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守口大根 考 [草のゆかり]

大阪府守口市の庁舎で
「守口大根 長さコンクール」がありました。
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市からもらった種子で
決められた期間に育成して競ったらしい。
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守口大根は
世界一!なが~い大根!
しかし!守口市の大根と
一般に知られていますか!?

「なにわの伝統野菜」?!
最近!強引に(?)
認定されたんじゃないんですか。
「なんばネギ」とおなじように
私には無理やり感がいなめませんが。



100 年ばかり前の食生活を聞き書きした
「大阪の食事」の中に
「北河内(淀川流域)の食」があります。

今の寝屋川市で採取したようですが
守口市と寝屋川市は隣同士。
小さな行政区域ですから
ほぼおなじ食生活だったと想像されますが
その中に守口大根のはなしは出てきません。

寝屋川市だけではなく
大阪府のどの地方にも
100 年前の聞き書きに
守口大根はありません。



わが家にある数冊の野菜関係の本で
解説のある大根の伝統品種は
練馬大根!亀戸大根!三浦大根!
宮重大根!方領大根!美濃早生大根!
聖護院大根!桜島大根!等々ですが。

守口大根は有名でも
代表品種でもないような。

論文じゃないから
きちんと整理されているのかどうか
なんともいえませんが。

ん!?
守口大根は
岐阜県原産と書いてある本がありました。

岐阜県は美濃早生大根の地ですが
それが先祖!?
とも思われませんがね。

え?!
守口大根を岐阜では秦野大根と呼ぶ?!
大阪では細根大根!京都では長根大根!
そして!なんと!尾張では守口大根!
という記述も!?

守口漬けには
長良川の河口近くの
砂質の深い畑で作られた
細くて長い大根を使ったという文言も。
岐阜県原産説の傍証?!

つまり守口漬けにする大根だから
守口大根!?

漬けものが先にあるのでしょうか。

大阪の守口に大根があっても!
たとえ!まったくなかったとしても
関係がない!?

守口大根は品種名ではない?!
品種があったとしても!いくつもある!?

ちなみに守口漬けとは
奈良漬けのように
酒粕で作る漬けもののようです。

それを名古屋の商人が手広く扱ったので
守口大根は尾張名産となった?!



特別審査員(?)できていた
お笑いの大平(太平)サブローが
守口市のイメージといえば
「蓮根」といっていましたが
たしかに淀川に接していて
沼地だらけで
畑地に適した深い砂質壌土が
たくさんあるとは思われないのですが。

砂質でも
少しでも礫(れき)が混じれば
二股!三股になるような気がしませんか。
長く細く成長させるには
大変均一な土壌を必要としませんかねぇ。

現在の畑では下にもぐれないのなら
均質な土を作り!上に高く
人工で積みあげるしかないでしょう。

栽培した人の感想も
高い培地作りに腐心したり
重労働したりしているようです。

ペットボトルを重ねていった人もいました。

ますます
昔から栽培されていたとは
思えなくなってきます。



ケチをつけるのはこのくらいで
今年 1 位になった大根は 2m 5cm !
作出したのは小学校のグループ。
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エラいですねぇ。

ギネス世界記録には愛知県の人が育成した
守口大根が認定されているそうな。
それは 2m に届いていません。
ここ守口市にはなん度も
2m 越えの大根が出ているというのですが。
そんなものですか!人の世は。

特別賞は 12cm !?
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たしか 12cm といっていたような。
聞き間違いならごめんなさい。

大根の下の先に 5 円玉を通して!
止まったところから計測するルールとか。

人の背丈ほどの大根のコンテストに
こんなものをエントリーするとは!?

最小のふざけたものはさておいても
短いものもいくつかありましたが。
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葉っぱを食べればいいのですね。はは。
おいしいのでしょうか。



葉っぱといえば
先日(拙ブログ 2019/01/15
「あいな里山公園」でもらってきた
大根の葉は 2、3 日干してから
塩漬けにしました。

それを塩出ししてから!空煎りします。
オリーブ油を少し混ぜて焼いて
酒を振っておいた「かえりちりめん」を
混ぜ合わせます。

「かえりちりめん」とは
「ちりめんじゃこ(しらす干し)」の
大きな個体です。
ちょっと食感がごわごわしますが
鬼の牙を持つ私には歯ごたえがいいのです。

酒を入れてかき回し!砂糖と醤油で調味。
醤油は塩漬けの味が残っているので
たくさんは不要ですが。

これまた先日(拙ブログ 2018/12/21
山の辺の道で入手した
レモンの皮をきざんで加えます。
地のワックスのないレモンですから。

仕上げにレモンをしぼりかけました。
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たまごだけの焼きめしを作り
上記の大根の葉の炒めものを混ぜました。
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おいしいじゃないですか。
あの守口大根の葉ももらってきて
食べてみたらよかったかも。



(筑波常治著/五穀豊饒/)
(とよた時・文/さくもつ事典/)
(青木恵一郎著/さくもつ紳士録/)
(農文協/聞き書 岐阜の食事/
    及び 愛知の食事/大阪の食事/)
(林春隆著/野菜百珍/)参照
(敬称略)


(追記)

保育社のカラーブックスの
小川敏男著/つけもの/に
守口漬けがありました。

守口漬けに使用する大根は
江戸時代にはいくつかあったようですが
美濃の「細り大根」だけが
現在まで栽培されているとか。

昭和 53 年(1978)の
カラーブックスの発行当時の
「現在」ですが。
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