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のり弁当 [食い意地]

久し振りに「弁当店」へ。

「やっぱり、お弁当屋さんの
「おべんとうはおいしい。
なんて店の宣伝文句。

みずからのことに
「お」とか「さん」をつけて
変じゃないんでしょうか。

幼児ことばですかね。
成人しても
自分のことを「み~ちゃん」とか
「ぼくちゃん」とかいっている
しつけのできていないもののような。

それとも!ことばの進化形でしょうか。

ことばもネオテニー(幼形成熟)に
進むのでしょうか。

ま!ここは大阪!
「しゃぶしゃぶ」とか「とれとれ」とか
「お粥(かい)さん」とか
幼児ことばが氾濫する街ですから
疑問視されないのかな。



そんな「ほっともっと」に。

ランチどき!大勢待っていましたが。
棚にある弁当はなんですか。

棚が熱いのか!弁当が作りたてなのか
あったかいのですが。

それをもらえば待たなくてもいい!?

じゃ!それを。
blog91ほっともっと.jpg

「のり弁当」です。
税込み 300 円でしたが。

弁当店で買うのはなん年ぶりでしょうか。
忘れるくらい大昔。
そのときだって
270 円か 280 円かだったような。

あんまり値上げはしていないような。

白身魚のフライとちくわがついています。

私のように成人するまで
家庭で食べたことがないものには
のり弁当とは
そんなものだと刷り込まれていますが。



いささかの変化のない日の丸弁当を
小学校の 2 年間
中学校へ入学して 2 年間の連続 4 年間
つづけたというのは池部良。

つづけたのじゃなく
つづけさせられたというほうが正確かも。

父親が父親の方針で
毎朝!母親の抗議する中!
父親が作ってくれていたそうな。

ちなみにこの母親は岡本一平の妹。
つまり池部は岡本太郎といとこ。

父親は洋画家・漫画家の池部鈞。
出勤しない生活なので
朝から台所にきて
あれやこれや威張っていたらしい。

その日の丸弁当は。

「アルミの弁当箱の底にごはんを 2㎝ 。
「安い削り節。醤油。
「さらにごはんを 3cm 。
「削り節。醤油。
「真ん中に梅干ひとつ。

「栄養不足になって背が伸びなかった」と
池部は書いていますが
そんなせいではないでしょう。
栄養は朝夕の食事で摂ればいいはず。

あれ!?
のり(海苔)がなかったですね。

のり弁当と思っていましたが
私の勘違いでしたか。



ん?!
それじゃ!
阿川佐和子の父親の逸話だったかも。

吉行淳之介がよく所望したという
阿川弘之家の「かつぶし飯」なるもの。

小鉢にごはんを入れ
醤油をかけた削り節をのせ
わさびをおいて黒いのりを敷くのだとか。
それをもう 1 度繰り返して完成。

これを弁当箱で作ったら
のり弁当になるのでは。

しかし!
白身の魚もちくわも
香のものさえ言及がありませんね。

弁当店ののり弁当のスタイルは
「ほっかほっか亭」が嚆矢(こうし)だと
聞いたことがありますが

それが定着したのでしょうか。



スーパーサンディに行けば
のり弁当がありました。
blog92のり弁当.jpg

白身魚はあるけどちくわはありません。

その代わり
コロッケと鶏肉揚げと
だし巻き片がついていました。

税抜きですが 199 円。
藤本食品製。

冷たいけど
「ほっともっと」よりはだいぶ!安い。



スーパーサンディにもうひとつ
のり弁当がありました。
blog93のり弁当.jpg

白身魚とちくわがありますね。
その他!鶏肉竜田揚げ!スパゲティ!
ほうれんそう胡麻和えなんかがついていて
税抜き 299 円。
シノブフーズ製。

やっぱり冷たい。
冷たいのがなんだ!
安くてボリュームがあればいいです。

電子レンジで
加熱するという手もありますよ。



(池部良著/食い食い虫/)
(阿川弘之著/食味風々録/)参照
(敬称略)
タグ:池部良
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