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幻の「あんぺい」 [食い意地]

甲羅に苔がはえるほど
大阪に棲みついてしまいました。

食い道楽といわれる大阪です。
まだ!
食べていないものがたくさんあります。

「あんぺい」もそのひとつです。

関西限定の食品です。
こればかりは全国に普及していないでしょう。

しかし!その関西特有の食品も
土着の民に問うと
年配の人はなつかしそうにうなづいて
「昔!両親と食べたなぁ!」と
今は縁のないようないい方ですが
40 歳代では
「はんぺん?!かまぼこ!?」なんて
かろうじて答え
若者はみんな「?!」と小首をかしげるだけ。

幻の食べものになって久しいようです。

幻の食べものになるのも分かります。

天神祭の前後
つまり 7 月の終わりにしか出現しないのです。

それにどこの業者でも
簡単に作れるものでもないようです。
以下!大昔に出合った
天野慶之著/食物百話から無断転記です。

あんぺいの材料はハモ(鱧)なんです。
それも死後硬直前のハモ
活けハモでないといけないらしい。

小骨が無数にあるから
手作業で骨が混入しないように肉を取るのだとか。

かまぼこなんかの練りものは
生の肉を長時間す(擂)るのは厳禁ですが
逆に!あんぺいはすり身が水に浮くようになるまで
延々とすりつづけるのだそうな。

とかなんとかまだまだあります。
ま!大変な食品らしい!

あああ!気づいたら今年も 7 月が行きます。

あわてて!近所のスーパーを回りましたが
ありませんね!
日持ちのしない食品でもあるから
在庫はしないようです。

百貨店でやっと!大手の練りもの製造(?)の
大寅蒲鉾が売っていました。

小さなものが 2 個パックで 525 円!
高価なものですね。

わさびが添えられていましたが
ご老体たちの思い出の中では
生姜(しょうが)醤油で食べた人が多いですね。

私は山椒の葉といっしょに
醤油でいただきました。

blogあんぺい.jpg

とても上品なやさしい食感です。

はんぺんのように見えても
歯ごたえというか弾力感が全くありません。

「離乳食のはんぺん」と
キャッチコピーを思いつきましたが
いい加減なことをいえば叱られますね。

前記の食物百話では
あんぺいは丸い!半球状が普通の形だそうです。
なぜなら
すり身を椀にすくい取って
その椀を湯に浮かべて
長時間!蒸し煮にするからだそうな。

蒸し上がると椀から出さずに
上に冷水を張って売っていたとか。

でも!
京都や神戸の出身の人は
四角形だったといっていますが。
どうなんでしょう。
大阪と少々違うものかも知れませんね。

(敬称略)
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