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ホトトギスの鳴くころ [不謹慎ですが、、、]

わが家の庭(!)の桃ケ池の
水際をわがもの顔で占拠している
キショウブの花も終わりに近づきました。
blogキショウブ.jpg

ある植物園にて
厚かましい態度のおばちゃんグループが
「これ!ショウブやな?!」といえば
作業している青年は
「ショウブは 1 株だけ」
「あちらの隅にあります」

「なんでやねん!?」
「これがそうやろ!」

「これはハナショウブです」

「ショウブに花が咲いたら」
「ハナショウブやんか!アホちゃう!」

アホはどちらやら。

ま!難しい問題ですね。
ショウブもハナショウブもアヤメも
漢字では「菖蒲」!?
みなおなじですからね。
おばちゃんはアホのままでいいかも。



夜も更けて!することもない孤閨で
古今和歌集をめくれば
夏の歌のところには
「ホトトギス」だらけ。

「五月雨(さみだれ)に
「もの思ひをれば 時鳥(ほととぎす)
「夜深く鳴きて いづち行くらむ

紀友則の歌。

ホトトギスに時鳥の漢字をあてていますが。
古来!他にも
不如帰!子規!蜀魂!杜鵑!
杜宇!田鵑!鵑!等々
書いたりしているようですが。

異名も多い。

網鳥(あみどり)!
ウナイ(ヰ)コ!ウナイ鳥!
妹背鳥(いもせどり)!
クキラ!
掘田鳥(くったどり)!
沓手鳥(くつてどり)!クッテ鳥!
苦帰楽鳥(くきらくちょう)! コイシ鳥!
シズ鳥!シズコ鳥!
死出(士田)の田長(しでのたおさ)!
タウタ鳥!タソガレ鳥!タナカ鳥!
タマサカ鳥!タマムカエ鳥!
宇(とう)! トキツ鳥!
ヌバタマ鳥!
不如帰去(ふじょききょ)!望帝(ぼうてい)!
三月(みつきorみつこ)スコ鳥!無常鳥!
モモコエ鳥!ユウカゲ鳥!ヨタダ鳥!
ラムル鳥!
過時不熟鳥(読み方不明)!

疲れました。
リライトに自信がなくなります。
間違えて書いていたら
笑って修正してください。



霍公!霍公鳥!郭公とも書いていますね。

これはみんな「かっこう」じゃないですか。

図鑑を見ると
ホトトギスもカッコウも
ツツドリもジュウイチも姿は
無知なものにはおなじ鳥に見えます。

大昔には
「かっこう」ということばが
なかったとも考えられますが。

でも!みんなおなじ名前なら
歌に詠んでいる声はどうだったのか
分かりませんね。

ホトトギスは
「ホットトキトキ」とも聞こえたから
ホトトギスになったとか。

カッコウは「カッコウ」と聞こえたから。

歌人のみなさんは
どんな鳴き声を聞いて詠んだのやら。



同時通訳中
「鳴かぬなら
「鳴かせてみせよう ほととぎす
に困ったというのは鳥飼玖美子。

「ほととぎす」という鳥が
英語圏にいますか!?
それこそカッコウ(cuckoo)はいますが。
いたとしても!
日本の詩歌から日本人が感じる抒情を
どう訳せばいいのでしょう。

見かけはカッコウ(cuckoo)
鳴き声と伝説では
ナイチンゲイル(nightingale)に似ていると
訳す訳にも行かないらしい。

結果!
枕草子でも短歌でも俳句でも
英訳せず!
「hototogisu」のままのほうがいいらしい。



ウェールズ人を揶揄(やゆ)し軽蔑すらする
「マザー・グースの唄」の中で
北原白秋はウェールズ人(Welshmen)を
南京人(なんきんさん)と訳しています。
ウェールズ人にも南京人にも失礼でしょ!
カタカナ表記でいいような。

あれこれ翻訳書を広げると
川魚をみんなフナ(鮒)と訳したり
長ければウナギ(鰻)としたり
いい加減さは数えきれません。

困ったもんですね。

固有のバッタ類もイナゴと訳すより
カタカナで書いておいてくれたほうが
教養と想像力のないものには
誤解が少ないような。



(物集高量著/百三歳。本日も晴天なり/)
(中村浩著/動物名の由来/)
(鳥飼玖美子著/歴史をかえた誤訳/)
(平野敬一著/マザー・グースの唄/)参照
(敬称略)
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