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土用餅ですが [お命!いただきます]

丑の日に籠でのり込む旅うなぎ

なんて川柳が
誹風柳多留(はいふうやなぎたる 1765 ~ 1840)に
のっていますが。

丑の日には江戸前だけでは足らず
うなぎ(鰻)が各地から売られてきたようです。

細かくいえばこの句は
柳多留 73 篇にのっているようですから
文政(1818 ~ 1830)のころ。
このころの江戸では「丑の日のうなぎ」が
あたり前になっていたのでしょうか。

平賀源内(1728 ~ 1780)が一鰻屋のために
コピー「本日土用丑の日」を書いてから
40 年以上後のこと。

根拠はないのですが
平賀源内の時代にすでに土用丑の日には
うなぎを食べる習慣があったのでは。



土用丑の日によく軽薄な人が引き合いに出す
万葉集の大伴家持(718 ~ 785)の歌。

石麻呂(いはまろ)に吾(われ)もの申す夏痩(やせ)に
よしといふものぞ鰻漁(と)り食(め)せ

痩(や)す痩すも生けらばあらむを将(はた)やはた
鰻を漁(と)ると川に流るな

これは
「夏痩せ」とはいっていますが
「土用丑の日」だけのことではありません。

「丑の日」には
「う」のつくものを食べるのだ!
だから「うなぎ」だ!という
安易な主張をする自称・博識者もいますが
万葉集の「鰻」は「むなぎ」と読むらしいですよ。

「丑」を「むし」とは読めないでしょう。



やっぱり!私はくどいのですが
樋口清之著「食べる日本史」の
丑の日の「丑」は
単純に「牛」の説を支持したくなりますね。

牛は黒い。
黒いものを食べれば牛のように丈夫になれる!のです。

ごぼう(牛蒡)!しじみ(蜆)!うなぎ!はも(鱧)!
これらは黒いでしょ。

うどん!
たぶん!スープが黒いのでは。
長塚節の「土」ではうどんを醤油で食べています。
明治の終わりの風俗を写生したものでしょう。

梅干!
たぶん!烏梅(うばい)の色から。

「土用餅」なんてスーパーのちらしにありましたが。
餅に塗ったあんこの色やその形が
「牛」でしょうか。



冷凍庫の奥に餅があるのです。
ま!正月の残りでしょうけど。

焼いて
「うなぎの(かば焼きの)たれ」をぶっかけたら
わが家の「丑の日」の縁起もの。
鰻の肝焼きを添えたらごちそうに見えませんか。
blog土用餅.jpg



今年の「土用丑の日」は 2 回巡ってきますが
鰻を食べる予定はありませぬ!食べられません。
なにもかも不調法です。
牛なら
牛丼なら貧乏人でも食べられる時代です。



(敬称略)
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