしく最後にもらってきました。
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すずな(蕪)と
すずしろ(大根)ばかりですが。はは。

辺見金三郎は
「すずな」はノビル(野蒜)!
「すずしろ」は
ヨメナ(嫁菜)という説ですね。

その考察はさておいて
その組み合わせもおいしいでしょうね。

熱い!
漬けものをのせていただくと
ちょうどよろしい。
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森林植物園はまだまだ冬です。
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(宗懍著/荊楚歳時記/守屋美都雄訳注/)
(牧野富太郎著/植物記/)
(辺見金三郎著/食べられる野草/)参照
(敬称略)
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