SSブログ

ズッキーニ 長いもの丸いもの [いも!たこ!なんきん!]

とぼとぼ歩いていると
道のかたわらの無人販売や
地元の農産物の直売所が
オアシスのように感じるときがあります。

安価というのが
懐中不如意のものには
親しみやすいのですね。
それだけかも知れませんが。

ズッキーニがありました。
blog71ズッキーニ.jpg

おなじ日に買ったのですが
おなじところで買った訳ではありません。
どれも 100 円ほど。

だいたい!これがみんなズッキーニ!?

ズッキーニは
色はともかく
上のキュウリのような形しか
頭になかったのですが。

ズッキーニは
カボチャの仲間といいますから
なるほど!
カボチャのように形が変異する?!



また!そぞろ
カボチャが分からなくなりました。

「南瓜」と書いて
例えば俳句歳時記を見ると
かぼちゃ!たうなす!なんきん!ぼうぶら!
どう読んでも勝手らしい。

「菖蒲」と書いて
「しやうぶ」でも「あやめ」でも
好きなように読むのと似ていますか。

しやうぶ(しょうぶ)はまだよろしい。
花を見たり栽培地を見ればシロートでも
ショウブかアヤメかハナショウブか
カキツバタかジャーマンアイリスかは
多少区別はつくというものですが
カボチャ!トウナス!ナンキン!ボウブラ!
どう区別します?!

おなじものといっていいのですか!?



江戸落語の「唐茄子(とうなす)屋政談」が
関西に移植されて
「南瓜(なんきん)政談」になっています。

100 年ばかり前には
箱根を越えたらトウナスはないと
東京人は自慢していたらしい。

東京のトウナスは品質が良く
関西のナンキンは別種なのか
品質が悪いからなのか
そのあたりがよく分かりません。

グルメ小説の嚆矢(こうし)
明治 36 年(1903)の食道楽にも
南瓜には「とうなす」のルビがあります。

戦後の東京の焼け野原の漫画に
滝田ゆうは「カボチャ」と描いていますが。

北原白秋の詩「糸車」に

「金と赤との南瓜(たうなす)の

というか所があったような。

箱根より西の九州人の白秋が
トウナスといっていますが。

メンドくさいので
独断で!
トウナスとナンキンは
おなじものとしましょうか。
さらにナンキンはカボチャと同意語!?

個人的には
鹿ケ谷南瓜(ししがたにかぼちゃ)のような
瓢箪型のものをカボチャと呼びたいのですが。

じゃ!ボウブラはなんですか。
九州ではボウブラしかない!?
先ほどの白秋の詩はさておいて。

戦後すぐ!長崎県では
「ボウブラ」は悪い方言(!)なので
小学校で使用しないように指導していたとか。

牧野富太郎はボウブラとカボチャを
異種のものとして扱ったそうですが。

と!
いつも結論のない
おなじことをくり返していますが。

いや!このブログにたびたび書くものの
論点や結論が違っていたりして!
すみませんね。

原産地の違ういろんなカボチャが
(とりあえずカボチャと呼びますが)
時期も異にして渡来しているのですが
交雑しやすく
いつの間にか名前も混同して
細かく分類は難しい昨今かも。



あ!ズッキーニのはなしにもどします。

ズッキーニのキュウリ型を見て
ヘチマ型した
ボウブラの仲間かと思っていたのですが
セイヨウカボチャの変種かも。

セイヨウカボチャといっても
これまた!名前が混乱していますがね。
ペポー系のような長い形のもの。

カボチャの形が変化しつづけるように
ズッキーニもまた七変化。



キュウリ型のズッキーニは
輪切りにして
フライパンでマヨネーズ焼きして
胡椒を振って
写真を撮る間もなく
食べてしまいましたが。

さて!円盤型のほうはどうしましょう。

300g もないので
そのまま電子レンジに入れて
マイクロウェイブを照射してみますか。

5 分経っても柔らかくならないので
さらに 5 分かけたら破裂しました。

底が破れたので分かりませんが。
blog72ズッキーニ.jpg

切り取って食べます。

あんまり主張する味がありません。
マヨネーズやら梅肉やらつけて
食べねばなりません。

バター醤油がおいしかったような。
アルコールに弱い(?)私が
缶ビール 3 本あけた後の結論です。
アテにはなりませんよ。



(宇井無愁著/落語の系譜/)
(村井玄斎作/食道楽/)
(林春隆著/野菜百珍/)
(滝田ゆう著/銃後の花ちゃん/)
(日野巌著/植物歳時記/)
     他!園芸書たくさん参照
(敬称略)

コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理