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延安の娘に泣いた [活動写真]

「延安の娘」が
映画館で上映されていました。

映画ですから映画館で公開されるのは
あたりまえですけどね。
15 年以上前の作品です。

ドキュメンタリー映画です。

つくづく政治は
「悪」だと思える映画です。
百歩譲っていえば
必要な「悪」かも知れませんが。

民主主義でも
たとえば 100 人のうち 49 人が
その政策は悪いことだと考えても
51 人が正しいと思えば
51 人の思うように進みます。

時代が過ぎて 51 人の認めた施策は
悪いことだったと分かっても
後の祭りです。

民主主義ですらそうですから
それ以外の統治地区には
もっと悪い政治が
行われているに違いありません。

だから政治家は「悪人」です。
わが国でも近隣諸国でも
統治者やら指導者面をしている政治屋は
おしなべて腐ったアンパンマンみたいな
みにくい顔に変じて行きます。

悪人面になるのは必定ですか。

総理大臣でも知事でもやめた後は
すみやかに
重い罰を受けなければなりません。

必要悪と自覚して
罰を受けるのもいとわず
強い意志を持った
エラい人が政治家になるべきです。



毛沢東はたぶん偉大な革命家です。
革命家は革命だけに専念し
革命が終わった後には
潔く身を引かねばならなかったはず。

それが!王さまになったのですね。
王さまを倒した後
自分が王さまになってどうします!?

自分個人にだけ富が集中するようにして
政策はことごとく失敗?!
国内の犠牲者の数は統計できないほど。

それで行き詰って文化大革命?!
この人には貧乏や無知の人を扇動して行う
革命しかないのですね。

結果!紅衛兵が「毛沢東語録」を掲げて
勇ましくも滑稽に席巻したのです。

今「毛沢東語録」を広げて見ると
「八項注意」なんてありました。

1. はなしはおだやかに
2. ものの売買は公平に
3. 借りたものは返す
4. こわしたものは弁償する
5. 人をなぐったりしない
6. 農作物を荒らさない
7. 婦人をからかわない
8. 捕虜を虐待しない

なんてすばらしいのでしょう。
なんだか読んだだけで
すぐ真人間になれそう?!

ま!良識のある子女なら幼児のときに
しつけられていることばかりのような。



「下放政策」という
訳の分からんこともしたのです。

1968 年ごろから
都市(映画では北京)の若い労働者や
学生・生徒を大量に農村に移したのです。

移されたものは大変。
受け入れた農村も大変。

不毛とも思われる荒野で
細々と生きている村に
若ものが押しかけて
どうなるものでもないような。
土着の人も死にそうなのに。

食料も電気も水道もない厳冬には
イヌを盗んでは食って
生きていたという証言も。

その上!
移住した若ものは恋愛禁止だったそうな。

それなのに
毛沢東は毎晩違う
14 歳から 19 歳までの生娘と
寝ていたとはどういうこと!?

まさに王さまですね。
さらに黄帝になりたかったらしい。

黄帝は 1,200 人の少女を御して
そのエネルギーを取り込んで
仙人になれたそうな。



その恋愛禁止の中で妊娠したら
処分されたらしい。
普通ならそうですが
たまたま産まれて育った子もいたのです。

そのドキュメンタリー映画が
「延安の娘」です。

小さな女性です。
助産婦の計らいで
もらわれては行ったのですが
満足に衣食を与えられなかったらしい。

養父母を
全面的に責める訳にも行きませんか。
自分たちが生きるのも大変なのですから。

成人して嫁いで長男を出産してから
実の親に会いたくて北京に行きます。

今さら!会いたいですか。
私には分かりませんが。

かの女はいいました。
なにもいらない!
「気にかけていてくれる人がほしい」

涙が出ました。

父と母は北京に帰ってすぐ別れています。

父親は面会しましたが
下放政策の影響で
自分の服さえ買えない貧乏生活。
かの女になにもしてやれないと悔やみます。

母親は会いにきませんでした。
会えない理由が家族制度にあるようです。
もし!日本ならたぶん会えるでしょうけど。

この映画の池谷薫監督も
「気にかけていてくれる人がほしい」を
取りあげていましたが。
blog00池谷薫.jpg

「ほしい」ものですか!そんな人。
私にはそれが重荷になるのですが。
たぶん根性曲がっている私だけかも。



毛沢東の詩がありました。

颯爽英姿五尺槍
(さっそうたるえいし ごしゃくのそう)

曙光初照演兵場
(しょこう はじめててらす えんぺいじょう)

中華児女多奇志
(ちゅうかのじじょ きしおおし)

不愛紅装愛武装
(こうそうをあいさず ぶそうをあいす)

なかなか文学青年(文学老年?)ぶり。
シロートに分かりやすい詩です。

「槍」は銃のこと。
女民兵をほめているのですね。
化粧もしないで頑張ってエラいと。
歯の浮くような文句です。

安ものの政治家や宗教家は
こんな少年のような詩を配りたがります。
単純な女民兵は喜びますね。

「女殺し」ですね。
身心「貧しいもの殺し」ですか。
「人殺し」には
長(た)けていた毛沢東です。
いろんな意味で。



(毛沢東語録/中嶋嶺雄訳/)
(ユン・チアン ジョン・ハリデイ著/
  マオ 誰も知らなかった毛沢東/土屋京子訳)
(李志綏著/毛沢東の私生活/新庄哲夫訳/)
(医心方/飯田吉郎訓読/)
(一海和義著/漢詩一日一首/)参照
(敬称略)
タグ:毛沢東
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